大震災から4日以上経ちましたが、被災者にうまく救援物資が送り込まれていないようです。 報道によれば5年前の教訓が生かされていなかったということですが、私にはもっと以前、70年前の教訓が引き継がれていなかったように思われます。 それは昭和20年(1945)5月29日の横浜大空襲のことです。 午前9時過ぎ、横浜上空に姿をあらわした500機のB29爆撃機は、横浜の高高度からの空爆を行いました。雨のように降りそそぐ大量の焼夷弾によって、中区では根岸と山手の一部を残してほとんどが焼け落ちました。 どれだけ被災したのかを調査するため、区役所職員は自転車で区内をまわり、焼け残った家を確認し、総人口からその分を差し引いて罹災者数を割り出したそうです。その数はおよそ10万人でした。 当然、この日から救援物資が必要になるのですが、それだけの炊き出しを区役所ですることはできません。おそらく被災者の方々は飲まず食わずだったのでしょう。 その後、区役所には小田原や藤沢方面から食糧が続々と送り込まれてきました。しかし、それらは有効に配布されず玄関前に降ろされて積み上げられていくばかりでした。 どこで何が必要とされているのか分からなかったこともありますが、支援物資をうまく組み合わせて被災者に送り届ける仕組みができていなかったからです。 そんな状況を見た区長は物資をここで降ろすことなく、そのままトラックを各町内に行かせようと考えました。 彼は区役所の玄関前に立ち、到着するトラックに対し避難所(学校だった)に廻送するよう指示します。 しかしこれはとんだ誤算でした。トラックの荷台には様々な支援物資が載っていたわけではなかったのです。 そのため一つの避難所には芋だけ、他の場所には野菜だけというように、同じ物ばかりが届けられてしまいました。 というような過去の文献・資料を読んで思いました。1種類の物資だけを積んでいるトラックは、避難場所で少しずつ降ろして次々と回ればよかったのではないかと。 あるいは、積み込むときに様々な物資を組み合わせて、そのまま避難所に送り届ければいいのになぁ、と思ったわけです。 こういうやりか方、どうでしょうかね。無駄になることはないはずなのですから。 さて、ここで少し防災に関する地図情報を。 ↑この画像は横浜市のHPですが… トップページの左下に行政地図情報というのがあります。これをクリックすると… こんな画面が現れます。 行政地図情報提供システムという地図専門のコーナーです。 私がよくお世話になっているのは昭和初期及び30年代の詳細な地形図ですが、今回、自分の備忘録として残しておきたいのは「わいわい防災マップ」の使い方。 ここをクリックして利用条件に同意すると… こんな画面が現れます。 調べたい場所は住所でも、施設名でも、あるいは地図上からも選ぶことができます。 ここでは試に上大岡周辺を調べてみたいと思います。 住所欄に上大岡と打ち込んでもいいのですが、私は港南区という文字をクリックしてみました。 すると、港南区役所のある港南中央あたりが出てきます。 他の区もやってみると、どこも区役所が中心になるようになっていることが分かりました。 表示されている地図は元禄型関東地震が起きた場合の災害危険マップで、あらゆる情報が多層に描かれています。 地図面をドラッグして上大岡周辺に移動させました。 ズームできるので近づいてみますが、情報が重なり過ぎていて見づらいですね。 そこで、左側にある防災関連のチェックを外すと… 基本の地図だけが出てきて、非常に見やすくなりました。 ここから自分の知りたい情報だけを地図上に表示させればいいわけです。 とりあえず液状化だけを調べてみました。 色のついたところが液状化の恐れがある場所です。「カミオ」のあたりは黄色ですから、結構な確率で液状化が起きそう… こんな内陸部でどうして…と思いませんか。 普通、液状化といったら海辺の埋め立て地を想像しますが、実は内陸部にもかなりその危険性が潜んでいるようです。 そう、埋立は海岸線ばかりではなく、田んぼなどでも行われていたからなのです。 今、上大岡の駅前に立つと、ここに田んぼが広がっていたとは思えない風景が見られます。 はたして昔はどうだったのだろうかと思った時に参考になるのが、こちらのサイト↓ 今昔マップ。 昔と現在を並べて比較することができる優れものです。 右が今の上大岡で、左が大正時代の同地域。 両側から迫る山の間に田んぼが続いていました。ここを埋め立てて今の上大岡周辺ができあがっているんですね。 自分の住んでいる地域、通っている会社や学校の周辺、あるいは通勤・通学でよく使うエリアの土地がどんなふうに変化してきたのか、知っておくことも大事だと思います。 わいわい防災マップ ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね |
すごく役に立つ情報、ありがとうございました。
いろいろ調べると面白い発見もあります。
うまく活用していただければと思います。