りゅういちの心象風景現像所

これでもきままな日記のつもり

「浮世絵」の「距離感」

2023-11-07 06:34:03 |  Angelique
「浮世絵」を飾ろうと考えてみたことがあるのだけど、好きならいいか?というと、どうもそうはならない。
先日、そんな話を、とある方とした。
「それはね。ある意味、正しいんですよ。浮世絵っていうのは、基本、手で持って眺めるものだったわけなので。」
なるほど(*‘ω‘ *)!
「額装すれば、それはもちろん額装できちゃうんですけど。もともとは、とっても庶民的なもので、ワンコインとか、千円札で買えてしまうくらいのものだったでしょ。」
そ、そうですよね〜(^o^;)
「浮世絵」は、当時のお手軽なエンタメだったわけですしね〜(^o^;)

「浮世絵」と人との「自然」な距離というのは、たとえて言うなら、マンガを手にしている距離感に限りなく近い。
マンガを額装するとなると、それはそれでとても面白いと思うのだけれど、楽しみ方として、マンガらしいか?と言えば、まったくそうではない。
「浮世絵」の額装に、どこか違和感があったのには、相応の理由があったことがはっきりした気がして、お話させてもらってよかったなと(*‘ω‘ *)
このお方とは、そのまま立ち話で小一時間、「浮世絵」の、特に「北斎」について、あれやこれやをたくさんお話させていただいて、本当に楽しかった(≧∇≦)b
楽しすぎて、待ち合わせの時間に遅れてしまって、別の人を三十分ほど、お待たせしてしまったのだけど、僕にしてもこんなことは今までになくて。たいへん申し訳ないことをしました(._.)
時間が全然足りない感じだったな(*´ω`*)
またお会いできることもあるかもしれん(*´ω`*)♪

何が対象であっても、身体感覚的に「自然」な距離感っていうのは確かにある。
「油絵」を手に持って眺めるということは、基本、ほとんどない。遠くから眺めようが、近寄って見ようが、基本、壁に掛かっている。「掛軸」はやっぱり床の間に飾ってあると、しっくりくるし、「屏風」はやっぱり座ったところから眺めるのがよかったりする。
もちろん「そうでない」見方、「そうでない」飾り方は可能。
作品によっては、あるいはアイデア次第で、もっと融通が利くことはあるかもしれない。だけどそういうやり方は、たぶんベストではないっていうのは、否めないリアルだと思う。

だからといって、現代において「浮世絵」を手に持って鑑賞できるか?というと、それはそれでなかなかに難しい(^o^;)
かなり特権的な楽しみ方になるのでは?
お仕事で取り扱う方々ならいざ知らず、一般に「お手軽」という感じではない。
たくさんのエディションがあるとはいえ、当時の版を直接手にすることは、可能であったとしても憚られる。気安くできそうにない。これを実施するなら、マスクして、手袋して。。。という準備が必要になりそう(^o^;)
現代に復刻された版でも、感覚的には同じ。「浮世絵」は現代においては、決して「お安いもの」ではない。「美術作品」になってしまっているので、気軽に「手に持って」という風にはどうしてもならないし、そこで思い切って蛮勇を奮って。。。という風には、僕はなれそうにない(´ε`;)

「浮世絵」の「軸装」というのも、お目にかかった記憶がない。
「掛軸」は収納の際、くるくると丸めてしまうものだし、「軸装」されているどんな名画も、「軸装」の要請に応える素材で出来上がっている。
「浮世絵」は、ちょっと「軸装」には向いていない感じ、するよね。
まぁ、お手軽な楽しみ方として、「表装」してる複製画というのはあるらしいのだが。

もちろん、それがいけないということはない。
好きな楽しみ方があるなら、人それぞれでいい。
そう思いつつも、僕個人としては「浮世絵」って、好きなくせに、なかなか「自分のもの」にならないなぁ、なんて思ったりする。
美術館で見るのが、一番気軽。

仮に、わが家で飾るとするならば。
ちょっとした違和感は飲み込んでしまうことにして、美術館みたいに「額装」するのが適当にしてベスト。。。ということになるのかな(*‘ω‘ *)?

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