吉岡秀隆が出演しているというので鑑賞。
彼はまだ若く、大学に入ったばかりという設定。
黒澤明監督の作品だし、まあ間違いはなかろうとの思いで借りたのですが、ならどうしてリアルタイムで観なかった?というギモンは残ります。
まあ、当時は子育てに忙しくそれどころじゃなかったのでしょう。
さて、何の前知識もなく観たのですが、
これは長崎への原爆投下の意味を問いかけた、重い作品でありました。
誰も晩年になれば、既成の価値観に倚かかりたくなるものですが、クロサワも〈反戦〉〈反核〉というテーマに、無難にまとめたのか。
アソビの少ない作りを支えているのはおばあちゃんと4人の孫たちでした。
吉岡の頼りないキャラも、よく合っていて、子どもたちをメインに据えなければ、つまらない作品だと思います。
どの子もちょっとお行儀が良すぎましたが。
ところで長崎といえば、キリスト教のミサが大晦日や原爆記念日には映し出されます。が、ハワイやリチャード・ギアを出しながら、祈りは般若心経なのです。
しかも、謎の一節「ぎゃーてーぎゃーてー はーらーぎゃーてー」が繰り返し唱えられ。
自由に行け、というような意味らしいのですが、おばあさんたちが声を揃えて読むお経は、なまじな祈りよりも迫力がありました。
実は吉岡秀隆がオルガンを弾きながら歌うシーンも期待していたのですが、音程の狂ったオルガンがやっと直った時、歌う声は狂っていたという設定はおかしい。
そしてラストシーンで、今度は児童合唱団らしき声の「童はみたり〜野中のバラ」
うーん、これが正解はいいとして、これで終わり?
この歌にどれほどの意味があったのか、最後までよくわかリませんでした。
おばあさんと子ども。
人生の始まりと終わりの自由な時間。
本当はそれを描きたかったんじゃないか。
私はその部分しか楽しめなかったけど、まあそれでいいか。
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