「魔力の胎動」東野圭吾
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僕の中では,「困ったときの東野圭吾」というのがあって,何を読もうかと迷った時はこの方の小説を手に取るようにしてます.
ミステリーなので,ストーリーを述べるのは控えますね.
まずは,題字をご覧ください.
タイトルの下に,'Laplace's movement' とあります.
movementが「胎動」なのはまあ許せるとして,Laplaceが悪魔になってる?
まあ,「ラプラスの悪魔」という言葉があるからってことで,納得することを期待しての英題字なのでしょうね.
秋田行きの新幹線を秋田小町からの連想で「こまち」と名付けるようなものかな.
勘の鋭い人はこの日米のタイトルから,おおよそ物語の骨組みが読めるかもですね.
そう,おっと,ここまで.
ただし,この小説で用いられたアイデアというか発想は,科学の世界ではかなり,古いネタになり,「カオス理論」「三体問題」「初期値鋭敏性」などをご存じの方には,物足りない題材かもしれません.
しかし,ネタの新旧はともあれ,東野圭吾さんはとにかくストーリーが面白いし,登場人物がとっても魅力的.
安心して東野ワールドに浸ることができます.
東野圭吾の別の作品「ラプラスの魔女」の前日譚になっているらしい.未読なので,これから読んでみるつもり.