たいしたことは言えませんが

気が向いた時だけ何かを書くという感じでやってます

3日で始めるテレワーク1「適職種と最低限の条件」」

2020-04-12 20:32:20 | 日記
それではここからは
徐々に具体的なお話をさせていただきたいと思います。
筆者は奥ゆかしい性格ですので
表題を「3日で始める」といたしましたが
その気になって急げば、1日でも可能かもしれません。

この関連の実現のために様々なメーカーから、
実に様々な優秀な製品が発売されています。
どれも大変素晴らしいものばかりですが、
これらを導入しようとすると検討から意見収集まで、
すぐに何か月もかかってしまいます。
本シリーズの冒頭でも書きましたように、
とにかく簡単に確実に早く、テレワークを開始されたい
経営者様向けのお話ですので、
そこに絞ってまいりたいと思います。
ご了承のほどお願いいたします。

それと、このあと記事内にテレワークのための製品や
システムなどの具体名に言及する箇所も出て参りますが、
本文からその「製品」への直リンク設定はいたしません。
これをやると、アフィリエイト臭がぷんぷんしてしまい、
記事の主旨が一気に胡散臭いものになってしまいます。

もしご関心をお持ちの製品やシステム等があれば、
恐れ入りますがGoogle等で検索してご確認いただけますよう
お願いいたします。

【1】テレワークが可能な職種についてまずは記載いたします。

(1)営業職 ◎
 商品資料、提案書、見積書作成のための資料、カタログ、社内発注書、
 納品指示書、納品仕様書、稟議書、注文書、注文請書、請求書、
 などなど、、、
 これらは一旦電子化してしまえば、「資料を見るために会社に立ち寄る」
 必要がなくなります。
 従って直行直帰も可能になります。
 特に営業職は本当に多くの資料や伝票が必要であり、本来の仕事である
 お客様、お得意様と商談を行う時間に大いに制約を受けてしまっています。
 営業職こそ、紙媒体に縛られている筆頭のようなものです。
 テレワークを導入することにより、最も多くの恩恵を被るのは営業職だと
 言えるでしょう。
 営業効率が格段に上がりますので、会社の売上向上にも大いに貢献できる
 ことになります。

 こう考えてみると、営業職はテレワーク云々関係なく、もっと早い時期に
 もっと動きやすい体制を作ってあげるべきだったかもしれませんね。

(2)技術サポート職 ◎
 商品資料、技術資料、サポート記録などなど、
 営業職同様、基本的にお客様サービスをメインとされていますので、
 お客様と会ってなんぼ、のお仕事であります。
 それらの職種の方々は、何百ページもの技術資料やサポート資料を
 紙媒体で持ちまわっています。
 資料が重いのも大きな問題ですが、それらの資料は毎日のように内容が
 更新されます。
 資料のメンテだけでもとてつもない工数の発生になります。
 これが共有資料として統一でき、いつでも最新のものが見られるようになれば
 資料メンテのための工数はほぼゼロになりますし、第一超ヘビー級の
 紙媒体を持ち歩かない(外出先からスマホやPCで閲覧)で済みますので
 効率も大いに向上できるでしょう。
 
(3)商品開発 〇
 技術資料、商品開発企画書、社内提案資料、稟議書、決裁書、
 予算計画書、などなど、これらも十分電子化が可能なものばかりです。
 ただ、これらの部署の方々は、グループ内での共同作業がままあり、
 ニュアンスや雰囲気の統一や合意が必要な場合があります。
 それはやはりメールや電子掲示板ではなく、面前でないと進まないことも
 あるかもしれませんので、適用は「〇」にしてありますが、
 このあたりの状況は会社によって異なるかもしれません。
 
(4)経営企画、販売企画、宣伝企画 〇
 様々な部署や外部スタッフとの折衝などが必要になる可能性があり、
 完全なテレワークにはならないかもしれませんので、適応は「〇」にしましたが
 これも会社によって差があるかもしれません。

