いやぁ、小売担当者にとって、良いんだか悪いんだかわかりませんが、
大きなクリスマスプレゼントが飛び込んでまいりました。
まずは日経記事、その後にコメント
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セブン&アイ、西武百貨店など傘下に・株式65%取得へ
セブンイレブン、イトーヨーカ堂を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングス
は25日、そごう、西武百貨店を持つミレニアムリテイリングの発行済み株式の65%
を野村プリンシパル・ファイナンスから取得し、経営統合する方針を固めた。
セブン&アイはコンビニエンスストア、スーパーに加え、百貨店事業も新たな
経営の核に据える。
業態の垣根を超えて流通業の再編が加速する。
セブン&アイとミレニアムを合わせた売上高は約4兆6000億円となり、最大手のイオンを約5000億円上回る。 (19:15)
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(コメント)
ミレニアム社については、日経ビジネス05.12.19号にて「ミレニアムリテイリング「和田集権」の正念場 」という特集をやっておりました。
私の頼りない記憶をたどりますと、一連の金融支援を経て収益力、
財務体力ともかなり回復した印象を持っております。
でも確か、そごうで9割の債務免除を要請したりと、和田繁明氏の豪腕に
負うところも大きく、伊勢丹出身者など巻き込みながら「和田集権体制」が
出来上がっているっていう内容でした。
しかし、新装成ったそごう心斎橋店は翌月より計画割れとなっており、
若い女性客の取り込みが課題、また野村プリンシパルの持ち株の多さが
株式上場のネックになっている(年間発行済株式の10%しか売り出し
できないとか)とのことでして、
同社のEXITをどうするかにも注目していたところです。
以下、本質をはずしたコメント及び注目点。
現状では不透明なことが多いのですが、直感的にはセブン&アイの新たな負担にならないか、ちょっと心配です。
①野村プリンシパルにとっては、格好の売却タイミングではないかと思います。
そごう心斎橋開店という当グループにとって再生をアピールできる一大
イベントが終った訳ですし、この先ボロが出る前にさっさと売り切って
しまうのは手でしょう。
②セブン&Ⅰにとっては、持ち株会社化して初のM&A。
この大義名分な何なのでしょうか?
買収によるシナジーは?
まさか、今後のSC出店の核を百貨店にするってこのなのでしょうか?
③何といっても価格はどうなのか。デューデリは慎重にやったのでしょうが。
ざっくり試算してみました。買収価格、1,300億円超ってとこでしょうか?
今期予想営業利益は2社合計で365億円、EBITDAで見て
400億円超として、5倍相当の2,000億円超が時価総額。
そのうちの65%で1,300億円超。
ただし、Bookvalueでは、
そごうの株主資本 278.2億円
西武百貨店の株主資本 306.12億円
合計 584.32億円
この65% 379.8億円
ですから、1,000億円近いのれんが生ずる計算になり、
その償却だけで年50億円の営業利益悪化要因。
買収金額は注目ですね。
③経営をどう統合するのでしょうか。
鈴木セブン傘下入りにより、和田体制はどうなるのでしょうか?
