Being on the Road ~僕たちは旅の中で生きている~

日常の中にも旅があり、旅の中にも日常がある。僕たちは、いつも旅の途上。

美麗的日本和我 (美しい日本と僕)/下野探訪記 第15回

2023-12-31 22:38:16 | 旅行

2023年の記録

何だか、とても忙しく、あれよ、あれよという間に1ヶ月以上経過してしまった。

宇都宮市~栃木市~下野市と近隣の“庭”を散策したときの記録。

 

 

松ヶ峰教会の地元産品である大谷石の外壁、レンガとも白壁とも違う美しさがある。

 

 

下野市から宇都宮市、壬生町、栃木市と反時計回りした。足もとの美しい街を再発見する散策となった。

 

 

1932年(昭和7年)献堂のカトリック松が峰教会聖堂は、大谷石建築としては現存最大級のロマネスク・リヴァイヴァル建築であり、1998年(平成10年)に国の登録有形文化財に登録された。

 

 

宇都宮市から栃木市に向かう途中、壬生町おもちゃのまちに獨協大学病院前に銀杏並木がある。

イチョウは中国原産の渡来植物で、日本国内のイチョウは、基本的に植樹されたものだ。イチョウは、他の木に比べて、幹も葉も水分が多い。そのため木全体が燃えにくく、火事に強いので、街路樹として多くのイチョウが植えられている。

 

 

1924年(大正13年)竣工の洋風レトロな「とちえん ダイニングカフェ酒場」の建物は、以前のブログでも掲載しているが、当時は休業の多いカフェだったが、今年から経営者も店名も替わって、昼はカフェ、夜は居酒屋の毎日営業になっていた。ちょうどお腹も空いてきたし、待ち時間なしで入店できたので、お昼にした。

デミグラスハンバーグランチ850円は、正直なところ可もなく、不可もなくの味。ライス大盛無料だが、もう一品何かが欲しいところ。

 

 

お腹も満たされたところで、栃木蔵の街をぶらぶらと散策しながらカトリック栃木教会を目指す。

 

 

洋風建築と昭和レトロな店舗建築、そして蔵が混在するのが、栃木蔵の街。

 

 

装飾が綺麗に撤去された洋風建築、きっとおしゃれにリノベーションされるのだろう。1年後が楽しみだ。

 

 

蔵の街を流れる巴波川(うずまがわ)を行く蔵の街遊覧船。

 

 

カトリック栃木教会は、1952年(昭和27年)献堂のシンプルな建築の聖堂がある。

 

 

再び蔵の街の商店街を抜けて、ひとまずクルマを停めた栃木市役所へ。

 

 

旧栃木市役所(旧栃木町役場)庁舎は、1921年(大正10年)に竣工している。栃木町役場の前進は、県庁が宇都宮市に移転後に設けられた近隣12町村の戸長役場である。

木造総2階建の洋風建築で、外壁は1階が横板張ペンキ塗、2階は漆喰壁で木造の骨組を化粧で表し、屋根の上には小さな塔を乗せていた。(現在は小塔に時計が取り付けられている) 1998年(平成10年)に国の登録有形文化財に登録されたあとも2014年(平成26年)本庁舎移転まで市庁舎別館として使用されていた。

 

 

栃木高校記念図書館、同講堂と馴染みの近代建築を眺める。

 

 

旧足利銀行栃木支店は、1934年(昭和9年)竣工の木造平屋建てのギリシャ神殿風の洋風建築。2005年(平成17年)に建物の半分ほどを移築し、カフェとして利用されている。2008年(平成20年)に国登録有形文化財指定。

 

 

自宅周辺を散策し、最後に定点観測の風景をパチリ。

 

 

【メモ】

東京都小池都知事が、都内在住子弟の高校授業料完全無償化を打ち出している。どうしようもない愚策だと思う、バカな愚連隊高校生が増えるだけだ。(元・愚連隊高校生だった僕が言っているのだから、間違いない。) 高校でも、大学でも、カネさえ払えば、入学できる学校があるが、カネどころか、名前を書けば入学できる高校ができるのだからどうしようもない。

 

義務教育である小中学校教育に財源を投じるべきだと僕は思う。一定数の児童、生徒が、授業から落ちこぼれ、不登校になり、学ぶことの価値や楽しみ、多様な友人との交流を知ることなく、形式的に中学を卒業していく。児童・生徒数が減少していても、教職員の数も質も追いついていない。そのような財源投入は、地味で効果も図りにくい。少なくとも選挙対策のバラマキとは、最も遠いいところにある。

 

それでも、何らかの無償化したいなら、(偏差値がすべてではないが) 少なくとも偏差値50以上の高校に限定して欲しい。名前を書けば入学できる高校を卒業したところで、反社の人脈に取り込まれるのが関の山だ。

 

後進国の政治屋の専売特許のバラマキが、コロナ禍以降の日本にも浸透している。日本は、すでに先進国から離脱しかかっているけどね。

 

 

旅は続く


人民中国の残像/鄭州

2023-12-10 10:21:33 | 旅行

2006年の記録

泰安(済南空港)から空路で鄭州へ。周辺の取引先開拓のため鄭州市内に3泊したときの記録。

 

鄭州市の中心部の朝市。早朝から人、人、人、人口の多い河南省を絵に描いたような光景だ。

 

 