法務、経理、財務関連部門は、テレワークは難しいとされています。
外部からの資料が紙媒体で送られてきたり、
紙媒体での保存が法律で定められていたり、
資料の機密性が高いので、
気軽に電子化したり外部から閲覧したりという対象にし難いことが多い
ため、です。
これらも近い将来は変わっていくでしょう。
テレワークはそのくらい重要な国家プロジェクトなのです。

【2】テレワークのための最低限の条件
 テレワークを行うために必要なものを記載します。

(1)一番重要なのは「適当なところで割り切る強さ」です。
 きわめて真面目に申し上げています。
 慎重に検討を重ね、鳴り物入りでスタートさせた全社的なプロジェクトでも
 想定と実践の間には往々にしてかなりのギャップが出てくるものです。
 運用を始めてみないとわからない課題がたくさんあるものなのですが
 準備を周到に行い、体制を万全に組み、大号令のもとスタートしてしまうと
 それらがかえって足かせになって細かな改善ができにくい状況を
 作ります。
 最初から完璧を目指すのではなく、
 当面の課題を少しずつ改善していくためには、
 ある程度のところで割り切る必要があります。
 どういう状態が、「適当なところ」なのか、の判断は多少難しいかもしれませんが、
 経営者様としての強さが求められる場面です。
 このようなプロジェクトは、
 「小さく生んで大きく育てる」方が、結果うまくいくことが多いのです。
 
(2)社内の連絡手段
 現代は、大抵の方はスマホをお持ちだと思います。
 当面は、それを使えば連絡手段は簡単に確保されます。
 本来は社用と私用は分けるべきですので、
 本音を申し上げれば、一人一台のスマホを貸与することがベストです。
 が、予算的な準備も損益の算段も必要になりますので、
 当面は、個人所有のスマホの流用も指示として宣言されることで、
 すぐにスタートするテレワークとしては用は足りると思われます。
 
(3)パソコンとネット環境
 スマホはほぼパソコンと同等のことができるようになっています。
 便利なものです。が
 テレワークの業務をスマホだけで完結させることは、
 データファイルの取り扱いだけに限っても、大変難しいでしょう。
 やはりパソコン、可能ならノートタイプのパソコンが現時点で
 一人一台ずつ貸与されていればテレワークは簡単に実現可能です。
 社員さんも自宅にインターネット接続環境をお持ちの方が
 大半だと思いますので、それも使わせてもらいましょう。
 パソコンが無線LANに対応していれば、
 最近増えてきた街なかのWi-Fiスポットに接続して、
 カフェなどでコーヒーなど飲みながらのテレワークも可能になります。
 
 実際は、会社のメールサーバーとの接続をどうするか、とか
 共有フォルダーにどのように接続するのか、など
 場合によっては少し面倒な課題はあるのですが
 それは現時点は、「割り切る」として。

 要は、完璧な状態をド頭から作るのではなく、
 できるところからやっていく姿勢が大切、と割り切っていきましょう。

次から、阻害要因に対する対応策についてお話して参ります。


テレワークのススメ5「テレワークを阻害するもの3」

2020-04-12 17:58:23 | 日記
阻害要因の3つ目、実は多分これが一番難関かもしれません。
人事的な用語で申し上げれば、
勤怠管理と労務管理、業務管理、という内容です。

システム的なお話ではなくアナログなお話ですし、
人事のご担当者からすれば何をいまさら当たり前のことを、
と一笑に付されるかもしれません。

ただこれが、ことテレワークに関係するとなると、結構ニュアンスが変わって
くるのです。

筆者が携わったプロジェクトにおいて、実は一番のネックはこれ、
でした。
労務管理、勤怠管理、業務管理などなど、これらを突き詰めると
会社は社員を信用していますか?
社員は会社を信頼していますか?
ということになると思います。

