アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

灰色の脳細胞に隙間は無いだろう

2010-12-29 21:39:58 | ミステリー・ハードボイルド
「ゼロ時間へ」 推理小説はトリックだけでなくて構想を問われる時代に


「ゼロ時間へ」 アガサ・クリスティー (著)著 田村 隆一(訳) 早川書房(ハヤカワ文庫)

クイーンもクリスティも文庫を全部処分してしまった
読み直すまでもないだろうと
狭い家なのですべての本を残しておくことができない
仕方のないことではある

だから読みかえすことができない
クリスティは何冊あったのか?
「そして誰もいなくなった」「スタイルズ荘の怪事件」「アクロイド殺し」「書斎の死体」・・
代表作はいくつかあったはず
なかでこの作品がとても印象深かったのは
トリックではなく構想が面白い
そういう作品の最初であったからだろう

エドガー・アラン・ポーは「C・オーギュスト・デュパン」という探偵を生みだしたけれど
むしろゴシックホラー的な小説が多い
そしてコナン・ドイル、チェスタトンと推理小説の原型が作られていく
改めて読むとドイルにしろチェスタトンにしろ
ホームズやブラウン神父という主人公のキャラクターも作品の価値を高めているが
何よりも迷宮入りと思わせる難事件の謎を解き明かす
そこが物語の成否を決める要素であった

私が熱心に推理小説を読んでいた1960年頃
推理小説と言えばドイル、チェスタトン、クイーン、クリスティこの4人ははずせない
あとヴァン・ダイン、A.A.ミルン(あのプーさんの)とか・・
その後が続かないのは嗜好がハードボイルドに移って行ったからか

そういえば「ゼロ時間へ」もハヤカワ文庫は田村隆一訳だったと思う
今は違う訳者であるようだ
なぜなんだろう・・

年の終わりに改めて原点回帰し1年を締めくくろうかと思った次第

 事件は原因があって起きているのだ

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