外部の工事が進んでいる<停車場線のすまい> そんな現場から『軒内(のきうち)』の話をちょっとだけ・・・
日本の住宅の特徴は、縁側や土間、庇など、室内と室外の間につなぎ目となる中間的な空間があることだといわれています。
深い庇は強い日射しや雨から屋内空間を守り、陰影のある美しい立面を形成しています。
軒内空間といわれる、土間や縁側は室内と室外空間を、あるときは繋ぎ、あるときは柔らかくさえぎります。
日本の気候風土と木造の柱梁構造が、そうした空間をつくり出し、日本人の空間の好みとして定着してきました。
私たちは、小さな窓しか開いていない壁ばかりの部屋より、外に大きく開いた部屋が好きです。
それも外が見えるだけでなく、人や風も通るような開口部を好んでいるようです。
広いウッドデッキやテラス、中庭などが室内とつながる外部空間であり、逆に室内にあって外部とつながるのが、サンルームや縁側、土間空間です。
そうしたつなぎの空間は、見た目だけでなく生活を内外に発展させ、空間を豊かにしてくれます。
雨の降っている日に外気に当たりながら外にいたい。雨が降ってきたから洗濯物をとりこむといった実利的なスペースでもありますが
こころの問題としても、そのような内であり外であるような空間が用意されていないと、私たちの生活はみたされないでしょう。
庭に面した開口部に連続するデッキを用意します。
それもできるだけ奥行きをとってあげて、休日の晴れた日にデッキチェアを持ち出して木漏れ日の下で読書三昧・・・なんてのはいかがでしょうか。
ここは屋根のない、壁で囲まれていない場所ですから、雨が降ったり風の強い日には使えませんが、部屋の中からデッキが見えるだけでリビング空間の一部として十分に意識できるスペースです。
室内の床面とデッキの床面を同じレベルに揃えてみます。間に入るサッシュのレールも歩行感を妨げないようできるだけフラットに。
雨落ちの部分には竹をしつらえてみました。