テレワークに慣れていない社員はこのように言います。
「会社にいないと集中できない」
経営側の方々は心配されます。
「テレワークでも真面目に仕事をしてもらえるのかな」

つまり双方、お互いに、見ている見られている状態に慣れてしまっており、
それが「管理」だと思っています。

本来、仕事というのは「成果」如何です。
しっかり「成果」が出るかどうかを「管理」すべきであり、
日常、見ている見られている状態は、これすなわち「経過」であり、
「成果」ではありません。
「経過」では「評価」はできないのです。

確かにひと昔、ふた昔ほど前は、
「まあ〇〇はあまり仕事できないけど、がんばってるから
いい評価つけといてやろうや」
というのは上司のある意味美学として存在していたのは事実です。

が、「がんばっている」というのは「経過」であり、「成果」ではありません。
いまはそういう時代ではなく、「評価」されるのはあくまで「成果」で
あります。
「経過」はそれを補うものであるはずです。

これまで「実働」を「手ごたえ」として日常を過ごしてこられた方々にとっては
テレワークは実に「手ごたえ」のない業務状態に思えることでしょう。

これで業務が本当に動くんだろうか。
社員はちゃんと成果を出してくれるんだろうか。
大いなる不安要素であると思います。

でも、本当にテレワークの導入を進めるのであれば、
社員を信用するしかありません。

実は逆の話もあります。
筆者が携わったプロジェクトで一番のネックだったと申し上げましたが、
それは、信用、信頼とは逆の状況を回避すること、でした。

社員は、会社が思っているよりずっと真面目だった、のです。
従って、管理されて制限をかけられないと、
逆にやり過ぎてしまうことが見受けられました。
仕事が終わったのが23時24時当たり前、が毎日のように続く社員が多く、
もしそのままの状態が続けば、
過労死してしまうかもしれない、ことが懸念されていました。
その状態を制限するためのシステム準備に半年をかけ、
ようやく本格稼働できたのでした。

余談になってしまいましたが、
あながち社員はさぼろうと思っているわけではないかも、という例で
申し上げました。

テレワークを進めようとするとこのように
労務管理をどうするかについても考え、
そのためのシステムも導入しなければなりませんが、
これも本格的に進めようとすると、半年や1年はあっという間に経過
してしまいます。

すぐにでもテレワークを導入されたい場合は、
システムはあと回しにして、
業務管理、労務管理の課題をどのようにお考えになるかを、
まずは検討いただきたいと思います。

具体的には、
1)成果主義が導入できるか
  と書きますと大げさな感じを受けますし、最悪の場合
  「成果目標制度を導入するぞ!」
  という選択を(して失敗)する企業さんも少なくないので、
  もう少々補足させていただきますと、
  「仕事は『経過』ではなく『成果』で評価する!」
  ことを経営者として宣言できるか否か

2)基本的に社員を信用できるか
  1)が宣言されれば、社員はそれに向かって自主的に動くはずです。
  「テレワークだから集中できない」とか、基本さぼっている社員は、
  「成果が出せない」ことになり、
  「良い評価を得られない」ことになりますので、
  「集中できない」なんてことを言っている余裕などなくなるはずです。
  ですので、詰まるところ、「社員を信用できるか」否か、
  ということに尽きるのですが、それについてはいかがでしょうか。

以上、阻害要因を3つ記載させていただきました。
【1】紙媒体からの脱却
  資料は会社にある状態から、誰でもどこからでも閲覧出来るように
  すること
【2】仕事のスタイル
  基本的な業務をパソコン主体に置き換えること
【3】社員を信頼する
  会社の意図を理解し、社員として業務を遂行することで、
  会社に貢献してくれるに違いない、と信じること

本シリーズの冒頭で申し上げましたように、
コロナ騒ぎで、当たり前の話にように言われるテレワークの実施について
まだ実践に至っておられない企業様に、簡単に進められるテレワークについて
記載しております。
都知事の主旨と同様、この記事の主旨は、
社員の命を守るため、
社員の家族を守るため、
さらに、会社の業務を停滞させずに事業を継続するため、
にテレワークをご検討されませんか、という内容となっています。

