北京の胡同(フートン)を散策していた時の1枚。
中仙道蕨宿近くを散歩していたとき、停まっていた旧いクルマに触発されて、今までに目にしたクラシックカー(厳密な定義はないようだが、概ね製造後20~30年以上経過しているクルマ)の写真を掲載する。
蕨でみつけたクラシックカー、バリバリの現役。同じところに駐車しているのを何度も見たし、背広の中年男性が運転しているのも見た。
加齢のためか、クルマでも、カメラでも、最新モデルへの興味が失せている。カーボンニュートラルが叫ばれる昨今にあっても、僕は生涯、電気自動車を買うことはないだろう。そもそも、僕は、クルマの電動化に懐疑的なのだ。(デジカメの発売当初、僕は銀塩に固執していたのだが・・・)
電気自動車や水素自動車からCO2ガスは発生しないが、動力源の電気や水素を作る時にCO2ガスゼロは、現実的ではない。少なくとも日本ではむずかしい。
今、日本で走っている自動車の大半が、電気自動車に転換すると大量の電力需要が生まれる。自動車の大半が、エンジン車やハイブリットカーである今でさえ、老朽化した火力発電所(石炭、石油、天然ガス)の更新がままならず、原子力発電所の新設はもちろん再稼働にもストップが掛かり、夏の電力が逼迫しているのである。電気自動車が増えたら・・・・。太陽光や風力といった再生可能エネルギーに期待したいところだが、これにも高い壁が立ちはだかる。
太陽光は、電気自動車充電のための電力需要が高まる夜間に発電できない。(電気自動車が増えると夜間の電力需要が急増する) 風力発電所は、低周波の発生や鳥類の衝突死など、意外に自然にやさしくない。そもそも、風力発電は、穏やかな風が安定して吹くことが条件、つまり強すぎてもダメ、吹かなくてもダメで、その条件を満たし、かつ広大な土地は、日本では、極めて限定される。悲しいかな日本は、再エネのための天然資源にも恵まれていない。ちなみにカーボンニュートラルを強く主張する欧州は、穏やかな偏西風が1年通じて吹き、すでに風力発電が火力発電をコスト面でも優っている。
事情は水素自動車も同じで、水素の生成方法は、大別すると2つ。石炭、石油、天然ガスを分解する方法が、最も低コストであるものの、これは生成段階でCO2ガスが発生するのでダメ。水を電気分解する方法が、クリーンであるものの結局は、電気を必要とする。
もう1つダメ出しをすると、電気自動車のキーデバイスとなるバッテリーには、多くのレアメタルを使っている。電気自動車の台数が増えると、今のバッテリー製造技術では、レアメタルが不足し、争奪戦が発生する。しかも、世界のレアメタルサプライチェーンを牛耳っているのは、中国である。
電力の問題も、レアメタルの問題も、2030年、2050年までには、技術革新で解決すると主張する人がいる。確かに人類の英知を信じたい気持ちだ。しかし、原子力発電が始まった時、核廃棄物の問題も技術革新が解決してくれるといった未来への根拠なき期待があったのではないだろうか。それを想うと、能天気な僕でさえ、そんな気持ちになれないのである。
水素エンジンを開発したトヨタ自動車・豊田章男社長は、「高効率エンジン+モータ(ハイブリット=日本の強みの摺合せ技術)」+「カーボンニュートラル燃料(水素燃料)」が、現実的なCO2削減になると言う。僕自身は、トヨタのクルマは、そつなく出来すぎていて好きじゃないので、買ったことがないが、共感できる。
番外編ってことで、いつもとちょっと違うこと、書いてみた。
僕の故郷へ向かう途中にあった廃車体。グランツーリスモの夢、ロマンを掻きたてられる。
旅は続く