りゅういちの心象風景現像所

これでもきままな日記のつもり

「麦秋」

2025-01-05 03:55:05 |  映 画 
お正月、なぜか元旦に、「小津」を観る機会が不意にやってきたのだが、思うことがいろいろ浮かんできて、それがとても不思議だった。
最初は「東京物語」にしようと思っていた。
だが、一緒に映画を観る人に、ちょっとキツい結末かも?という感じがして、とっさに「麦秋」をクリックしてしまった。
「よくよく考えて」、というわけではなかったのだ。

わかりきっているはずのストーリー。
次にどんなセリフがくるのかもわかっている。
何度も観たことある、有名過ぎる映画。にも関わらず、見終わって、誰あろう、自分の反応がやけに新鮮なのがとても不思議だった。

特別にわかりやすい発見があったわけではない。
この映画を初めて観る人と一緒に観た。これが、僕の感じ方に映画の質とは別種の何かが僕に新鮮な思いを抱かせた。。。ということなのかもしれない。

変わったのは映画ではない。
自分でもない。
誰かと一緒に映画を観る。
この条件だって、言うほど特別じゃない。
さっちゃんも、この場にいた。
ただ、その別の「誰か」が、「麦秋」という映画を観る上では、とても大きな意味を持っていた。
「この人」とは、年末にだって結構たくさんの映画を一緒に観てきたのだけど、この感覚が「小津安二郎」の作品を観ていた時に。。。というか、「麦秋」を観ている時に、初めて現れた。
確かに「この人」は、映画の中の「笠智衆」と、まったく同じ立場にいたはずの人。

特に気持ちを動かされてしまったのなら、普通、映画を見終わったあとにはいろんな話をする。
でも、そういった「普通のこと」が、「この人」にはできない。
ただ、この新鮮さが今年1年、ことあるごとに立ち上がるのだろう。元旦に「麦秋」を観ながら、そんな確信を得た。
思ってもみなかったことだけど、この気持ちは自分にとって、歓迎すべきひとつの変化に違いない。




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