まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「元素周期律表で世界はすべて読み解ける」

2014-07-05 22:31:55 | 鶏頭(三歩歩くと忘れる)
今日も涼しかったですね。
このままずっと涼しいとまずいんだろうか。

さて 吉田たかよしの「元素周期律表で世界はすべて読み解ける」を読みました。

元素周期表で世界はすべて読み解ける 宇宙、地球、人体の成り立ち (光文社新書)
吉田 たかよし
光文社


元素周期律表に初めて出会ったのは、いつだったのか?
一瞬で恋に落ちた。
だって元素が、美しい元素たちが、整然と並ぶ美しい表。

どこが好きって、まずはやっぱり、希ガスと呼ばれる18族(18グループ)の列。
He(ヘリウム)Ne(ネオン),Ar(アルゴン),Xe(キセノン),Rn(ラドン)
またの名を不活性ガス。
どんなものに染まらない、この安定感がたまらない。
安定しているということは、当然原子構造も美しくてうっとりである。

そして遷移元素第二周期。
Sc(スカンジウム)から始まってSe(セレン)まで
この美しさは例えようがない。
この辺の金属の美しさがもっとも発揮されるのは薄膜なった時。
薄膜があまりに好きすぎて、大学で専攻し、ずっと仕事もそれ関係だった。
徹夜続きの実験や忙しい仕事の合間に
金属薄膜の美しさにどれだけ癒されたことか。


電子の軌道は通常、位置とそこに存在する時間が決められない。
ゆえに存在確率であらわされる。
私はこれを勝手に「どっかその辺にいる原理」と名付けて
愛でている。(通常「不確定性原理」と呼ばれる。)
落ち着きのない奴とも言えるけれども
安定する場所をもとめて、一瞬も落ち着かずにさすらう姿、好きです。

本書のすごいところは、宇宙(太陽系)での元素の存在度を対数グラフで表示。
H(水素)He(ヘリウム)O(酸素)C(炭素)の順に存在度が減って行く。
そして次に地球上の元素の存在度も同じで
ゆえに人間も一緒。
人間は主に水素と酸素、つまり水でできていて
それに炭素と窒素がからんでいる。
(Heが活用されなかったのは、不活性の希ガスであるため)
そのほかに少量、人間が体内に使用している元素も
納得の理由。
決め手は存在度と反応のしやすさ。
結びついたり離れたりを繰り返し
様々な機能を果たす。
見事な三段論法はあまりに説得力がある。

自分の元素好きを棚にあげておいてなんだが
著者の吉田氏も相当の元素好き。
萌えポイントは、やはり18グループ元素群。
同志である。

著者は、量子力学を学んだ後NHKアナウンサーをした後で
医者になりなおしたという破天荒な経歴の持ち主。

ゆえに元素を愛し、しかも医者という視点から
人体と元素の関わりを分かりやすく説明。

元素好きにはたまらない1冊。
ただ題名の割に、分かりやすく書いていているし
しかも人体と元素の関係をうまく周期律表と結びつけて述べている。
元素に愛を感じれらない!
とか
理系の文章はちょっと!
という方にもお勧め。

気づくと、元素美しい。
元素、ガンバレ!
という「元素愛」があなたにも!


いがぐりおは 元素…好き?
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