明るく霞む（2）

洒水の滝は美しい姿をしているのだが、
環境整備を町が放棄しているのか？
この十数年、一般の観光客は滝壺に近づけないままになっている。
ま、観光地っていうほどのものではない、っていう位置付けなのかな？
だけど、子供の頃から眺めているこの滝のことが
僕は無性に好きなのである。
滝壺まで行かずとも、手前の方にポイントがあって、
清水を汲み上げるのに問題はない。

Sくんとさっちゃんには滝を存分に眺めてもらって、
その間にたっぷりの水を汲んでおく。
これから洒水の滝の水でコーヒーをふるまうためでもあるが、
明日からしばらくのあいだは、わが家のご飯を
このおいしい水を使って炊くつもり。
なので、とりあえずペットボトルで５本分。
どうせしばらくは暑い日が続くのでしょう？
実家に顔を出すついでに、また水汲みに来よう♪
そんなことも考える。

「さすがに滝は涼しくてよいですね～。」

滝をしばらく眺めていただけなのに、やけにさっぱりとした表情を見せるSくん。
なんだか、効き目バッチリって感じですな～♪

そだね♪
でも、やっぱり今日はものすごく暑いんだよ。
歩いてても滝からの冷気でスーっとするくらいが普通でさ。
いつもはもっとひんやりしてたような気がするんだよね。

「ホントですか？
これで十分、爽やかですよ～♪」

そんなことを話しつつ、さっき汲んだばかりの水を
ヤカンに注いで火にかける。

実はコーヒーがあんまり得意ではないというSくん。
確かそんな話を聞いたような。。。
ということを出掛けに思い出して、
いちおう保険のつもりで紅茶も持ってきている。
ま、滝の音を聴きながら、紅茶だろうがコーヒーだろうが、
何杯でもいけるだけの準備はしてきました。
ほら、みたらし団子と、餡団子と、大福もあるし
（あんこばっかりだけど(^_^ゞ）。

滝を訪れる人は、たぶんいつもよりも多い。
僕がコーヒーを淹れてるところを遠目に眺める視線を感じる。
でも、うまいタイミングで空いたスペース。
うまい具合に涼しい風が吹いてくれる。
３人でおしゃべりするのにちょうどよいスペースでもある。
これってやっぱり、ちょっとツイてるな♪
ここでなら周囲にご迷惑をかけることなく、
思う存分、お話ができそうだよ。