ゴールデンウィークの中
何時間待ちとかで、色々なアトラクションや
催し物に並ぶ人たちの映像がニュースで流れていて
子供たちが小学生ぐらいの頃、主人の大学と会社でも同期の、仲の良かった三家族の
なが~い渋滞の中、現地集合してキャンプしたことを懐かしく思い出します。
引っ越しでは断捨離もいっぱいしたけれど
約17年間活動した「女声合唱団風」の記録のDVDやCDは、重いしかさばりましたが
マンションにも持ってきていて久々に聴いています。
指揮者が大学を退官される時、かつての大学合唱部の先輩後輩で集まって
宴の最後にみんなで歌ったコーラスが忘れられなくて
指揮者に「先生の指揮でまた歌いたい」と打診。
その時先生は「僕は林光しかやらないよ」と。
「林光作品をうたう」と銘打って合唱団は1999年に発足し
2001年からコンサートを毎年開いて2016年最後のコンサートで終えました。
指揮者はどちらかと言うと、いや大いに左寄りの方。
林光さんも、社会性メッセージ性のある詩を取り上げていて
中身は虐げられた国や人々のこと、無慈悲な社会に挑む闘いの詩などが多いけれど
曲はたおやかでおしゃれなメロディーをつけた作品がいっぱいあり
革命家のことを扱ったものや、シュプレヒコール的な内容のものなども多い中
一方では「ケンジニアン」と言われたほど宮澤賢治が大好きな方でした。
賢治の詩や、賢治に因んで自身が作詩したものにメロディーもつけられていて
毎年5月のコンサートでは「風」の声やハーモニーを気に入って
リピーターも多くいつもホールは満席でした。
少しマニアックな曲目満載なのが2008年でした。
林光さんは、ベルトルト・ブレヒトという
ドイツの社会派の劇作家の作品を取り上げていて
ブレヒトは、劇中突然、劇の内容とは関係のない歌を歌いだし
劇に没頭している観客を一旦冷静にさせる「異化効果」という手法を
よく使った「ソング」というジャンルがあります。
1920年代のころから生涯活躍したクルト・ワイルというドイツの作曲家は
ナチスに追われてアメリカに亡命し、ジャズなどにも影響されて
そういったジャンルの曲も作り続けた作曲家で、ブレヒトとよく仕事をしました。
ハンス・アイスラー(1898年~1962年/ドイツ生まれのユダヤ人作曲家)も
ブレヒトの詩に沢山作曲していて
団の指揮者は、ブレヒトの劇中に歌われるソングを取り上げたり
ブレヒトの独特な世界観とブラックユーモア的に書いた詩に
林光さんが作曲したソングなども歌いました。
2008年の前半ステージはそういった
普段あまり聴きなれない、社会性色合の濃いソング満載のプログラムです。
B・ブレヒト/長谷川四郎+林光 訳「八匹めの象の歌」(クルト・ワイル作曲)
ブレヒトのもう1曲「すべてか無か」ブレヒト/岩淵達治+林光 訳 (クルト・ワイル作曲)
コンサート後半は、前半とは対照的に抒情的なグリークの歌曲と
最後のステージは、林光さんの代表作の一つと言える
ロシアのサムイル・マルシャークの童話「森は生きている」
このオペラのハイライトを、ナレーション入りで歌いました。
このステージは既にyou tubeで4つに分けてアップしています。
後半のプログラムは次の記事でまた紹介させて頂きたいと思います。