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REACHにリーチ -EUが迫るもう一つの2007年問題

2005-12-16 | 経営
更新が遅れてすいません。
宴会シーズンということと、少々ネタ切れにもなってまして・・・。
とうことで、本日は日経12/14付記事で気になったものを取り上げました。

以下、化学物質問題市民研究会HPより引用
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/eu_master.html
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■EUによる新化学物質規制REACH■

・REACH は Registration, Evaluation, and Authorization of CHemicals
 (化学物質の登録、評価、認可)の略称。

・企業は扱う化学物質物質( 1 トン以上)の固有の特性と危険性に関する
 情報、用途、及び初期リスク評価(製造量 10 トン以上の場合)をまとめ、
 登録書類一式を提出する登録(Registration)が求められる。
 化学物質情報についての責任と発生するコストは企業側に求められる。

・提出された登録情報は加盟各国当局の持ち回りで評価(Evaluation)される。
 書類審査と対象物質の 2 種類の評価がある。
 書類審査は動物テストの提案をチェックし、不必要な動物テストを回避する。
 物質評価は人間の健康と環境に高いリスクがあると疑われる物質に関し
 必要ならば登録者にリスクを明確にするための追加情報の提出を求める。

・非常に高い懸念がある全ての物質は認可(Authorization)の対象となる。
 これらの化学物質の中には、発がん性物質、変異原性(変異原性)物質、
 生殖毒性物質、及び難分解性で環境中に蓄積する化学物質が含まれる。
 認可は当該物質の個々の用途に対して適用される。

・認可は、当該物質の使用が適切に管理される、あるいは社会経済的な便益が
 リスクよりも重要であると企業が証明できた場合にのみ、与えられる。
 後者の場合には代替物質(substitution)の可能性の検討が推奨される。
 社会経済的要素を十分考慮したうえで、許容できないリスクを及ぼす物質は制限  (Restriction) される。制限には、特定製品の使用禁止、消費者の使用禁止、
 あるいは完全な禁止などがある。
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(追加コメント)

要は、EU内で生産・輸入される約3万種の化学物質について企業に安全性の評価
などを義務付ける内容で、2007年にも施行されると。

これに先立ち、EUでは「ROHS(ローズ)指令」が来年7月より実施。
これは、家電などへの鉛、水銀など6物質の使用を制限するもので、
業種的には主に電機、精密、情報機器に影響するとされる。

これに対し、REACHでは溶剤、洗剤、繊維、部品などEUで流通する
全製品に含まれる化学物質になる見込み、っていいますから衝撃は大きい。
業種的には電機以外に、自動車・化学・繊維などに広がります。

このため、製品開発、調達といった企業活動の根幹に細心の注意を払う必要が
出てくるわけでして、産業界のコスト負担もばかにならないと思われます。

因みに欧州委員会の試算では今後十数年で約3,200億円~7,300億円とか。
(本当にそれで済むのか疑問ですけど)

ということで、日経記事でも、
国際的な環境規制対策が企業の競争力を左右しそうだ、と結んでおります。


EUは会計だけでなく、化学物質でも2007年問題を突きつけたわけです。
でもREACHは、市民サイドからすればメリットは大きいと思います。
こうした動きが他国に広がるかにも注視したいですね。

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