中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

国鉄の杭

2017年08月03日 | レトロ探偵団

 ここは野毛。終戦直後に“くすぶり横丁”と呼ばれていた路地である。
 写真だけでは分かりにくいと思うので、グーグルストリートビューで見てみよう。

 右に行くと桜木町駅、左に行くと宮川町を経て日ノ出町駅である。当時は、この路地をまっすぐ進むと中税務署(現・にぎわい座)に突き当たった。

 そんな位置関係にある場所で、先日、古そうな杭を発見した。写真右下に見えるのが、それだ。

 近づいてみると……


 「工」のマークが確認できる。これはカタカナの「エ」ではなく、漢字の「工」を意味している。
 工部省、のちの国鉄の境界杭なのである。

 野毛のこんな所に何故?…と思われるかもしれないが、次の地図を見ればなんとなく分かるはず。


 ほぼ碁盤の目状に仕切られた町の中で、妙な曲線を描く道がある。

 実はこれ、鉄道用地だったのね。だから周囲の街路パターンと異なって、こんな風にカーブしているのだ。

 大正時代、桜木町から大船まで線路を延ばす計画があって、日ノ出町から蒔田を経由していく路線が考えられていた。そのために国が線路用地として買収したのが、この曲線を描く土地だった。
 結局、関東大震災が起きてその計画は白紙になってしまい、その後も紆余曲折があって、現在のような優美な街並みができあがったのである。

 この杭は、そんな過去を見続けてきたのだろうか。
 

←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 橋名は濁らない | トップ | これから増えそうなドクター... »

コメントを投稿

レトロ探偵団」カテゴリの最新記事