そして冷却水も抜く。
2ストとはいえ、終末期のであるのでエンジン周りは結構複雑なのである。
キャブレターとスロットルバルブをワイヤーで制御するのであるが、これはキャブとバルブは兼ねるとして一本で済んでも、2気筒エンジンで独立給気なら二本のワイヤーは必要なのである。
これに終末期2ストは各社「排気デバイス」なるものを工夫してて、排気ポートの形状や面積を回転数などに合わせて変えるようなカラクリを仕込んでおり、これは ECU からの制御でアクチュエーターやサーボモータで駆動するのである。この制御駆動系は気筒毎に分ける必要はないが、結局気筒毎の排気デバイスはワイヤー駆動とかにすることになるはずで、2気筒エンジンならアクチュエーターなどから2本ワイヤーが出ることになる。※
これに昔ながらのチョークワイヤーも一本加わってきて、気筒毎にキャブが分かれているから、このチョークワイヤーも途中から分岐して2本に増えるのである。
ここまででハンドル側からやってくるワイヤーがスロットルの押し弾き2本+チョークの1本で計3本。エンジン側に入っていくのが分岐したりなんだりで、キャブへスロットル2本+排気デバイスへ2本+キャブへチョーク2本の計6本。合計で最低でも9本のワイヤーがエンジンの周りに分岐したりしながら引き回されまくっておるのである。
ここにさらにいろんな液類のパイプ・ホースが引き回され、電装系のハーネスワイヤーが加わるので、なかなかにキャブを外すのもそういうところでのパズルになるのである。
よって、要所要所でスマホで写真を撮っておく。
多分、数か月も掛かったら、どういうふうに組んであったか全然思い出せないと思うのである。
むしろ今時の電子制御フューエルインジェクション車のエンジン周りの方が、もしかしたらよほどスッキリしているかもしれないのである。電線が複雑化してはいても。
※ 誤り訂正。
二本にしなくても、一本をそのままデバイス1からデバイス2まで伸ばせば済むのもアリで、実際に SUZUKI の RVG250Γ などはそういう取り回ししてたはず。プーリーとか介して延々一本ワイヤーを取り回し、末端と途中の二カ所でデバイスに繋げば、どうせ駆動は一緒なのでと。
むしろ二本に分けていないケースの方が多い?ホンダやヤマハはどうだったっけ・・・
いずれにせよ長々とケーブルがエンジン周りを這い回るので、混みあってるのは一緒だと思うのである。
今の技術だとどう作るのが安上がりなんだろう?
とりあえずキャブは電子制御 FI で、スロットルバルブもサーボかなんか繋いで電子制御だろうし、そうなりゃ排気デバイスの駆動も同様だろう。問題は多気筒の場合のバルブやデバイスを一つのサーボからのワイヤー駆動とかでメカニカルに結合してしまうのか、各バルブやデバイスにサーボをそれぞれ付けちゃうのか。やっぱりメカニカルに解決の方が、安上がりっぽい気はする。
そう見るとキャブが FI になるくらいで、あまり変わりがない気がする。