娘:「お母さん,このスープ,何のスープ?」
嫁:「さあ何でしょう?当ててみて。」
今朝の朝食に嫁さんが用意してくれたスープです。画像はないんですけど,白いクリーム色のスープです。
朝早くからハンドミキサーを使ってあるものをスープにしてくれました。
娘:「…ジャガイモが入ってる!」一口飲んだ娘が答えました。
嫁:「ピンポーン! 他には? あと二つ入ってるものがあるよ。」
私も飲んでみます。フムフム…ジャガイモはわかりやすい。。。。
娘:「タマネギかな?」
嫁:「大正解! さあ,あと一つは何でしょう?」
??あと一つ? なんだろうなぁ。。。と思いながらもう一杯口に運んでみますと,飲み込んだ後にもう一つの素材の香りがほんのり広がりました。
私:「あ…これ…」
娘:「わかった!空豆だ!!」
空豆のスープを飲むと,なぜか必ず私の頭の中にはひとつの光景が広がります。
大学に在籍していた14年前のこと,大学院を終え一月後にある事情から山梨県へ長期出張を命じられました。
入籍一週間後のことでした。
あわただしくて,お金もなかった当時,少しでも入籍の記念になることをしようと家内と二人,倉敷のとあるお店にコース料理を食べに出かけました。
その時シェフの方から「今日は何か記念日ですか?」と尋ねられ,「入籍したんです。」と答えたら,ホワイトクリームでハートの絵柄を描いた空豆スープを出してくださいました。
入籍したうれしさと,すぐに離ればなれに生活をしなければいけない寂しさとが入り交じった複雑な気持ちで食べた空豆スープ。
正直,他の料理は覚えていないのですが,このスープだけは鮮明に思い出すことができます。
もっと心の奥底には,自分がどのような歯科医になろうとしているのか長期目標が定かでなかった不安と焦りみたいなものを感じていた時期だったので,ほろ苦い感じの思い出の一コマです。
今でもスープになった空豆の香りを嗅ぐと,必ずそのシーンが思い出されるのです。
嫁:「どうかした?」
今年で14年,これからもよろしくお願いします。
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