「幸福のパズル」折原みと goo.gl/BFc2Mc
— kumacoollife (@kumacoollife) 2017年8月26日 - 16:03
「幸福のパズル」折原みと
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思いっきり恋愛小説?でした。
主人公は若くて才能ある女流小説家「倉沢みちる」
お相手は、格式ある老舗ホテルのオーナーの一人息子で、サーファーでもある「蓮見優斗」
この設定だけ見ると、「ヘッ」とか言って、本を放り出したくなる硬派の諸兄もおられると思う。
しかし、この小説、この設定から予想されるほど、甘々のストーリーではなかった。
恋愛小説というより、波乱万丈の人生模様を描きつつ、沢山の危機的な状況から立ち直る過程で、人生の意味や生きる目的のようなものに、気付いていく成長の物語といえる。
エゴイストで人から搾取することしか考えていないような悪い奴も出てくるし、それにまんまと騙されて、奈落の底に落とされてしまう、主人公もリアルに描かれる、かなり痛い、エピソードもてんこ盛りだ。
現代版、「君の名は」か?
あ、「君の名は」は、去年大ヒットしたアニメじゃなくて、1952年のラジオドラマの大ヒット作のこと。
どれくらいヒットしたかというと、その放送時間には銭湯の女湯が空になる、と言われたほど。
相思相愛の二人なのに、周囲の様々な事情や、二人の仲を嫉妬する人たちの企みのために、なかなか二人が合うことができないというドラマなんですが、それを彷彿とさせるものがあった。
いずれにしても、一途な想いというのは、良いものです。
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思いっきり恋愛小説?でした。
主人公は若くて才能ある女流小説家「倉沢みちる」
お相手は、格式ある老舗ホテルのオーナーの一人息子で、サーファーでもある「蓮見優斗」
この設定だけ見ると、「ヘッ」とか言って、本を放り出したくなる硬派の諸兄もおられると思う。
しかし、この小説、この設定から予想されるほど、甘々のストーリーではなかった。
恋愛小説というより、波乱万丈の人生模様を描きつつ、沢山の危機的な状況から立ち直る過程で、人生の意味や生きる目的のようなものに、気付いていく成長の物語といえる。
エゴイストで人から搾取することしか考えていないような悪い奴も出てくるし、それにまんまと騙されて、奈落の底に落とされてしまう、主人公もリアルに描かれる、かなり痛い、エピソードもてんこ盛りだ。
現代版、「君の名は」か?
あ、「君の名は」は、去年大ヒットしたアニメじゃなくて、1952年のラジオドラマの大ヒット作のこと。
どれくらいヒットしたかというと、その放送時間には銭湯の女湯が空になる、と言われたほど。
相思相愛の二人なのに、周囲の様々な事情や、二人の仲を嫉妬する人たちの企みのために、なかなか二人が合うことができないというドラマなんですが、それを彷彿とさせるものがあった。
いずれにしても、一途な想いというのは、良いものです。
「ダイイング・アイ」東野圭吾
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東野圭吾さんのハードボイルドミステリー&ホラー
主人公は夜の街でバーテンダーをしている慎介。
この主人公は倫理的にはかなり悪い奴だ。
まあ、しかし、夜の世界に住んでいればこれくらいは「普通」レベルかもという気もする。
その慎介が運転中、自転車に乗っている主婦を轢いてしまい、その主婦は即死してしまう。
事故後の裁判で、慎介は執行猶予となり、警察の保護下でバーテンダーとして仕事を続けるのだが、ある時、死なせた主婦の夫と思われる人物から襲われ、頭を強く殴られ、生死の境をさまよった後に、記憶喪失となってしまう。
読者は主に、襲われた後の、比較的、慎介の良い人の部分のセリフや日常をインプットされることになり、これが一種の自然なミスリードの役割を果たしている。
実は記憶を無くす前の慎介は、どんな悪党だかわからないわけで。
そんな不安定な現状認識の下で、亡くなった主婦の幽霊のような女性が現れたり、慎介が昔勤めていたバーのオーナーが不可解な言動をしたり、読者を混乱させる展開が続く。
私的には、慎介がもう少し痛い目か怖い目にあって、肝を十分に冷やしてから解決に至って欲しかったという気もするが、それはぜいたくな望みかもしれない。
それにしても、毎回毎回、過去に一度も使われていないプロットを考え出す東野圭吾さんの引き出しの豊富さには、毎度のことながら、恐れ入る。
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東野圭吾さんのハードボイルドミステリー&ホラー
主人公は夜の街でバーテンダーをしている慎介。
この主人公は倫理的にはかなり悪い奴だ。
まあ、しかし、夜の世界に住んでいればこれくらいは「普通」レベルかもという気もする。
その慎介が運転中、自転車に乗っている主婦を轢いてしまい、その主婦は即死してしまう。
事故後の裁判で、慎介は執行猶予となり、警察の保護下でバーテンダーとして仕事を続けるのだが、ある時、死なせた主婦の夫と思われる人物から襲われ、頭を強く殴られ、生死の境をさまよった後に、記憶喪失となってしまう。
読者は主に、襲われた後の、比較的、慎介の良い人の部分のセリフや日常をインプットされることになり、これが一種の自然なミスリードの役割を果たしている。
実は記憶を無くす前の慎介は、どんな悪党だかわからないわけで。
そんな不安定な現状認識の下で、亡くなった主婦の幽霊のような女性が現れたり、慎介が昔勤めていたバーのオーナーが不可解な言動をしたり、読者を混乱させる展開が続く。
私的には、慎介がもう少し痛い目か怖い目にあって、肝を十分に冷やしてから解決に至って欲しかったという気もするが、それはぜいたくな望みかもしれない。
それにしても、毎回毎回、過去に一度も使われていないプロットを考え出す東野圭吾さんの引き出しの豊富さには、毎度のことながら、恐れ入る。