かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

お役人様、もう少しどうにかなりませんかねえ

2006年06月13日 | 昼下がりの外来で
禁煙治療は今まで自由診療で行われていました。
ニコチンパッチはサイズが一番大きいもので一枚440円くらいします。
これに医療機関の受診料、処方箋料などが別途かかります。

それが、この春から保険が適応されることになりました。
つまり、喫煙は個人の嗜好ではなく、治療すべき病気であるということを国が認めたことになります。
こう聞くと大変喜ばしいことであるのですが、何もわかっていない厚労省のお役人達が見切り発車みたいなことをやってしまったものですから、現場は大混乱!
保険を適応させるには、いろいろと条件の揃った医療機関でないといけないし、患者さん側にもニコチン依存症診断基準が設けられていたり、入院中の患者さんには適応されなかったりと、これらのことが色々とわかりにくいことになっているんです。

ウチの禁煙外来は申請が済んで、今週から保険を適応させています。

『診断基準からいうと、あなたは立派なニコチン依存症ですね。保険が適応できますよ。良かったですね』

「そうですか今日は来て本当によかったですよ」

あなたは病気ですよと医者に言われて、患者さんから感謝されることってあまりないですよ。
今まで自分のことを責めていたんですね。
家族達からも非難されてきたんですね。

昨日外来にいらした60代の男性は、海外旅行のときのつらさについて、こんな話をしてくださいました。

「いやあ、飛行機はつらいですよ!どうにか我慢しなくちゃって、頭にハチマキ巻いて乗ってましたからね。空港に着けば、まずきょろきょろそわそわ喫煙所探しでしょ。でも不思議ですね。どんな外国語も、喫煙所・タバコって字はわかっちゃうんですから

『アラビア語もですかあ?』

「ハイ!」

ニコチンおそるべし!


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2 コメント

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やっほぅ! (ひこうきぐも)
2006-06-14 10:02:37
嬉しい報告です!



以前先生に愚痴ってしまい、

EMMAさんからも励ましを頂いた義母のタバコ。



ふと気づけば、帰宅時、玄関を開けた瞬間立ち込めていたあのニオイがないような・・・。

そういや、義母の部屋の前を通っても目がチカチカしない。

心して見てみると顔の肌ツヤも良い気がする。

何より慢性気管支炎、ちょっと改善したのでは???



昨夜思い切って「頑張ってくれてるん?」と聞いてみました。

そうしたら何と「うん5月から」ですって!

「きゃ~!おかあさんごめんなさい。全然気がつかなくて

「いや、私の事だからまたいつ失敗するかわからないから言わなかった」

「そんなこと!ほんとにありがとう!良かった~!!」

と力いっぱい褒めてお礼言って持ち上げまくりました。



こんな声かけすると喜ぶよ!等のお知恵を頂けるとありがたいです
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やったあ! (cellopy)
2006-06-15 00:41:34
よかったですねー!



とにかく、褒めすぎということはないですから、どんどん誉めてあげましょう。



些細なマイナスはぜったいに目をつぶる!

とにかくプラスにプラスに。



そうして、今までかけがえのないものとして感じていたことが、すべて幻想だったことに気づければ、一生喫煙はできません。
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