「生協だれでも9条ネットワーク」

日本国憲法と平和主義、民主主義を守る活動を進める生協関係者のネットワークのブログです

【参加の呼びかけ】5月の19日行動、【情報提供】共謀罪法案を通さないための連日行動

2017-05-16 23:59:39 | 参加のよびかけ


<生協だれでも9条ネットワーク世話人会>(2017年5月14日)

 5月3日(水・休日)の有明・東京臨海防災公園には「施行70年 いいね!日本国憲法-平和といのちと人権を!」との5.3憲法集会実行委員会の呼びかけに応えて、5万5千人の市民が参加しました。
 この集会に「生協だれでも9条ネットワーク」と「生協九条の会・埼玉」のメンバーは昨年の30名を上回る45名が参加し、その後の台場コースなどのパレードに引き続き参加しました。
 しかしながら、まさにこの日、安倍首相は「2020年新憲法施行」と期限付きの9条改定などの国民、国会の声を無視した行政府の長として憲法違反の発言を行いました。国会での「共謀罪」法案の強引な進め方、北朝鮮情勢に乗じた「海上自衛隊の米艦防護任務の実施」など、森友疑惑に蓋をしたまま、安倍政権の暴走が止まりません。
 私たちは何としてもこの大暴走を止めるために、引き続き市民として声をあげ、あきらめずに行動したいと思います。

【参加の呼びかけ】5/19「共謀罪廃案!安倍内閣は退陣せよ、国会正門前行動」
と き:5月19日(金)18:30~
ところ:国会正門前(予定)
共 催:安全保障関連法に関する学者の会
    共謀罪NO!実行委員会
    戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
※生協だれでも9条ネットワークの幟旗は国会正門に向かって右側通路付近に17:30頃から立てます。連絡は藤原携帯までお願いします。

【情報提供】共謀罪法案を通さないための連日行動
 なお、共謀罪をめぐる国会情勢が極めて緊迫していることから、5月15日~5月19日の連日、国会議員会館周辺で昼夜とも行動が予定されていますのでお知らせします。

総がかり行動実行委員会のfaceobookの5/15付けの記事によると、今週(5/15~)が衆議院の山場です。
「安倍自公政権は、維新の協力を得て18日の衆院通過を狙っています。現代の治安維持法を復活させる訳にはいきません!何としてもやめさせましょう。国会から全国へ総決起を呼びかけます!!
本日15日よりお昼・午後・夜の連続行動、明日16日の夜は場所を日比谷野外音楽堂へ移して大集会で安倍政権を包囲します。」

(追記)
総がかり行動実行委員会のfaceobookの5/16付けの記事によると、「5.16日比谷集会は会場に入れない方を含め4200人が集いました。立憲野党議員40人超とともに「共謀罪法案は絶対廃案‼」とコール。」とのこと。

皆様、ご都合がつく行動に参加していきましょう。

【参加報告】「施行70年 いいね!日本国憲法-平和といのちと人権を!5.3憲法集会」

2017-05-14 23:59:15 | 参加報告

<管理人より>
 5月3日(水・休日)、「施行70年 いいね!日本国憲法-平和といのちと人権を!5.3憲法集会」が有明・東京臨海防災公園で開催されました。統一開催になって3回目で、参加者数は昨年を上回る55,000人と発表されました。
 「生協だれでも9条ネットワーク」と「生協九条の会・埼玉」のメンバーは、昨年の30名を上回る45名が参加し、引き続き、その後のお台場コースなどのパレードに参加しました。
 参加報告記事が遅くなってしまいましたが、スナップ写真を中心にアップさせていただきます。下の写真は、パレードの終盤、りんかい線の東京テレポート駅近くを歩いているところです。

「生協九条の会・埼玉」の皆さんは、どんどんと先に進まれてしまったので、並んでいるところを撮影することができませんでした。また、この日のTBSの「NEWS23」の報道の映像で参加者を映し出した際に埼玉の虹の幟旗がはっきりと写っていました。虹はさすがに目立ちますね。


 なお、集会の様子については、藤原一也さんが5/4付けで共同運営ブログ「連帯・共同21」に参加報告記事を書かれているのをご参照ください。藤田観龍さん撮影の写真も見応えがあります。
こちら

【参加報告】4.15小澤隆一さん講演会の報告(その2)講演

2017-05-13 23:59:31 | 参加報告
この前の記事:(その1)3人からの話題提供は、こちら

4.15小澤隆一さん講演会の報告(その2)
講演「安倍政権と憲法をめぐる情勢
   -野党+市民の力と今後の展望-」

 小澤隆一さんの講演は以下の講演レジュメに基き1時間30分に及びました。生協の九条の会関係者を中心とした41名の講演会参加者に、今後の取り組みへの確信と示唆を与えたと思います。第189回国会「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会公聴会」での公述人発言も資料提供して頂きました。
<以下、レジュメより>
はじめに
・awayな気分の中でのat-homeな話
 政治(Politics)≠(憲)法(Law) 実践(Praxis)≠理論(Theory)
 GovernanceまたはManagement≠Academia  戦略的「妥協」≠「原理」主義
・それでも…今の情勢の起点は安保法制 「2015・夏」のたたかい 憲法問題
・したがって… 憲法問題を考えることは、政治情勢を読み解くカギ