そのために超えなければならないハードルとして
上記3つ記載いたしましたがいかがでしょうか。
もしそのうちの一つでも無理だなーというものがあれば、
大変僭越な申し上げ方となり恐縮ですが、
テレワークのご導入は断念された方が良いかもしれません。
最低限のハードルとしてご紹介しておりますので、
無理、となると遅かれ早かれどこに無理が出てくるとも思われます。

ここまでお読みいただいて、このくらいなら大丈夫そうかなと
お感じいただける方は、次からのエントリーをご覧ください。

次からは、「3日で始めるテレワーク」というシリーズで、この続きを
書いて参りたいと思います。


テレワークのススメ4「テレワークを阻害するもの2」

2020-04-10 14:38:09 | 日記
テレワークになかなか移行できにくい、その阻害要因の2番目は、
「仕事のスタイルがテレワークに適合しているか」
別の申し上げ方をするなら
「普段からパソコンのデータを基本にしているか」
もっと具体的に申し上げるなら、
「連絡はメール、通知は掲示板、データファイルはPDF、チームや会社で共有する資料はサーバーにアップロード、というやり方をしているか否か」
が普通になっているか、ということです。

これが、本気にやろうとするとなかなか難しいのです。
割り切ってしまえばどれも簡単なことばかりなのですが、日本人、なかなか割り切るということができにくい人が多い。

筆者が携わったテレワーク推進のプロジェクトでも、社内、部署内外から
結構な抵抗がありました。
これまで慣れ親しんだやり方は、誰でも変えたくないものです。
「変えたくない」というよりも、
変えるための手間や時間を割いているほどヒマじゃない!
というのが本音だったと思います。
気持ちはわからないでもないですが、
変更のための変更ではない、このやり方に変えることによって、
何々がこう変わる、こういう良いことがある、などなど
主旨(また出てきました)を繰り返し繰り返し説いて回る必要がありました。
テレワークを本気で進めようとするなら
このハードルは何としても超えなければなりません。

(1)連絡はメールが基本になっているか
  今更、釈迦に説法であることは重々承知で敢えて申し上げますが、
  メールの良いところは、大変強引な面に限って言うと
  1)相手の都合を気にせずに送り付けることができる
  2)送ることで既成事実ができる
  3)送ったことで「伝えた」という記録が残る
  4)Cc、Bccを使用することで、送付先(要件を伝えたい先)以外に、
   「この人にこういうことを伝えたからね!」
   というのを、Cc、Bccの送付先、及びTo(要件の送付先)にも知らしめる
   ことができる。
  加えて、メールのマナーとして、
  「メールアドレスを持っていて、公開しているなら、
  『メールは読んでいない』というのは許されない」
  という掟があります。
  場合によってはある意味、諸刃の剣ともいえるツールでもあるわけですが、
  これを基本にすることによって、業務連絡の効率が上がることは言うまでも
  ありません。
  
(2)通知は掲示板
  伝達の効率という面では、メール以上に劇的に向上できるのが、
  掲示板を電子データで行う、ということです。
  紙媒体で掲示しようとすると、回覧板ということになるでしょうか。
  筆者も若かりしころそうでしたが、「見てる暇がない」という理由で、
  結構な数の回覧板をデスクに溜めてしまい、
  先輩に怒られたことが何度もあります。
  それは、情報の伝達自体が阻害されるだけでなく、重要な情報を止めて
  しまう行為に他ならなかったわけですが、いくつもいくつもの回覧板が
  次々に回ってくると、実際のところ見ているヒマはない、という状況も
  あったのは、当時理解してもらいたかったところでもありました。
  お話が逸れましたが、
  そもそも紙媒体の効率の悪さであるのは事実ですので、通知も電子データ
  で行わない手はありません。
  掲示板用のアプリなども数多くありますが、通達文や回覧などをPDFにして
  関係者にメールで配信するだけで簡単に実現が可能です。

