各バイクメーカーが販売する上位車種・フレームは、ここ10年でその素材を急速にアルミからカーボンへと変更してきました。現にハイエンドに位置するカーボンバイクに対抗しうる上位グレードを意識したアルミバイクは、全盛期にくらべると激減しているのが実情です。
カーボンは振動吸収性も高く、設計もより自由度が増しました。かつてロードバイクの主流がクロモリからアルミへと変遷していったように、カーボンもまたロードバイクの新時代を謳うに相応しい素材と言えるのは確かです。
が、クロモリがそうであるように、アルミにはアルミの妙味があると思っています。今なおハイエンドなアルミバイク独特の乗り味を求める上級者がいるのもまた事実です。何度もご紹介しているGIANTのTCR SLシリーズはそうした方々のニーズにターゲットを絞った製品だと思います。ただ、アルミフレームに拘りを持つメーカーも存在していますので、遅きに失した感は否めません。
アルミフレームに拘りを持つメーカーといえば、やはりCANNONDALEということになるでしょう。LOOKがカーボンフレームに拘って来たのとと同様、CANNONDALEも30年と云う長い歳月の中で独創的なアルミフレームの開発を続けて来たメーカーなのです。そのCANNONDALEが2011年モデルとしてCAAD10を投入してきたと報じられたのが昨年の秋でした。
ただ、その頃の私といえばGIANT TCR COMPOSITE SEに夢中で、正直CAAD10の登場に気づけずにいたのです。私がCAAD10を意識し始めたのは、TCR SLモデルに触発されてのことでした。TCR SLモデルの登場でCAAD10の「世界一軽量なアルミバイク」という称号は半年で失われることになりましたが、先にも書いたように「世界一の剛性バランスを持つアルミバイク」「世界一快適なアルミバイク」という称号まで奪われたわけではないと思っています。
TCR SLモデルの比較する教材として研究をしている内に次第にCAAD10に魅了されていたようです。素材に6069T6アルミを採用したフレームは重量1,130g。インストールされるCAAD10フルカーボンフォークの重量が390gで、フレーム&フォーク合計で1,520gとフルカーボンのフレームに匹敵する軽さを実現しているのです。TCR SLはフレームで30g、フォークで20g程度さらに軽量化に成功していますが、快適性という面ではCAAD10に軍配を上げたいと思っています。これは長年アルミと云う素材に拘りをもってフレームを設計し続けた結果だと見ています。
例えば、横剛性を上げつつ縦方向に柔軟性を持たせたスーパーワイドトップチューブのほか、オーバーサイズダウンチューブ、左右非対称チェーンステー、デルタシートチューブ、鍛造ブレーキブリッジ、上下異径ヘッドベアリング、BB30など、これでもかと新しい技術がつぎ込まれています。さらに、快適性に関しては、マウンテンバイクのFLASHやコンフォートモデルのシナプスにも搭載される同社自慢の振動吸収マイクロサスペンション機構「SAVEステー」や、オフセットドロップアウトを採用したフルカーボン・テーパーフォークなどで保障されているといえるでしょう。
アルミバイクというだけで「カーボンバイクより下のもの」と考えがちですが、そんなことはないと実感させてくれるのがCAAD10ではないでしょうか。こんなことなら無理をしてでもCAAD10 5にすれば良かったなぁなどという思いが浮かぶようになっています。それもこれもTCR2の納車が遅れているせいなのですが・・・
このCAAD10モデルはアルミバイクでもその設計思想によってカーボンバイクと同等、あるいは上に位置するバイクに仕上げることは十分に可能だということを証明してくれると考えています。TCR2はデザイン面ではCAAD10にヒケを取っているとは思えませんが、フレーム重量の200g程の差を埋めることは容易ではありません。ただ、TCR2をFULL ULTEGRA化することでCAAD10 5は凌駕できるのではないかと密かに期待はしているのですが・・・
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CAADは、Funrideのヒルクラ人気使用車でも、上位にいると思います。
これはどういうことかというと、例えば自動車のエンジンや動力伝達系部品のしゅう動面積を1/6にすることを意味し、大幅な軽量化による低燃費化が期待できることを意味している。トライボロジー技術にはまだまだ発展する未知が多いように思われる。