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博多駅に行くのは夜が多かったので,今まで気づかなかったのですが,写真の通り,「博多駅」の看板の上は,『空』が見えてますね.
博多駅ビルは7階建ての立派なビルだったのに,平屋になっちゃった!?
実は,3年後に全線開通予定の九州新幹線に合わせ,博多駅も全面的に建て替えるために,駅ビルは壊しちゃったのだそうです.
九州の新しい顔として新装開店となるわけ.
それはそれで楽しみですが,熊本県人としては,やや心配な面もあります.
つまり,九州新幹線の完成により,福岡への一極集中がさらに進み,熊本や大分などの近県の経済的な地盤沈下が進むのではないかということです.
熊本の場合,熊本市を政令指定都市にしようとか,観光資源のアピールを強化しようとか,いろいろやっているようですが,どうも心もとない.
心もとないと思わせる理由のひとつに,地元商店会の力が強すぎる点があります.
東京からの資本投入を拒む傾向があるのです.
例えば,繁華街を活性化しようとすれば東京資本による大型店舗の進出は有効な手段の一つですが,熊本には三越もなければ高島屋もない.ヨドバシカメラもビックカメラもありません.
これらはすべて「地元商店街の保護」のため市や県が許可しないからなのです.
一方,福岡には,天神のど真ん中に三越,大丸,ビックカメラがあり,博多駅の筑紫口のそばに巨大なヨドバシカメラのビルができました.これらの東京資本は地元資本とはライバル関係にありますが,常に双方が,新しいセールス企画やイベントを打ち,どちらも,そこそこ売り上げを確保しているのです.
しかし,熊本にはその覇気がないんだなあ.
既得権にしがみつき,よそ者を排除することで自分の生活を守ろうとしているように見えてしまう.
これでは,たとえ地元に東京資本がなくても,新幹線なら30分で行けてしまう福岡に,全~部,お客を持っていかれちゃうよ.
私が想像した最悪のシナリオはこうです.
①若者は新しいファッションを求めて,新幹線で福岡へ買い物に行く.行ったついでに,映画・演劇を見たり,グルメを楽しむ
→ 熊本の商店・地元デパートはやがて廃業,映画館も斜陽化,おしゃれなレストランも減る.
②大手企業の熊本支社はすべて福岡支社に統廃合され,熊本には,企業の支社からの法人税が落ちなくなる.
→ 熊本県・市財政の窮乏
③福岡に比べて熊本の土地は安いので,熊本に住んで新幹線通勤で福岡に通うビジネスマンが急増.
→ 熊本が,福岡のベッドタウン化する
④阿蘇,天草など熊本の観光資源は福岡からの日帰り観光圏内となる.
→ 福岡を基点とする観光ツアーのオプショナルツアーとなり,ホテルの宿泊費など観光コストの大部分が福岡に落ちるようになる.
⑤(これはまさに深刻)高校生の大部分が福岡の大学を目指すようになり,地元大学の多くが経営難に陥る(書いてて手が震えます)
まとめると,福岡という商業・文化・教育の中心地と,その回りにある熊本・大分・佐賀という,観光資源,労働資源,学生(何資源?)の提供者とに明確に分類されてしまうのではないかと.
だめだめ,そんなことになったら,大変だ.なんとかしなくちゃ...
日記書いてる場合じゃないぞ.