(3)データファイルはPDF
  紙には紙の良さがもちろんあります。
  紙に書かれていることは、視覚として脳に入ってきますので、
  記憶に残りやすい、ということもあります。
  メールや電子データは、どれも似たような体裁ですが、
  紙だと、ぼんやりしたイメージでもあとから思い出しやすいことも
  あります。
  が、やはり紙は紙。近くにいる人しか活用も閲覧もできない媒体には
  違いありません。
  データファイルがPDFとか画像ファイルなど、パソコンでやりとりできる
  形態になっているか、が重要なポイントになります。

(4)共有ファイルはサーバー利用
  (2)(3)に関連したお話ですが、紙媒体がデータ化されていたとしても
  都度メール添付で送り付けられた日には、しまいにメールもアタマも
  パンクしてしまいます。
  そもそも情報には、その時だけ必要なものと、保管して必要な時だけ
  使いたいものがあって、それは管理や運用上も区別されなければ
  紙媒体の代わりにデータの山ができて、あまり状況は変わらないことに
  なります。
  商品資料や、取扱説明書などは、必要な時に見たいもの、であって
  そういう類の資料は、サーバーに保管され必要な人がいつでも閲覧
  できる環境が作られている必要があります。

上記、その気になればどれも簡単なことばかり、
移行してしまえば当たり前になってしまって、抵抗していた人たちも
「なぜ反対したのかな」と思えるものばかりなのですが、
移行を実施するのに、ヘタなプロジェクト体制を組むと、
半年や1年はあっという間に過ぎてしまいます。

この記事をお読みいただいている方々は、多分
あまり時間をかけたくない方々であろうと憶測しますので、
この環境変更、資料移行を行うのに、簡単な方法をご紹介します。

筆者がプロジェクトに関与した時に、
実践して効果を上げたこと、でもあります。

1.ある時期以降、パソコンのローカルハードディスクへの保存を禁止。
 会社に関係あるデータは、すべて共有サーバーへ保存すること。
2.現在ローカルハードディスクに入っているデータは、ある時期までに
 共有サーバーへ移行すること
さらに、データ移行が進んでくると、様々な申請や報告なども電子的に
行われるように、間違いなくなっていきます。
以下は、ある会社で実施して奏功した方法です。
3.交通費の申請は、電子申請以外受け付けない

ここであまり細かいお話になってしまうとわかりにくくなりますので、
このあたりにしますが、
色々な決め事が出てきたときに、それを経営者の皆様が
「トップダウン」で指示すること、です。
本当は、ボトムアップで社員が考えて進めた方が浸透が早いですし、
社員のモチベーションも間違いなく上がるのですが、
何しろ時間がかけられないというご事情があると思いますので
ここは「トップダウン」で参りたいところです。

阻害要因のその3について、次のエントリーで記載したいと思います。


テレワークのススメ3「テレワークを阻害するもの1」

2020-04-09 15:35:57 | 日記
本記事からいよいよ本題です。

表題の件、皆様はどのように思われますか?
本記事では3つに分けてお話ししてみたいと思います。

毎日会社に行く理由は?

