Linの気まぐれトーク

映画と小説の観賞日記

映画『すずめの戸締まり』

2022-11-17 19:53:00 | 映画
椅子はどうして三番足なんだろう

新海誠監督の『すずめの戸締まり』



近所のシネコン、東宝シネマズのスクリーンを9つも使って上映する作品は滅多にあるものではなく、
それだけ世間の期待を背負っているのだと思えば、
人気者の宿命のようなものすら感じる新海誠監督。
若いのに(50歳は私より若い)
童顔なのに、しぶとい。嬉しい。

アニメは漫画、なんて言う世代もあるでしょうが、
別の言い方をすれば、その分若い人の支持を受けやすいわけで、市場価値は高い。

さて、作品ですが、
『天気の子』や『君の名は。』では、生活シーンでの細部描写に私はグッときたわけですが、(例えば自販機の喫茶店とか、マックの夕食とか、ラブホの夜とか)、今回はスッキリしている分、無駄がないというか遊びに欠けるというか、主人公の生活描写に時間が割かれていないのは、ちょっと不満ではありますが。
ストーリー的には分かりやすく、厚みに欠けるのは否めない、
けれど、
それを差し引いても、
着想が面白かったんです。
原作はないのですから、ゼロからの発想ですよね。

主人公の名は、すずめ。
地下のエネルギーは、ミミズ。
災害をもたらす〈後ろ戸〉
イケメンの仮の姿は3本脚の椅子。

この椅子は、すずめの母の手作りの椅子。脚はどこで無くしたんだろう。
(たぶん)東日本大地震で一度は津波に飲み込まれ、母を亡くしたように、片脚をなくして椅子は戻ってきた。
その〈欠落〉?

誰も挑戦者の頃が1番いい。
新海誠監督の頂点がここだとするなら…
わかってはいても、これも順番。
かつて宮崎駿監督が映画の世界を席巻したように、今は新海旋風。
でもいつかは終る。


椅子の謎は、生涯の宿題。

かな。







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