カフェロゴ Café de Logos

カフェロゴは文系、理系を問わず、言葉で語れるものなら何でも気楽にお喋りできる言論カフェ活動です。

映画『哲学への権利』を語る会

2025-01-14 | 哲学系


《 開催日時 》 2025年5月17日(土)15:00~18:00(予定) 
《会 場》 フォーラム福島(福島市曽根田町7-8)
《参加費》 各自で映画観賞券をご購入して下さい。 
《ゲスト》 西山雄二 監督(東京都立大学教授・フランス現代思想)
《カフェ・マスター》渡部 純


少し先の話になりますが、フォーラム福島とコラボする西山雄二監督作品『哲学への権利』の上映会&言論カフェの開催予定を告知します。
この映画は、フランスの現代思想家ジャック・デリダの構想をもとに、1983年にフランス政府の経済的支援を受けて、パリに創設された研究・教育機関「国際哲学コレージュ」を取材したドキュメンタリー映画です。
「国際哲学コレージュ」は「フランスにおける哲学教育のあり方を再考し、制度的な権威(大学)から哲学を開放すること」(ウィキペディア)を目的としており、その特色は、雑多な出自の教師による構成で、大学教員に限らず、高校教師や作家、芸術家、精神分析家、技術者など、さまざまな分野の専門家が教鞭をとっているという点です。
学生は、大学生に限らず一般市民に広く開かれ、かつ入場無料。教師は無償で講義します。
けれど、提供されるプログラムは斬新かつ学問水準は大学と同程度。「カルチャーセンターのようなものかと言えば、そういった消費的な場ではない。アカデミズムと在野の狭間に生まれる両義的な場」ということです(西山雄二『哲学への権利』参照)。
この上映会を企画した背景には次のような経緯があります。
昨年末に地元の福島大学が教員養成学部を復活させると同時に、理系重視の方針を示しながら、音楽・美術等のいわゆる技能教科教育の講座を廃止する旨が報道されました。
地方国公立大学の経営や研究環境が厳しい状況にあることは周知のこととはいえ、こうした大学の動きに対する失望感が周囲に広がっています。
こうした潮流は人文学冬の時代と軌を一にしていると思われますが、引いては人文学そのものに触れる機会が地方から失われていくのではないか。
果たして、そこで学問の自由はどこまで保障されるのか。
もはや、人文知は「大学」という制度外で模索するしかないのではないか。
そんな思いを友人たちと話し合っていた過程で、『哲学への権利』の上映会の企画案が浮上しました。
上映会当日は監督である西山雄二さん(東京都立大学教授・フランス現代思想)をゲストにお招きして、言論カフェの時間をたっぷり設けます。
お楽しみに。(渡部 純)