りゅういちの心象風景現像所

これでもきままな日記のつもり

キーツとシェリー

2021-06-03 00:00:23 |  映 画 
「コロッセオ」って泊まれるの?
「ローマの休日」を観て素朴に思ったことがある。
子供の頃だったので、素朴な疑問はそのままで、ついぞ忘れていた。
「コロッセオ」は言わずと知れた闘技場。宿泊施設ではない。
では、なぜアン王女は自分の帰るべき場所を訊かれて「コロッセオ」と答えたのか?

公務の舞踏会の緊張と退屈からようやく逃れた王女が寝室ではしゃいでいる。
パジャマがどうとか、裸で寝る人もいるとか。
舞踏会に疲れたはずなのに、向こうの川岸、船の上でのダンスには興味津々。
かと思いきや、突然情緒不安定に陥りベッドにふせって「このまま死なせて」と口走る。。。
王女に医者が注射をうつ。
その後、宮殿の一室と見える宿舎からまんまと脱走。
新聞記者ジョー・ブラッドレーと出会うわけだが、
クスリのせいで正体不明だったとしても、本人が正直に言うとおり、
アン王女の居場所が「コロッセオ」であるなら、
それはなかなかのっぴきならない場所ということになる。

そういえば、とある詩を暗唱してキーツかシェリーかで少し揉めるシーンが2つある。
初めて出会うシーンとブラッドレーの部屋でのシーンと。
引用された詩はシェリーのものであるらしいけど、
それで終わりにしてしまうとちょっと足りない。
新聞記者ジョー・ブラッドレーに教養があって、このとき正確な指摘をした?
それだけではアン王女がなぜキーツの名ににこだわっていたのかがスルーされてしまう。
詩人キーツがローマで死に、葬られたという事実に
アン王女はこだわっていた、
これくらいは想像しておきたい。
ローマで死んだキーツにあった危うさが、現在ローマにいる自分にもある。
ところが事実として、シェリーもまたローマに葬られている。
シェリーは船の沈没で死んだそうだが、発見された時、
その上着にキーツの詩集があったとか。
キーツか?シェリーか?ではない。
ローマに眠る詩人、キーツとシェリー。



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