
Sweet Rain
高校生の時、文化祭でクラスの出しものとして喫茶店をやった。今から 50 年近く前(1974年前後。書いていてびっくり。そんな昔か!)なので、当然メイド喫茶とかではない。私を含めクラスに何人かジャズ好きがいたので、ジャズ喫茶をやることに。しかし、私は自分の部活の展示があったので、クラスの方はほとんどかかわれなかった。とは言え、ジャズ喫茶なのでレコードをかけることが必要で、私は大好きなスタン・ゲッツのスイートレインの LP を提供した。
時間が取れたのでジャズ喫茶の様子を見に行くと、円盤係の友人からこんな話を聞かされた。「スタン・ゲッツをかけると、騒がしくなるんだよね。お客さんがしゃべりだすというか。でも、コルトレーンがかかると静かになる。ゲッツ:ザワザワ、トレーン:シーン の繰り返し。」とか。(-ω-;)ウーン。
ジャズ喫茶って、おしゃべりの場ではなくて、冷めたコーヒーを前にちょっと前かがみになって目を閉じて音楽に没頭する空間だよね。その時のコルトレーンの LP が何だったかは覚えていないが、シーン となるというのはなんとなく想像できる。ゲッツだって、スイートレインではチックコリア、ロンカーター、グラディテイトをバックにゲッツらしい気合の入ったフレーズを展開しているぜ。友人から話を聞いたときは、なんか、コルトレーンに負けた気がして悔しい気持ちになった。
70 年代の日本で、好きなテナーサックス奏者と言えば、コルトレーンかロリンズの名前があがる。今でもそうかな?そんな中、私がスタン・ゲッツが好きと言っても、周りからは ( ´_ゝ`)フーン みたいな反応。なんで?そんなこともあってコルトレーンには負けたくないみたいな潜在意識があったのかもしれない。大人になってからは「ジャズファンじゃなければゲッツのビューティフルなアドリブは心地よい BGM みたいなものかもね」なんて思えるようになった。
ところで件の教室内ジャズ喫茶、店名は FREEDOM だったと思う。何かを販売してお金をいただくことは禁止されていたので、カンパ箱を置いといたらそれなりの金額が集まった。それで行きつけの喫茶店を貸し切りにして打ち上げをやったと思う。時効だからと表現するようなどんちゃん騒ぎして、店主さんに大迷惑をおかけした。これも含めてなつかしい思い出。