呉かみしばいのつどい ~紙芝居はワクワクどきどき~

子ども達と心を通わせ、共感の感性を育む
日本独自の文化、紙芝居
紙芝居の輪が広がりますように~

放課後等デイサービスでの紙芝居会

2023年04月07日 | 紙芝居
2013年くらいから、近くの放課後等デイサービスの生徒さん達の所で、紙芝居会をしています。

職員さんが「もう何年になるんですかね?」
私「8年か9年くらいかな?」
そんな会話があって、振り返ってみると早いもので10年目でした。

放課後等デイサービスを利用しているのは、小中高等学校に通っている生徒さんと、特別支援学校に通っている生徒さんだそうです。

10年前はプログラムを組み立てて、私が演じるのを観て楽しむ会でしたが、2年目くらいからだったかなぁ〜
「生徒さんが紙芝居をする会」に進化。
私は、生徒さんが演じられそうな作品を選んで持って行くようになりました。

最初から紙芝居に興味がある生徒さんもいれば、4年生になって急に「やります!」と大成長する生徒さんもいて、その姿に胸が熱くなることもしばしばです。

以前、高校生の男子生徒さんは2年経ったある日、それまでモジモジしていた彼が「やります!」と手を挙げました。
吃音があったのですが、みんなよく知っている間柄なので、ゆっくり待って拍手を贈りました👏
思い合ってる暖かさが良いのです😭
それから彼は、卒業まで毎回演じるようになりました。

小学1年生だった男子生徒さんは4年生になった今でも、舞台に入った紙芝居を抜いて差し込む進行のみをします。
お話しは私が読んでの連携プレイ。
この抜いて差し込むタイミングが上手いんです。そこを皆んなが拍手を贈ります👏

思い出すのは、当時3年生の男子生徒さんが演じた『ひよこちゃん』(下に画像🐥)
前に出て演じ始める時、職員さんから「A君、片方の目が見えないんです」と言われて、どうしようかな?と思っていたら、彼は前に出て、紙芝居の絵を見ながら、自分の思いつくお話しを語り出しました。
観客に絵を語る。
まさにこれぞ紙芝居でした。
彼は最後まで語りきりました。
そのお話しが優しさに溢れていたのも嬉しかった😭。
大きな拍手を贈られて自信に満ち溢れた彼の表情(鼻の穴が膨らんでた)を、忘れることができません。

支援の必要な子ども達への、紙芝居の活用の可能性を、毎回感じています。
紙芝居を演じる度に贈られる拍手👏によって、生きる自信に繋がる!
紙芝居にはその力があり、まだまだ可能性があると感じています。


演じる為に観客の前に立ち、舞台を開けて始まる紙芝居の世界。
その世界を観客と共有することで生まれる一体感。
ワクワクやどきどきを一緒に味わい体験する喜びは、紙芝居ならではの共感の世界です。

10年以上前に、東京での紙芝居の勉強会で、先生から「紙芝居を一言で表すなら【コミュニケーション】です。」と言われたことを思い出します。
まだその時は、学び始めたばかりで、その意味が分からなかった私ですが、今はこうやって生徒さん達の実践のおかげで、心から納得できるようになりました。

1930年に日本で生まれた紙芝居は、90年を越える歴史となりました。
今は世界へと羽ばたき【KAMISHIBAI 】として、多くの国々から、紙芝居の持つ素晴らしさが認められています。
この日本独自の文化財である紙芝居を、日本人こそ再確認し、まだまだ紙芝居に潜む可能性を探って研究されたらいいのになぁと、望みを持っています✨✨


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『ひよこちゃん』は、子どもの成長を描いたお話しです。
童心社さんのホームページから、少しご覧になれます。