「オフィーリア」？

「Vivy」というアニメを見ていると、「オフィーリア」というAIが登場した。
この名を聞いて真っ先に思い出すべきは「ハムレット」に登場するあの「オフィーリア」であるはずだけど、
思い浮かんできたのはラファエル前派の絵画の、あの「オフィーリア」の姿。
名前が記号的にビジュアルと結びついてしまっていて、
シェイクスピアの描写よりも先に、水に漂う彼女の姿が見えてしまう。

「オフィーリア」はその名がすでに「死」を予感させるのだけど、
アニメでは自殺した史上初のAIとされている。
ん？自殺？
ここで、「Vivy」では「ハムレット」の「オフィーリア」の設定を
とてもうまく構造化している！と思えてきた。
これはおもしろい♪
ここのエピソードは結末を見ていないので、話の展開と同時に、
「オフィーリア」に対する解釈について、とても気になる。

「ハムレット」って、死のイメージで溢れかえっているけど、
「オフィーリア」の「死」は、その原因がはっきりしていない。
とてもふわっとしている。
動機は十分過ぎるのだが、明確ではない。
教会からは「自殺」として片付けられ、つまりは拒絶され、
葬儀と呼べる葬儀はなされない。
それに対して猛然と抗議をする兄の感情、ハムレットの口上は描かれる。
仮に自殺だとしても、「オフィーリア」自身からそれを語ることはない。

柳の枝に花輪をかけようとして「落ちる」「墜落」する「オフィーリア」。
僕の記憶の中ではこの「墜落」の部分が欠けていた。
「水にとらわれる」＝「オフィーリア」というイメージの方が頭に染み付いてしまっている。

どうやらそのあたりはアニメのプロットの方が正確で、
話の構造に反映されているように見えてしまう。
そして音響AI「アントーニオ」が自らの存在をあきらかにした？！
歌姫を支える音響AIが「アントーニオ」？
サリエリ？

とっても気になる！