20代の頃、毎晩のように出没していた新宿二丁目界隈。
今のピットインがある辺りに、朝までjazzのレコードを聴かせてくれる店があった。
そこでたまたま知り合った二人のミュージシャン、Rudy Collins(ds)とRichard Clements(p)。
覚えているのは名前だけ。
当時、銀座のプライベートラウンジで演奏していたらしく、演奏を聴きに行く事は出来なかったが、アフターに何度もその店に来ていたので、そこで朝まで一緒によく飲んでいた。
一度だけ、彼らの演奏を聴くチャンスがあったのが、彼らが帰国数日前に参加したセッション。
素晴らしい演奏だった。
そしてその時、リッチーがステージから私の名前を呼んでくれて、歌うように言ってくれたのだけど、なんせその頃からビビリだったし歌も未熟この上なかったし、何より既に人前で歌う事をやめていたし、とても出て行って彼らの演奏で歌う勇気がなかった。
あれから20年以上が過ぎ、すっかりその頃の事を忘れていたのですが、先日、ネットであちこちのライヴハウスのスケジュールをチェックしていたら、偶然にリッチーの名前を発見。
…同姓同名だけど、同じひとかなぁ…
半信半疑で会いに行ってみる。
話しかけてみる。
…わ~、やっぱりあの時のリッチーだ~。
一時はパリに住んでいるらしいと風の便りに聞いた事もあったけれど、現在はまたニューヨークに住んでいるそうだ。
バリー・ハリスの右腕的存在、ご自身もワークショップを主催して後進の指導にあたっている。
本日のライヴ、スタンダードな選曲で、トリッキーな部分が一切ないナチュラルな演奏スタイル。なのにどこまでも暖かく印象深い。
そして、今度は名前を呼ばれたら出て行ってバラードを1曲歌いましたョ。
「ルバートで…」「OK」
…と聴こえてくるイントロ、まるでブレスまで一緒してくれているような絶妙なタイミング。
な、なんてステキなんだぁ~。
行った事がないライヴハウスに一人で行くのも苦手な私。
エイっと勇気を出して、行ってみて本当によかった。
日本人の奥様とそのご家族の方にも紹介してもらって、本当に暖かい時間を過ごす事が出来ました。
皆様本当にありがとうございました。
ただただ感謝、感激
こんな形で懐かしい知人と再会出来たのも、ネットのお陰だわ~。
あの頃はケータイもネットもまだまだ普及していなかったもの。
今度はしっかり連絡先を交換。
「次回、来日する時は早めに教えてね。一緒に演奏して欲しいので…」
「SURE」
やった~。