中華街では、かれこれ30年近くランチを食べている。多いときは1週間連続とか4日連続とかあったけど、少ないときは2週間で1回くらいか。そこから計算すると2,000食くらいになるかなぁ。 直近の20年間は、中華街ランチといえば大通りの「一楽」と中山路の「獅門酒楼」で食べることが多かった。もちろんほかの店もたくさん利用してきたが、やはりこの両店は別格だった。 ということで前回は「獅門酒楼」を取り上げたので、今回は「一楽」で食べてきて印象に残った料理を大放出しようと思う。といっても料理そのものではなく、写真だけどね。 パイコーのせ冷やし担担麺 まるで豚カツに使うような肉厚で上等の肉。ヒレだろうか。よくある排骨とはずいぶんと異なるようだ。 このままカツライスにしたいくらいだが、これにピリ辛ゴマダレを絡めて頬張ると、うん、美味しいではないか。しかも、柔らかくてサックリとしている。 タレはゴマ味がしっかりしているが、やはりこれはタンタン麺ということで、その裏にはピリ辛味が隠されていた。 ウナギ入り炒飯 ウナギの蒲焼(細切り)が、炒めたご飯の中で調和を保ちつつ、さりげなく自己主張をしている、そんな感じのチャーハンだった。 もともとチャーハンのうまい店である。そこにウナギが参加していて不味かろうはずがない。 ときたま山椒の香りと微かな痺れが加わって、一層ウナギの甘さを際立たせてくれる。 蒸しハンバーグ このハンバーグ、一気に玉子を突き崩して混ぜ混ぜしたくなるのだが、そのような気持ちをグッと堪えて、まずは肉の部分だけを味わっていく。 穏やかなタレにまみれて優しい味わいだ。もちろん柔らかいので歯にも優しい。 ときおり口の中でシャキッとするのはクワイ。「聘珍楼」の肉まんを齧ったときにクワイが歯に当たる、あの嬉しさと似たような感じがある。 優しさに慣れてきたところで、時折、香菜と一緒に食べる。いままで平穏にハンバーグを送り込んでいた口、舌、喉が刺激を受けて活気づく。 牡蠣入り麻婆豆腐 牡蠣の入った麻婆豆腐だ! しかも鉄鍋でグツグツ! 牡蠣はなかなか大ぶりで、プリップリッ。 このふくらみを噛み切ると、牡蠣特有の香りと汁が滲み出てくる。それが麻婆豆腐と混じりあい、口中が一気に至福状態となる。 牡蠣と大葉の豆鼓炒め プニュプニュした胴体を噛み切ると、牡蠣の旨みが一気にこぼれ出てきた。そこに豆鼓の味が混じり、これはもうご飯がすすむ、すすむ。 牡蠣と一緒に炒められた野菜類もシャキシャキとしていて美味しい! ウナギと野菜のピリ辛炒め ウナギはたっぷり入っている。焼いてから調理しているようで、結構手間がかかっているようだ。 そこに加えられているのは、アスパラガス、パプリカ、椎茸、フクロタケ、長ネギ、ベビーコーン。 全員がピリ辛味でまとめられた美味しく贅沢な一品。 炭火焼きチャーシュー丼 炭の香ばしい匂いが、かすかに漂ってくる。 ネギと一緒に、少し甘みを含んだピリ辛のタレに絡められて、なかなか美味しく仕上がっている。 輪切り大根の甘味噌あんかけ 分厚くカットされた大根はちゃんと面取りが施され、それが5枚入っていた。その上にかけられた甘味噌あんかけ。どこかジャージャー麺のあんと似た雰囲気であるが、細かく刻まれた根菜なども混じっていて、このあんだけで一品料理という感じだった。 まさに風呂吹き大根の中華版だ。ご飯が進みすぎる。 牛すね肉のビール煮青菜添え 見た目は“豚ばら肉の煮込み”に近いが、よく見ると肉の形状は異なる。やっぱりスネ肉だ。 しかし、柔らか~~~い! 箸で触ると崩れてしまうほど。それをウマイ汁にビチャビチャと浸して頬張る。 肉肉しい味! その合い間に食べる青菜が清涼剤となる。 中華風ロコモコ ご飯の上にレタスの千切り。そこにハンバーグと温玉。 ハンバーグにはクワイや椎茸などが入っていて、どこか中華の肉団子を思い出させる容貌だ。 