増田カイロプラクティックセンターの近況レポート

筋骨格・神経・アレルギー(NAET)・感情の統合療法。
増田裕D.Cのブログ

2006年1月5日 東大で教えた社会人学 人生の設計篇

2006-01-05 00:41:56 | 本の紹介・感想
増田院長記

冒頭の題名の本を読んだ。これは人生の暗黙知について書かれた本で、東大の理系の学生だけでなく、広く一般人にもためになる本である。著者は草間俊介+畑村陽太郎(コメンテーター)。文芸春秋刊。

いくつか興味の引くところを紹介する。
起業に関して
○起業して成功するのは千例に3例くらいなものである。<カイロプラクティックのオフィスも一種の起業と考えればこれは厳しい数字である>
○MENTOR(親分と訳す)を持つ能力のないような人間は起業を志すべきではない。自分で判断がつかないときに頼れる親分が必要である。<私の場合、直接の親分はいなかったが、読書から成功体験を持つ人に習った>
○連帯保証人になってはいけないし、人に連帯保証を頼んでもいけない。親の遺言だと思って覚えていて欲しい。<これは借金の際の絶対条件である>

親分と子分について
○人生は決断の連続だ。自分で答えが出せないときは誰かに判断してもらうしかない。一番頼りになるのは自分と自分が置かれている状況について、より高いより広い視点で、過去の経験に基づいて未来のビジョンまでも的確に見通せるような時間軸の視点を持っている人である。<そういう親分を持ちたい><また、私はそういう人になりたい>
○親分の資格:年上、知恵持ち、金持ち、器量持ち。経済的に自立した人、品格のある人、マクロな視点を持っている人、責任の取れる人、信頼できる人、圧倒的な能力・実力を持っている人、度量の広い人、子分を大事にして子分の身になって考えられる人。ちょっと鈍い。やたらなことではオタオタしない。<そういう親分を持ちたい><また、私はそういう人になりたい>

家を買うリスクについて
○ローンで取得した持ち家は銀行の借家のようなもので、実際は自分の家ではない。
○ローンの返済に追われ、小遣いも十分に使えず、つき合いの酒もまともに飲めないサラリーマン人生なんて楽しくもなんともない。
○今の時代ではローンで取得した持ち家は財産ではなく借財である。しかも流動性がきわめて小さい。身動きが取れなくなる。
<私自身は借家で十分満足している。6LDKで14万円の1戸建てに住んでいる>

年金制度について
○今の年金制度は破綻しているのは明白であり、小手先で解決できるものではない。65歳以上の世代を若い世代が面倒を見るというシステムが破綻するのは明白である。
○根本的な解決策は老後は自分の手で守るという姿勢である。つまり、定年後も働き続けるか、老後に備えて自分で積み立てていく方式をとるしかない。
<私自身は生涯現役を貫くつもりだ。自分の人生は政府を含めた誰の世話にもならない>

さて、1月5日のドラッカーの金言。「体系的な廃棄」。副題は「死臭を防ぐことほど手間のかかる無意味なことはない」。APは「陳腐化した事業に投資して資源を浪費することを止めてください。機会を利用するために有能な人材の手を空けてください」である。

カイロプラクティックのオフィス経営で陳腐化した事業とは何か?難しい質問である。製造業とか主要な製品の販売とかいうものと違うので、論議が難しい。しかし、あえて考えると、次のことが言えるのではないか。

第1に、レントゲンやMRIなどの画像診断に頼るアプローチは陳腐化している。日本ではそもそもこうしたアプローチは難しいが、それでもこのやり方は神経系の異常を見つけることができない。病理を見る上では必要である。

第2に、サーモグラフィーに頼るやり方も、治療前後の変化を見るには便利だが、どこを矯正したらいいのか、その指標とはならない。もう陳腐化している。

第3に、手技オンリーのアプローチ。プロバイダーの視点、美的感覚、伝統工芸的視点から言えば、大事なことかもしれないが、時代の趨勢からはだんだん離れている、と思われる。消費者・患者の視点、効果効率性、術者の健康配慮などの観点から見ると、アクティベータが数段勝っているように思える。

第4に、これが肝心だが、アジャストオンリーのアプローチ。これも陳腐化している。これは病気に対する内因論オンリーの立場である。カイロプラクティックの出発点は細菌理論の外因論に対抗して誕生した経緯があるので、内因論重視だが、DDパーマーはその内因論の原因として外傷、毒、自己暗示を挙げることを忘れなかった。つまり、外因と内因を串刺しにする治療メソッドを持たないと、これからの時代に有効性を主張できなくなる。

以上の陳腐化してきているものを大胆に廃棄することが大切である。逡巡を放擲せよ!
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