【プログラム前半】
★ ハイドンの「交響曲第44番ホ短調『悲しみ』」(約20分)
演奏 ジャパン・ナショナル・オーケストラ
★パガニーニの主題による狂詩曲 作品43 (約25分)
演奏 ピアノ 反田恭平
ジャパン・ナショナル・オーケストラ
【プログラム後半】
★ラフマニノフのピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 作品30 (約40分)
★アンコール曲
反田さんのピアノ:グリーグ作曲「抒情小品集」の中から
『トロルドハウゲンの婚礼の日』Op.65-6
オーケストラ:『弦楽セレナードより第3楽章「エレジー」』
チャイコフスキー作曲
オープニングで、佐渡さんは、2020年11月に起こった
ウィーンのテロのお話をされた。
この時反田さんとスタジオでの録音の最中だったらしい。
反田さんは、ご自分のオフィシャルサイトで
翌日落ち着いてから続きの録音を再開したけれど
前日のお二人での熱い熱情のようなものとは少し違ったが
これはこれで別の思いがこもった録音になったと書かれていた。
佐渡さんのお話の続き。
このコンサートに向けてのお二人の練習状況は
まるで中学生みたいに、すごく気の合う友人同士が
バンドの練習をするみたいに飽きずにずっとずっと
合わせをやっているというような感じだとおっしゃる。
人柄も、個性も、音楽の捉え方も方向性も合う
そんな仲間との出会いはほんとに貴重なことで
それは私にも実感としてよくわかる。
反田さんは、ピアノ協奏曲を演奏するときに
指揮を気にせず自由に弾くことが出来る唯一の指揮者が
佐渡裕さんだと言う。
佐渡さんのことで思い出すことがある。
25,6年ぐらい前に私が習っていた絵画教室に
ひと月ほどだったが、ある若い妊婦さんが習いに来られた。
その女性は旦那さんが佐渡裕と言う。まだまだ駆け出しですが
これから頑張っていくのでよろしくお願いしますと。
私はたまたま佐渡さんのお名前は知っていたように記憶しているが
その頃は有名でも無かった。
その後の佐渡さんの活躍はみんなが周知のことだけれど
風のたよりに、その奥さんとは離婚しその後再婚されたことも知った。
ほんとに余談。
ニコロ・パガニーニは希代の天才ヴァイオリニストで
超絶技巧と言われる作品を書いていて
悪魔の手を持つというリストも、世界的に名声を誇った
天才ピアニストのラフマニノフも
好んで彼の作品をピアノ曲に編曲している。
ちなみに私は、浅田真央さんが披露されて話題になった
ピアノ協奏曲2番の出だしが、ドラマティックで好きだ。
反田さんは、アクロバット的に超絶技巧を繰り広げられた。
私と友人は3階席で上から見下ろす状態なので
管楽器の演奏が特に興味深く、最後列に並ぶトロンボーンは
自分のパートの演奏までの待機が長いから?
その間グレーのマスクをしていて
これまでの本番ステージでは見たことがないスタイルが面白かった。
私と友人は、素人の鑑賞者のように唯々感服するだけ。
アンコールのピアノ曲「トロルドハルゲン」とは
「トロルの住む丘」という意味らしい。
グリーグは身長が152センチで、奥さんも154センチ。
彼は自分たちを小さなトロルと称し
愛情を込めて自宅をこう呼んだとWikipediaには書かれている。
「トロル」とは
北欧の、特にノルウェーの伝承の妖精の一種らしい。
お祭り的なウキウキする曲で、ことのほか印象に残った。
一緒に聴いた友人はフルート出身で
学生時代のオケの練習で、小澤征爾さんの師故斎藤秀雄先生の
指導を受けたことがあるらしい。
斉藤先生も、小澤征爾さんもチャイコフスキーの交響曲が定番。
小澤さんの弟子である佐渡さんが
アンコールにチャイコフスキーを選ばれるのは当然だと言う。
アンコール演奏が終わった後、客席の半分ぐらいは
スタンディングオーベーションで拍手が鳴り止まなかった。
遠目からも、反田さんが涙を拭いておられるのが見えた。
コロナ禍の中で
思うように演奏会が中々開きにくいというこの時勢。
昨日は、大ホール2000席がほぼ満席。
感極まっていらっしゃる感じがした。
ただ、、、三密は半端なかった。
入り口で検温あるだけで、アルコール消毒もなく
ホールから退出時も、人でごったがえした(^^;)
早く芸術活動、スポーツ観戦等々
普通の生活が出来ることを祈るばかり。