
店長がそのおじいさんに気付いたのは、ラッピングの嵐がひと段落ついたクリスマスイブの夕方。

閉店まであと1時間、やっと自分の仕事が出来ると思っていた矢先の事でした。

問題の人は見た目70代半ばといった感じで、おじいちゃんと言うよりおじさんと言った方がいいかもしれません。
同じ場所で店内にいる子供達をニコニコして眺めたり、そうかと思うと外に出てまた同じ場所まで戻ったりを約4時間程、繰り返していたらしいの。

おじいちゃんはキョトンとして声をかけた私の顔を見ています。返答は無し!う~ん・・・困った!



ここで店長と私はピーンときちゃったんですよね。「後は頼むから!」と店長は事前に打ち合わせをした通り、すぐに警察に電話を入れに走りました。

おうちを聞いても分からない~


警察が来るまで私は迷子の仔猫ちゃん・・・いやいや迷子のおじいちゃんの話し相手をしていたという訳なのです。


口から出まかせですが、それでもおじいちゃんは「ふ~ん、クリスマスか~」と納得をしてくれたようです。

刑事A・・・通報者の店長に保護した当時の状況等を聞いています。そして私は刑事Bさんから、おじいちゃんの様子は?どんな話をしたか?等を聞かれたの。

刑事Bさんが身元が分かる何かを探そうと、おじいちゃんの上着のポケットに手を入れた所、なんと!JPS機能の付いたポケベルみたいなのを発見しました!

思わず刑事Bさんとガッツポーズをしちゃった私です。その後おじいちゃんは刑事さんに連れられ、警察で家族の迎えを待つ事になったのです。
そのおじいちゃんね、警察に行く前私に「バイバーイ!」って笑顔で手を振ってくれたんだ・・・



そうだね。あずきちゃんも半年前は、迷子の迷子の仔猫ちゃんだったんだ。

幸い迷子のおじいちゃんは穏やかな方でしたが、認知症の症状は人それぞれ違うと聞いています。
無事に保護が出来て良かった・・・おじいちゃん、家族と一緒にクリスマスケーキを食べる事が出来たかな~?おうちの人に叱られなかったかな~?



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