
ここは関帝廟通り。 南門シルクロードに近いところに港ビルが建っている。1階は「接筵」が入っているので、この風景は見たことのある人も多いはず。 ![]() その3階にあるのが薬膳料理「工夫厨房」だ。と同時に、ここはカンフーの銭氏詠春道場でもある。 ![]() 初めての人が独りで行くには、かなりハードルが高いように思えるが、ビルの中は全然こわくない。 3階に上がると、こんなドアがある。 ![]() 中はこんな感じ。武具やら訓練用の木人などが置いてある。 この日は女性が2人で練習をしていた。一人はお客さんで、その相手をしているのは、元気のいいここのオネエサン。マリヤさんという美人で朗らかで気持ちの良い方だ。 前回ここに来てからずいぶんと月日が経ってるのだが、私のことを覚えていてくれた。すごい記憶力だと思う。 ![]() そんなやり取りをしながら、中央の4人掛けテーブル席に座らせてもらうと、そこにはやたら多くの箸が置かれていた。 30本くらいあるのではないだろうか。ということは15人分だ。どうやらこれは、ここで使うすべての箸がまとめられているようだった。 しかも色や模様がいろいろあるため、一人分のセットをするのが難しい。 もたもたしていると、マリヤさんがスッと一組揃えて差し出してくれた。 ![]() テーブルの向かい側にはテレビがある。ビデオでも流しているのかと思ったら、これは台湾の放送だという。しかもライブだ。 ![]() 何かの事件を扱ったワイドショーみたいなものかな。 おもしろかったのは、このあと流した安倍首相のゴルフ外交のニュースだ。日本の首相がバンカーの急斜面から駆け登ったと思ったら、そのまま後ろにひっくり返り、再びバンカーの中へ。まるで蟻地獄に落ちたような光景。 外交相手のアメリカ大統領はそんなことにお構いなく、スタスタと先を歩いて行く。こんな映像が何度も繰り返し流されていた。 日本ではテレビ東京しか放映しなかったらしいが、海外では英BBC、米ABC、米NBCなどで取りあげられたという。 それにしても妙なのは、他のテレビ局だって撮影していただろうに、なぜニュースに出てこなかったのかということ。各社が自制したのだろうかね。 ![]() そんな台湾のテレビを見ながら待つこと十数分。注文した鶏ソバが運ばれてきた。 ご覧のとおり、このソバには鶏肉が入っているわけではない。鶏から抽出した出汁や、その他の素材から出た旨みなどを使って鶏スープに仕立て上げているとのこと。もちろん化学調味料は無しだ。 まずは一口、啜ってみる。最初は薄いかなと思ったのだが、二口、三口と飲んでいくと、なんとも言えない優しくまろやかで、かなり旨いスープであることが感じられてきた。 具材はモヤシと黄ニラ(?)ぐらいで、いたってシンプルなソバなのだが、実に奥深い一杯だと思った。 しかし、これを薬膳スープでつくると、もっと美味しいソバになるという。 ![]() 「ためしに飲んでみる?」と言って、少しだけ皿に入れて持って来てくれた。 旨い! 漢方薬っぽいのかと想像していたのだが、そうではない。 なんだろう、これは。 複雑な味を感じる。 この正体は分からないが、これでスープを作ったらたまらなく美味しいのではないだろうか。 ![]() マリヤさんがこんなものを持って来てくれた。ゲストブックだ。 ページをめくっていくと、全国各地からお客さんが来ていることが分かる。しかも皆さん、絵が上手い。似顔絵や、カンフー、料理などを題材にしたイラスト… 一見怪しげな雰囲気のお店だが、一歩足を踏み入れれば、そこには温かく、緩い空気の流れる空間が広がっているのだ。 まだ入ったことのない方は、一度、勇気を出してあの階段を登ってみてはいかがでしょうか。 ちなみに、師父は英語、北京語、広東語を喋ると言っていたかな。 マリヤさんは英語、スペイン語、タガログ語を話すそうだ。 【参考記事】時間があったらよんでみてね。 「功夫厨房」にて錢師父の「上海焼きそば」を食う 功夫牛薬膳拉麺@カンフーキッチン 「工夫厨房(カンフーキッチン)」の一撃炒飯でノックアウト 「工夫厨房(カンフーキッチン)」にて薬膳ばそそば 「工夫厨房(カンフーキッチン)」にて薬膳ばそ ![]() |
やはり別の国と陸続き、その緊張感から人の語学センスも養われるのだろうと思っています。
この店、以前に探して見つけられなかったことを思い出しました。
ぜひ、訪ねてみたいんです。
ここはビルの1階に小さな案内があるだけなので、
なかなか入りづらいですよ。
ハードルは高いけど、入ってしまえばいい空間が現れます。
いい店です♪
でも、ずいぶんご無沙汰しちゃっています…
「美楽一杯」と似ていますよね。
最初はなかなか入りづらい。
とくに一人だと。