まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「ソロモンの偽証3」宮部みゆき

2012-12-06 22:19:50 | 読書のすすめ
今日はすごい風でした。
空っ風群馬。
冬がきました。


さて 宮部みゆき「ソロモンの偽証 第Ⅲ部法廷」を 読みました。
ソロモンの偽証三部作の最終巻です。

ソロモンの偽証 第III部 法廷
宮部 みゆき
新潮社


クリスマスイブに 自身が通う中学の屋上から転落死した柏木卓也。
彼は少し前から不登校になっており そのきっかけは同じ学年の不良三人組と揉めたことだった。
大出俊次を中心とした不良三人組のしわざではないかという噂が流れる。
始業式後に 「彼らが柏木君を殺すのを見た。」という告発状が送られてくる。
対応が後手後手に回る学校。
告発状を送られた教師がそれを破って捨てるのを見たと 告発状とともに事なかれ主義の教師を批判する投書がテレビ局に届き 事態はますます収拾不可能になる。

翌年の夏 柏木卓也のクラスメート藤野涼子は 自分たちの中学で起きた事件について
周りに振り回されるのではなく 自分たち自身で判断したいと 課外授業として学校内裁判を開催しようとする。
もともとは 大出俊次を弁護しようと思っていた涼子だが 横やりが入り 検察側にまわる。
弁護人は 柏木卓也の友人であるという他校の神原和彦が引き受けることになる。

第Ⅲ部は この学校内裁判5日間の様子を描いている。

つぎつぎと証人が召喚され 明るみに出る新事実。
柏木卓也は 本当に殺されたのか。
謎の少年 神原和彦の正体は?



結末は ある程度予想できる構成になっているのですが
それでも やっぱり 「なるほどね。」と思わせるのが
ストリーテラー宮部みゆき。

中学生たちが 必死に答えのない問いに答えを出そうとする姿に打たれます。

それにしても 人間ってのは一筋縄ではいかない生き物ですね。
一人の人間が いろいろな顔を持っている。
それでも 一人なんですよね。

学校に勤めていて思うのは 中学生だっていろんな顔をもっているということ。
例えば 先生に見せる顔と私に見せる顔が違ったりします。
友達に見せる顔はもっと違うのかもしれない。
もう 社会に適応する準備ができているんですね。

もちろん そういうことが上手にできなくて 苦しむ子もいます。

一貫して私が思うのは 別に上手く対処できなくてもいいってこと。
世渡り上手な人も人間。
世渡り下手でも人間。
世渡り上手な方が生きていきやすいかもしれませんが 世渡り下手な人にもよさがあるんです。

狭くて閉鎖的な社会(学校とか職場とか)では とかく上手く適応できないと
自分がダメな人間みたいに思うかもしれませんが
世界は そこだけじゃないのです。
自分はダメだと思い込んだりしないで!


話をもどして ソロモンの偽証 バブル期の中学生たちを描いています。
今の中学生と違う点っていうと 携帯電話をもっていないことかな。

大人はもちろんですが 中高生の皆さんにも読んでいただきたい。
お勧めです。

いがぐりおは 携帯電話持ってる?
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