早朝、泰安をクルマで出発し、済南空港に行き、飛行機で鄭州へ。済南から鄭州までは、1時間未満。ところが、機体トラブルで、フライトの目途立たず、空港ホテルへ誘導され、朝食バイキングのあとは、見知らぬおじさんと同室で、半日ほど待機。(超短距離の航路なので、利用者の大半は富裕層。同室のおじさんも医師で、僕より英語が流暢だった。)

夕方、鄭州空港で、瀋陽から呼んだ元・部下のショークンと合流。

 

 

河南省と言っても日本人には馴染みがないが、中華文化(黄河文明)の発祥地である中原の中心地と説明した方がわかりやすいかもしれない。かつては中華の中心であったものの、今は貧しく人口の多い地域で、農民工を多く送り出している。

 

 

リムジンバスの発着点となっている街の中心部のホテルに宿泊。翌朝、ホテルの傍の朝市を散策。街路に覆われた穏やかな感じのする通りには、買い物客が溢れていた。露店では、品数が少ないので、農民自身が野菜を売っているのだと思う。以前、住んでいた遼寧省蓋州の朝市と比較すると貧相だ。魚介類がないのは、海から遠いいためだろうが、肉や乾物、雑貨の露店もない。

 

 

鄭州は、河南省の省界(省都)、その中心部を馬車が、野菜の運搬のために行き来していた。日本の農家の軽トラに相当するのだろうか。

 

 

空港で元・ヤクザ者のショークンと合流したときに彼曰く、「河南省で注意することが2つあります。河南人は、中国で一番の嘘つきです。(彼らしい偏見だと思うが、新郷市までタクシーを使ったとき、まんまと領収キップの束を誤魔化された。=1、2枚目は、10元だったが、あとは1元。) そして、河南省はエイズが蔓延しています。 (統計であきらかになっている。) 」 河南省で、エイズが蔓延している理由は、貧しい農民の衛生状態の悪い売血の注射針による感染なのだ。

 

ホテルから離れたところに「ヤバイな、ココ。」と感じた通りがあった。出稼ぎ仕事の斡旋所、彼ら相手の露店の安食堂、そして売血小屋。さすがに売血小屋では、シャッターを切れなかった。

 

 

3日目の朝も朝市を散策。休日も平日も朝から、なかなかの人出。もしかすると、冷蔵庫を持たない都市住民は、毎朝、買い物をする。かつて、中国の国営企業の女性の定年年齢は45歳、そんな訳で、街には、元気なおばちゃんが、溢れていたのかもしれない。

 

 

イスラム帽を被っているので、回族(イスラム教徒)なのだろうか? 肉屋は、珍しい、電子秤があるので、高級店か?(笑)

 

 

鄭州にだって、乗用車はある。でも、街の中心部を馬が闊歩しているのだ。

 

 

鄭州では、珍しくもない、最も原始的な方に近い馬車、その背後を一般人が搭乗できる最も先進的な飛行機への搭乗客を乗せたリムジンバスのコントラスト。

 

 

瀋陽に帰るショークンを空港で見送り、上海行のフライトまで、空港で時間を潰す。鄭州は、鉄道の要所(東西南北のクロス点)だが、空港は“田舎の空港”。空港の周囲は、植林された美しい林が拡がっていた。美しい電動輪タクが停車していた。昼寝していたドライバーと、二言三言会話を交わし、自慢の輪タクを撮影させてもらった。

 

 

【追想録】

鄭州の取引先候補企業の事務室内のソファに座って、僕とショークンが、担当者を待っていたとき、「この会社、ダメです。話をする必要もない、帰りましょう。」とショークンが言いだした。僕には聞き取れなかったが、担当者の電話での会話 「・・・・・・・・“小日本”(日本人の蔑称)が、来てるんだよ、またね。・・・・・」をショークンは聞いてしまったのだ。ショークンの言う通りだと思うが、さすがに、その場で席を立つのは大人気ないので、話をしてきたが、取引することはなかった。

中国で生まれ育った朝鮮族のショークンは、数えきれないほどの差別を受けてきた。そんな訳で、裏街道を走ったこともあった。いずれにしても、差別発言には、敏感なのだろう。僕自身が、民族差別を受けた記憶は少ないが、中国内の民族差別、偏見は、凄まじいものがある。

 

 

【JUST NOW】

毎週、強盗事件が発生しているのではないだろうか? 計画的な犯行とは言え、力任せにバットを振りまわすような稚拙さで、カネ目あてのわかりやすい犯行だ。ちょっと前までは、「誰でも良いから人を殺してみたかった」といった類の考えられない犯罪に驚かされた。日本の貧困化、治安の悪化ということなのだろうか。

 

実際、ニュースにならない小さな犯罪も増えているらしい。スーパーマーケットなど商店の窃盗、いわゆる万引き。万引きの世界平均は、売上の1%に迫るらしいが、それに対して、日本は0.2%未満だったものが、0.3%を超えた。世界平均と比較すると、依然として優等生なのだが、ここ数年で、倍増の悪化である。セルフレジ化によって万引き(スキャンスルー)が容易になったことと、値上、レジ袋有料化・・・・など、顧客の負担増に対する潜在的な不満が原因とか。

 

不足する労働力、特に単純労働者の海外からの受入に対して、「治安が悪化する」といった危惧から否定的な日本社会だが、強盗も万引きも犯人の多くは、日本人。

 

日本社会は、荒んでいくのだろうか? 家族が犯罪の被害者にならないこと、そして、犯罪者にならないことを願うばかりだ。

 

 

旅は続く