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100年後の人間作り!親子のアートセラピー「子ども未来研究所」の活動、アートセラピスト達の活躍を紹介します

グロース2日目―2

2013年08月25日 | グロースセミナー

「今日は、山に登ろうと思う。白雲山と言う山です。

この山は以前は小学校3年生にならないと登れない山だった。

険しい山道で、クマザサで道が見えなかったり、岩を登らなければならない道があったり、迷子になってなかなか見つからないこともあった。

熊が道に座り込んで、登山者が降りられなくなったこともある。

だから、ただ山に登るわけじゃない。お前たちが協力して登らなけれ山頂にはたどり着けない。

これから、登山をするのかどうかをグループで決めてもらう。

一人でも上りたくない人が居たら、この実習はやらない。

グロースは、多数決もないしじゃんけんもない。全員がやると決めたら、この実習をやります。

さぁ、話し合って決めてください」

 

こんな調子で、少し厳しめに言っておく。

子どもたちが、「なんとなく」登山をするのは、避けたい。

 

迷子事件は、今思い出してもぞっとする。

4班編成だった、その年、第3班について登っていると、血相を変えて、先発していた西さん(西野のオヤジ)が降りてきた。

「第2班がいないんだ」

迷うはずのない一本道で、もし迷うことがあるとすると・・・・ 

岩石山方面、つまり熊の巣がある山。 

ボクと、西さんは、二手に分かれて必死に捜索した。

当時は、連絡手段はトランシーバー。

山頂に一人いてもらって、中継しないと通信できない。

全く見つからず、途方に暮れて、いや巨大な岩に阻まれて動けなくなってしまう。

結局12時を過ぎて、ふもと近くですでに道を間違えていたことが発覚。

ようやく見つけた時は、さすがに涙が溢れたのを覚えている。

 

それ以来、どんな実習も、真剣に取り組めるようにセットアップする。

今回は、どのチームもやる気満々。

すぐに全員がやる!と決めた。

さぁ、山頂で食べるおむすびをつくるぞ!

 

「おむすびを作ったことないやつはいるかぁ? 」

 

しばしばの問いかけに、何人かが手を挙げる。

誰も手伝ってはくれないからな。みんなが作るのを見ながら、自分の朝飯つくるんだぞ!

結構乱暴なやり方ですが、子どもたちは自分のおむすびを見よう見まねで作り始めます。

これを持って、山頂まで登るのです。

 

登山口は、「銅像の場所」の上にあります。

ここで、約10分間隔で、チームを出発させます。

それぞれに、声の掛け方を考え、ハードな山を楽しみながら登っていきます。

さて、3番目に出発する予定の、レインボースターの番になりました。

すると、なんだか様子がおかしい。

 

ついさっき帽子とバンダナ事件を起こした、あのAKTがまた・・・・。

 

着てくるように伝えた、レインウェアをひとりだけ着ていない。

 「AKT、どうした?」

 「・・・・・・・」

 神妙な顔つきのAKT。

こういう時は、真っ先にリーダーが叱られます。

 

「おい、YKK(リーダー)、持ち物に関して、注意するように言っただろ!」 

「もう出発だぞ、このままじゃ登れない!すぐにとってこい!ダッシュ!!!」

 

一目散にリーダーのYKKと、AKTが走り下りていきます。

 思い切り走って、約7分。

 帰ってくるときには、かなりきつい登り、、、おそらくこれに10数分。

 

先に4番目の予定だったチームに出発させて、ここは待つしかありません。

約20分後、旧坂を登って来る二人が見えます。

息を切らしながら、やってきた二人に、

 

「準備はいいか?登るぞ!」

この20分の間に、当事者のAKTも、リーダーのYKKも、たっぷり学んだはず。

今更何かを言うよりも、何も言わずに山登りを始める方が、自分で考える力が養われます。 

特にAKTは、この朝だけで2回「忘れ物」をしているわけです。

もしかしたら、そのたびに学校や家庭で注意されたり時には叱られているかもしれません。

本人も「忘れ物が多い」ことを自覚しているようです。

もっとも、そんなことすぐに忘れて、元気いっぱいに山に登り始めたのです。

こどもって、やっぱりスバラシイ!!

 

 


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