表題、もっと平たく言うならば、
「なぜ毎日会社に行くのだろう」
というギモンになります。

「会社に行かないと、総務の〇〇ちゃんや営業の◇◇君に会えないから」
これは、立派な理由です。
筆者は個人的には良く分かりますが
仕事に絞って考えてみましょう。

「会社に行かなければ給料がもらえないから」
ちょっと飛躍しているようですね。
その間があるはずです。

「会社に行かないと仕事ができないから」
近づいてきました。もう少し掘り下げましょう。
なぜ会社に行かなければ仕事ができないのでしょう。

「仕事に必要な資料や書類が会社にしかないから」
つまり?
「資料や書類を見るために会社に行く」

どうやら根源的な理由はこれ、のようです。

ということは、逆に言えば、
「仕事に必要な書類や資料が社外から見ることができれば
会社に行かなくても仕事が続けられる」、
ということなのです。

いきなり結論めいた申し上げ方になりますが、
そういうことなんです。
テレワークを阻害する最大の要因は、「会社に紙の資料があること」。
会社に紙媒体で資料が存在しているから、会社に行く、のです。
もっと言えば、多くの方々の日々は、
「紙媒体に縛られて仕事をしている」ということになります。
でもこれは、文化的背景からやむを得ないことではあります。
古くから、様々な連絡は紙媒体を主流に行われていました。
業務連絡、回覧、指示、辞令、通達、会議資料、などなどなど、、、
会議ともなれば対象者分の紙資料を用意し、
ステープル留めをして、予め出席者の席に並べておく、ということが
極めて当たり前の日常でした。
逆に、資料がないと「あれ?資料は(怒)」と、担当者は怒られました。

それから時は流れ、「情報化社会」なんて言葉が使われて久しく、
経営資源のひとつに「情報」が加えられることになり、
「情報」の大切さが認知されるようになりました。
それに伴い、様々なインフラが整ってきました。
紙媒体はデータで保管されるようになり、
連絡はメールで行われるようになり、
スマホが各社員に貸与されるようになりました。
お蔭で電話連絡は個人個人に直接行われるようになり
かなり自由度が上がってきましたが、
「テレワーク」を実践するにはまだもう一歩、前進が必要でした。

共通データの保管と閲覧

重要な資料は、二つ穴が開けられ、会社のキャビネットに綴じられています。
場合によっては、そのキャビネットには鍵がかけられ、
だれでもいつでも閲覧することはできませんでした。

それから社内サーバーが設定されるようになり、
(インターネットに対比して、「イントラネット」と呼ばれていました。
今ではそれすら死語に近いようですが)
比較的重要な資料も共有データとして保管できるようになります。
そして閲覧権限の設定によって、キャビネットのカギのような運用もできるように
なります。

ここまでくればあと一歩です。
商品資料や説明書、概要書、企画書、提案書(ひな形や過去の実績)、等々、
詰まるところ、
キャビネットの中に分厚い2つ穴のファイルに綴じられた何万枚という紙は、
スキャニングによって電子データとなって、共通の保管場所にデータとして
入れておくことで、誰でもいつでも、どこにいても見られるようになります。

というわけで、まずは一つ目の要因がわかりました。
まずは、「紙媒体からの脱却」を考えてみましょう。
これは手軽で、確実で、簡単に始められる方法です。
具体的な方法は、あとの記事で記載させていただきます。

要因の一つ目、紙媒体からの脱却は比較的簡単にクリアできそうですが、
実は2つ目、3つ目の要因の方が根が深く、ハードルとして高いもの
なのです。
でもテレワークを実践するためには最低限超えなければならない
ハードルですので、次からの記事もぜひご覧ください。

追記
尚、繰り返しになりますが、本シリーズの冒頭でも述べましたように、
すべての部署や業種でこれが適用するのは難しい場合もあります。
特に、経理、財務、法務関連の方々にとっては、
紙媒体から脱却することは「極めて困難」なケースがあります。
それは「外部から紙媒体が来る」から、です。
これはまた、あとのエントリーで書きたいと思います。


テレワークのススメ2「働き方変革が必要とされる背景」

2020-04-09 12:51:53 | 日記
この記事では、「テレワーク」について記載しますが、
「テレワーク」は、「働き方変革」とイコールではありません。
その中の一つのスタイルがテレワークというわけですが、
そもそも「働き方変革」がなぜ、数年前から急に賑やかになってきたか、
も背景としてぜひおさえておきたく、能書きとして書いておきます。
決してもったいぶっているわけではなく、
「主旨を理解する」ことは何事においても大変重要なことです。
現在の外出自粛要請についても、小池知事は
「皆さんの命を守るためです。皆さんの大切な家族を守るためです」
と強調されておられました。
これが小池さんが本当に伝えたかった「主旨」というものです。
これを理解しないと「外出自粛要請」≒「夜遊びの規制」と短絡的に捉えられ
実行されないことになってしまいます。
というわけで、またまた能書きになってしまって申し訳ありませんが、
「働き方変革の主旨」についてもご理解をいただきたく、
先に書かせていただくことにいたしました。