その断面 温玉も表面はしっかりと火が通っているが、中身はトロ~~リとしている。 デミっぽいタレというのか、ソースというのか、これをハンバーグ、温玉、レタス、ご飯に混ぜ混ぜして食べると、中国とハワイのコラボレーションが完成する。 鶏モモ肉とトマトの煮込み 柔らかく煮込まれたもも肉。トマトもほとんど原型をとどめないほど崩れている。 クセのない静かな味わい。その中にもトマトの酸味がアクセントとなって、ぼやけかかった印象を引き締めている。 水煮牛肉 見るからに辛そう! タレは別府温泉「血の池地獄」も顔負け。さらに肉の上には辛さの素となる材料がタップリと載っている。黄門様もたじろぐような容貌。 まずはタレを啜ってみるが、一気に吸い込むのは危険だ。恐る恐る、舐めるように吸うと… 辛~~~~いッ! 吐き出す息から炎が飛び出すのではないか、と思うほどの火炎放射器状態。 食べ初めて1分としないうちに汗が吹き出してきた。 今は無き「鯉鰻菜館」の辣醤麺の辛さには及ばないが、「杜記別館」なみの辛さである。 豚肉のチリソース カレー風味 豚肉にコロモを付けて揚げてある。酢豚の肉みたいだが、ちょっと違う。豚肉にカレー粉がまぶしてあるのだ。排骨みたいな味付けだが、排骨でもない。 エビチリの豚肉バージョンとも違う。 なかなか美味しかったが、カレー味がもっと強くても良かったかもしれない。 自家製がんものピリ辛煮込み “自家製がんも”をスプーンでカットしてみる。柔らかくてサク~ッと切れる。 それに良質の豚肉、筍、あとは挽き肉も入っていたのかな。どこか麻婆豆腐の姿に似ているが、この“がんも”の周囲に張り付いたコロモ状のものが、ホロホロと崩れてきて、なんだかタヌキうどんの汁に漂いだしたあの状態みたいでなかなか美味しい! これはいつかまた提供してほしい一品だった。 ふわふわ煮込みハンバーグ スプーンで肉を削り取ると、ホッコリとした感触が伝わってくる。 表面はしっかりとしているのに、中はフワフワだ。なのに崩れてくることもない。 タレを絡ませて頬張ると、ウマイ! 観光客の方々は、多分、酢豚とかホイコーローとか、あるいはエビチリなどに興味が向かうと思うが、地元の会社員たちは、こういうランチを食べたがっているのだ。 豚スペアリブの梅肉蒸し香菜サラダ添え 梅子蒸排骨。梅干を叩いたものに何かを加えたタレが絶妙だった。酸っぱ過ぎることもなく、かといって薄くもなく、ご飯のオカズにはピッタリの味付け。 肉も柔らかく仕上がっていて、このタレを絡めて食べると思わず笑みがこぼれてしまう。 活カサゴの姿醤油煮込み 和風の煮付けだと醤油・みりん・砂糖・酒・水で調味するのだが、ここは中華料理店なので、どこか味付けが違うみたい。 少し甘みがあって、かすかにトロミを感じる。中華系のスープでも入っているんだろうか、煮汁にはコクがある。 ということで初回は一部をご紹介させていただいた。このあとも何回かに分けてアップしていきたいと思う。 とにかくデータ量が多いから大変だよ~♪ (つづく) ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね |
よりがちな中華ランチが多い中で
ここは正に別格ですね!食材も味
付けも工夫されていますねー。
最後のカサゴの姿醤油煮込みはゆ
っくり食べたいから、昼休み時間
には食べきれない気がします。
1時間の昼休で食べなきゃいけないから大変ですよね。
職場~店の往復時間を割り引かなければいけないし。
なにより酒が呑めないのがつらい……
基本の組み立ては似ていても、微妙に細部の違うメニューが登場するんですよね。
そうなんですよね。
いつか食べたんじゃないかと思うと、
どこか違っていたりすることがあります。
週替わりは金曜日に向けて微妙に変化していたりします。