阿武山(あぶさん)と栗本軒貞国の狂歌とサンフレ昔話

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by小林じゃ

ランダムにサンフレ昔話 その14 カズの51日間(1) チャレンジャーズリーグ

2014-04-26 12:22:33 | サンフレ昔話

 GWの間に、99年のカズのデビューについて書いてみたい。この年終盤のドキドキが始まった11月12日のチャレンジャーズリーグ京都戦(広島スタジアム)から話を始める。

 チャレンジャーズリーグはサテライト公式戦が終わったあとのシーズン後半、関西のJクラブを中心に行われていたサテライトの準公式戦で、サンフレも参加していた。この時期は日本代表の海外遠征でJリーグは中断していて、京都とのチャレンジャーズリーグをトップチーム同士でやろうという話になったようだ。以下、当時のノートの文章をできるだけそのまま書き写してみる。

 

99年11月12日(金)広島0-0京都(13時広スタ・チャレンジャーズリーグ)

FW 11森山泰、26高橋泰

MF 9山口敏

MF 17服部、21大久保誠、38森和、3沢田

DF 19上村、4桑原、23川島

GK 1前川

交代

61分 3沢田→36駒野
    26高橋→14大木

77分 21大久保→37森浩


 サテのCLをトップ同士でやると聞いて、軽い気持ちで見に行って、いつもユースを見ているホーム側のペナの前あたりに腰を下ろした。アップが始まって出てきた選手の中に、平日にもかかわらずコウジとコマの姿があって、ゴール付近を行ったり来たり並んで走ってた。ラッキーと思う反面、カズはどうしたのか気になる。先月の国体ではこの二人が優秀選手に選ばれて、カズだけ出遅れたように見えた。しかし最近のJユースではむしろコウジよりカズの方が好調だと思っていたのに、呼ばれなかったんだろうか・・・そしたら、加藤GKコーチの「カズ」という大きな声。センターサークルあたりでスタメンのビブスを受け取るカズ。これは、えらい事になった。次節はポイチが累積で出場停止、ボランチに一つ空席があるんだった。このビブス受け取った瞬間が、51日間のドキドキの始まりだった。選手入場の時、恥も外聞もなくメイン中央の人をかきわけて写真を撮る。

(左から半分切れてるのが11森山、26ユタカ、17コータ、3ケンタロ、9トシ、21マコ、1前川、23シン、38カズ、4クワ、19ウエミー)

 キックオフ、相手は三浦カズが出ているようだが、私にとって今日のカズは紫の38番。そして、ライバルはダブルボランチを組むマコ。ヨースケ(池端)とかDFもう一枚入れてクワを上げる可能性もあるからだ。先月ぐらいからマコがサテで真剣に練習しているのは知っているけど、今日だけカズに譲って欲しいという気持ちだった。

 急に決まったゲームのせいか、レフェリーがまずい。三浦カズの怒鳴り声が響く。こっちのカズは、最初はうろうろしているばかりで、ほとんどボールにさわれなかったが、前川の大声の指示もあって、いいポジションがとれるようになる。前川とはサテで何試合かやってるからね、今日は前川でよかった(下田は代表で遠征中だった)。前半は、生き残りに必死なマコやシンの積極的なプレーが目立ったぐらいで、見せ場なく終わる。カズの評価が気になるところだが、良くも悪くもない、としか言いようがない。引き上げてくるカズにスタンドから「カズ」と声がかかる。ユースで一つ上の林君(当時経大1年)だ。思わずカズの表情が緩む。ほんとは同期のサチヲやイケちゃんに会いに来たんだろうが、心強い応援だ。

 ハーフタイムを終えて、出てきた選手の中に38番を見つけてほっとするが、コウジとコマの出番はまだ先のようだ。カズは相手CKの時はマークにつかず、こぼれの位置に。まだ一対一は半人前ということだろうか。こういうことがいちいち気になる。しかし、受けたパスはミスなく100パーセント味方につなぐカズの持ち味が出てきた。後半16分、ケンタロに代わってコマ入る。カズとのコンビで見せ場を作って欲しいと思うが、動きが硬い。ユースのゲームでも、コマはあまり上がっていかない。中盤の選手が前を向いて持たないとサイドは上がってはいけない、というエディ(トムソン監督)の戦術を忠実に守っているようだが、物足りなく思っていた。今日も、積極的に行こうという気持ちはあったようだが、三歩上がって五歩下がる、みたいな場面が多かった。コウジは後半32分、マコに代わって入った。コウジにとっては時間が少ない。ポジション的には双子のダブルボランチだが、カズと違うところを見せねばならない。コウジはほとんどの時間をカズより高い位置でプレーしてシュートも打った。しかし、焦って力んだのか枠にいかなかった。ゲームはスコアレスドロー。ユースの3人に興味がなければ、全く内容のないゲームと言われるかもしれない。

(翌日の中国新聞、カズの右で三浦カズがこけてる写真は新旧交代を印象づける意図だったかもしれないが、この日から15年たっても三浦カズが現役とは普通思わんよね・・・)

ダウンのあと記者の求めに応じてカズとコウジが写真に撮られてる。ユースでは意識して一緒にいないようにしていて2ショットを撮るのはかなり難しいから、ずるいなあと思うし見慣れない光景だ。

 外に出ると、多くの人が三浦カズが出てくるのを注目していて、ユースの3人はノーマーク。みんな今日のゲームの意味をわかってないな。まずは、寮長さんが3人とがっちり握手。寮長さんにとっても、ユース3選手が同時にトップのゲームに出るってのは初めてだったはずだ。コウジの感想の第一声は「(三浦)カズはレフェリーにぶち文句言いよった」あこがれの人もピッチで実際対戦するとちょっとイメージ違ってたようだ。まあ、審判にも問題あったけどね。カズは「今日出ることは日曜のユースの試合のあとに言われてたけど90分とは思わなかった」次節の万博にオフィシャルのバスツアーで行くことを告げると、「頑張ります」もう、出る気でいるようだ。コマは、どうだったと聞いても、「ハイ・・・」コマは何聞いてもハイと大丈夫ですしか言わないんだけど、これはかなり悔しいハイだったようだ。寮長さんの車で帰っていく3人に手を振って、心地よい疲労感。カズは楽しみだけれども、あさってからの練習が正念場。長い一週間になりそうだ・・・

 



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