「働き方変革」がにぎやかに謳われ始めた背景

現代日本は、ご存知のように「高齢化社会」であるわけですが、
そこに「少子化」の要因が加わり、
人口構成比からすると、「超」がつくような状況になっています。
「超少子高齢化」というわけです。

これは様々な面で不具合を発生させます。
その筆頭は近年色々と騒がれている年金問題。
事務手続き上の問題も少なくないのかもしれませんが、
単純に人口構成比から見れば、この先何らかの原資の手配がつかなければ
遅かれ早かれ制度としては崩壊するでしょう。
平たく言えば、
「高齢化人口を少子化人口が支えきれない」ということです。
以前は、一人の高齢者を支える側は約7人いましたが、
現在は1~2人で一人を支えなければなりません。
さらに、戦後2回のベビーブームによって一時的に爆発的に増えている世代が
もう間もなく「支えが必要な世代」としてやってきます。
単純な掛け算と割り算。
誰がど~考えても計算が合わないことになってしまいます。
政府は、支給開始の時期を遅らせるとか、65歳まで再雇用する等の
方策を打ち出していますが、根本的な解決にはならないでしょう。

2番目としては、労働人口の減少。
日本の国家としてはこちらも大変重要な問題です。
この先、この「超少子高齢化」が進んでいくと、
日本全体の労働力は7掛けか6掛けになってしまうという
近未来の試算も公開されています。
これがどういうことか、わかりやすく書きますと
社員10人の会社が7人になってしまう、ということです。
そんなに単純な計算通りにはならないでしょうが、
このまま超少子高齢化が進むと、
つまりはそういうことになる、という試算です。

さらに上記に拍車をかける状況に、
今の労働人口を支えている若年層から中年層の親たちが、
介護が必要な状況になっていく、ということがあります。
本人たちには働きたい、という強い意志があったとしても
「親の介護のために会社、辞めさせていただきます」
と、惜しまれつつ去っていく若年から中年層の働き手が増えてきています。
ただでさえこれから先、日本のGDPを支えていかなければならない人口が
そのような要因で減っていく、ということなのです。

そこで国も重い腰を上げて、「働き方変革」の重要性を叫びだした、
というのが数年前のことでした。
冒頭記載しましたように、その実現は様々な方策によって可能となりますが、
そのウエイトを大きく占めるのは、
「場所にとらわれず仕事ができる」すなわち「テレワーク」というわけです。

この一連の記事で申し上げたいのは、単に
「今ふうの働き方をしていくのがナウいですよ」とか
「政府が言っているから対応しましょうよ」
ということではありません。
これから近未来に向けて、日本のGDPを落とさないように、詰まるところ
日本という国家の存続のために、自分ごととして取り組んでいきましょう、
というのがプロジェクトの真意、「主旨」、なのです。

ここをぜひ読み落とさないようにおさえておきたいと思います。

業種や職種によっては、現時点すぐには実践できない場合もあると
思います。
筆者は「無理」という言葉が嫌いなので、敢えて使いませんが、
対応が「極めて困難」な業種や職種もあるかもしれません。
が、
遅かれ早かれ、好むと好まざるとに関わらず、また、企業規模の大小によらず
近い将来、必ず対応していかなければなりません。
本記事の主旨をご高察いただき、やれるところからやっていくように
お取組みいただければと思います。

それでは次のエントリーから具体的なお話をさせていただきます。