まぁおそらく、当面そのままにするのでしょうけど。
④福助から招聘したカリスマバイヤー、ヨーカ堂・藤巻氏の処遇が
どうなるか。活躍のステージがGMSから百貨店へと大きく広がることは、
藤巻氏にとっては良いことだろうけど。
百貨店側にも伊勢丹OBは多く、軋轢は起きないか。
⑤そして、なんといっても、今後セブン&アイは
GMS(イトーヨーカ堂)を今後どう処遇していくつもりなのでしょうか。
今後の報道を受けて、随時コメントしていきます。
大きなクリスマスプレゼントが飛び込んでまいりました。
まずは日経記事、その後にコメント
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セブン&アイ、西武百貨店など傘下に・株式65%取得へ
セブンイレブン、イトーヨーカ堂を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングス
は25日、そごう、西武百貨店を持つミレニアムリテイリングの発行済み株式の65%
を野村プリンシパル・ファイナンスから取得し、経営統合する方針を固めた。
セブン&アイはコンビニエンスストア、スーパーに加え、百貨店事業も新たな
経営の核に据える。
業態の垣根を超えて流通業の再編が加速する。
セブン&アイとミレニアムを合わせた売上高は約4兆6000億円となり、最大手のイオンを約5000億円上回る。 (19:15)
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(コメント)
ミレニアム社については、日経ビジネス05.12.19号にて「ミレニアムリテイリング「和田集権」の正念場 」という特集をやっておりました。
私の頼りない記憶をたどりますと、一連の金融支援を経て収益力、
財務体力ともかなり回復した印象を持っております。
でも確か、そごうで9割の債務免除を要請したりと、和田繁明氏の豪腕に
負うところも大きく、伊勢丹出身者など巻き込みながら「和田集権体制」が
出来上がっているっていう内容でした。
しかし、新装成ったそごう心斎橋店は翌月より計画割れとなっており、
若い女性客の取り込みが課題、また野村プリンシパルの持ち株の多さが
株式上場のネックになっている(年間発行済株式の10%しか売り出し
できないとか)とのことでして、
同社のEXITをどうするかにも注目していたところです。
以下、本質をはずしたコメント及び注目点。
現状では不透明なことが多いのですが、直感的にはセブン&アイの新たな負担にならないか、ちょっと心配です。
①野村プリンシパルにとっては、格好の売却タイミングではないかと思います。
そごう心斎橋開店という当グループにとって再生をアピールできる一大
イベントが終った訳ですし、この先ボロが出る前にさっさと売り切って
しまうのは手でしょう。
②セブン&Ⅰにとっては、持ち株会社化して初のM&A。
この大義名分な何なのでしょうか?
買収によるシナジーは?
まさか、今後のSC出店の核を百貨店にするってこのなのでしょうか?
③何といっても価格はどうなのか。デューデリは慎重にやったのでしょうが。
ざっくり試算してみました。買収価格、1,300億円超ってとこでしょうか?
今期予想営業利益は2社合計で365億円、EBITDAで見て
400億円超として、5倍相当の2,000億円超が時価総額。
そのうちの65%で1,300億円超。
ただし、Bookvalueでは、
そごうの株主資本 278.2億円
西武百貨店の株主資本 306.12億円
合計 584.32億円
この65% 379.8億円
ですから、1,000億円近いのれんが生ずる計算になり、
その償却だけで年50億円の営業利益悪化要因。
買収金額は注目ですね。
③経営をどう統合するのでしょうか。
鈴木セブン傘下入りにより、和田体制はどうなるのでしょうか?
まぁおそらく、当面そのままにするのでしょうけど。
④福助から招聘したカリスマバイヤー、ヨーカ堂・藤巻氏の処遇が
どうなるか。活躍のステージがGMSから百貨店へと大きく広がることは、
藤巻氏にとっては良いことだろうけど。
百貨店側にも伊勢丹OBは多く、軋轢は起きないか。
⑤そして、なんといっても、今後セブン&アイは
GMS(イトーヨーカ堂)を今後どう処遇していくつもりなのでしょうか。
今後の報道を受けて、随時コメントしていきます。
「日本一の大小売業者(?)の誕生。では世界一はどの会社?」
簡単すぎましたか (^^;)
お近くへおいでの節は、どうぞ拙宅へもお立ち寄り下さい
→ http://blog.q-q.jp/200512/article_120.html
(ご迷惑でしたら、お手数ですがコメント、TBの削除をお願いします)
民事再生法でよりクリアな方法で再生をしたのはそごうですが、実質的な主導権は西武百貨店人脈が持っていることは明らかです。その中で佐野氏を含めた伊勢丹人脈もいるわけで、これらとコラボレーションということになるのでしょうか。
しかしながら個人的にはGMSであるイトーヨーカ堂を百貨店化していくことが正しい道という藤巻改革の方向性はどうにも納得いきません。イトーヨーカ堂の食品は非常によくなっていると思いますが、アパレルはどうも方向が定まらないという印象です。