1.幻滅の安保法制と安保法制の現実
(1)2種類の幻滅-主権者(人民)と権力者
(ア)権力批判の源泉としての主権者(人民)の「幻滅」
・「民主主義って何だ」 カウンター・デモクラシーの神髄に触れるPerformance
・←「憂鬱」なAcademiaによるInspire
(とくに2015.6.4憲法審査会での3憲法学者の安保法制違憲発言、
そして「(地方国立)文系学部廃止」を示唆する6.8文科大臣通知とのSynchronizeも)
 内閣法制局の敗北(集団的自衛権容認への転換)
 →「立憲主義」(憲法=権力を縛るもの)からの批判 その「主流」Major化
 (かつてないこの言葉への社会の注目→「戦争法廃止・立憲主義回復」のスローガンに)
(イ)焦燥と意気阻喪としての権力者の「幻滅」
・2017.2.3衆院予算委員会 稲田×安倍の質疑での「9条2項改正」論
・南スーダンPKO自衛隊撤収(5月末)決定(2017.3) 「日報」・「森友」問題のさなか

(2)安保法制の現実
・4つの矛盾点 (2015.7.13衆院安保法制特別委員会小澤公述 資料参照)
①集団的自衛権「限定」行使容認 本当に「限定」か? 「言葉遊び」が過ぎる「存立危機事態」(小澤公述下線(a) 文献①99頁以下、②60頁以下参照)
②「後方支援」は「武力行使」ではない? 自衛隊員は捕虜にならない(なれない)
(公述下線(b)(c) 文献①104頁以下、③参照)
③外国軍の武器等防護のための武器使用 「平時」の活動から武力紛争への移行の危険
懸念される南シナ海 (公述下線(d) 文献①108頁以下、④参照)
④PKO法の適用対象、自衛隊の活動・業務の大幅拡大、武器使用の強化
 「PKO5原則」の重み 南スーダンでの顛末 (文献①110頁、⑤参照

(3)「幻滅」のゆくえ
・さらなる権力批判→倒閣か? 政治そのものへの幻滅(アパシー)か?
・危険な共謀罪の「萎縮効果」Chilling effect 「テロ対策」というデマ宣伝の効果
(文献⑥参照)
・「受け皿」としての野党共闘の成否


2.幻想の安全保障と安保体制の現実
(1)幻想(神話)としての安全保障
(ア)「核抑止力」論・北鮮の核武装・ミサイル開発 「核抑止力」論の現実性(reality)ゆえの非現実性
(文献⑨参照)
(イ)米軍による「尖閣安堵」
・「口先」だけの「安保5条適用」論 America Firstのトランプ政権ならなおさら…
・→「核と軍事同盟」による安全保障の幻想性
(多くの国民は「安保=米軍が平和を守る」と信じているように見えるが…
しかし、それは「原子力ムラ」ならぬ「安保ムラ」の形成と その影響 (文献⑦)

(2)日米安保体制という現実
(ア)2015.4日米ガイドライン→安保法制のライン
 日米安保(60年安保条約)は本格的な軍事同盟ではないところから出発
 今日ではグローバル安保、「日米同盟」が定着 そのための国内法整備としての安保法制
 そのことに私たちはどこまで自覚的か?(文献①95頁以下)
(イ)アメリカにとっての日本駐留の意味
・ジョン・F・ダレス「我々が望むだけの軍隊を望む場所に望む期間だけ駐留させる権利の獲得が目標だ」=(「日本防衛のため」ではない)
・高野雄一「安保条約は憲章51条(集団的自衛権)の外でoperateする場合があることを予定している」(文献⑧238頁) 「極東の平和と安全の維持」というMagic Word
 外征軍的・侵略的軍隊としての在日米軍 今では中東までカヴァー 

(3)抑止力論を超えて
・東アジア(中東も)における危険な「夢遊病者たち」(文献⑨参照)
・「北朝鮮問題」解決の鍵としての 核兵器禁止条約締結 日米安保体制からの脱却
 もう一つのOptionとしての米朝直接交渉による「北体制安堵」
 それは果たして可能か? 将来展望のある策か?(文献⑩⑪参照)


3.日本国憲法の理想とその実現
(1)廃墟(瓦礫)の上の平和理念
・国連憲章と日本国憲法の「共時性」
・「平和の実現」というAgenda Setting
・映画「この世界の片隅に」の世界 生きている(生き残った)→平和のうちに生きる

(2)国連憲章と日本国憲法
・国際連盟(規約)と国際連合(憲章) 継続と断絶(飛躍) (文献⑬参照)
・武力制裁(国連)と非武装と(憲法9条)の「間」 矛盾?or対立(=相互補完)?
・「法と(国内外の)世論による平和の実現」という共通(共同)目標
・戦後平和理念と戦後秩序を壊すもの 守り活かすもの=市民連合+野党の結集軸
 (文献⑩⑪⑫参照)


むすびにかえて いま私たちがなすべきこと-対話と研鑽
・今日、私が示したのは 憲法「学者」による「原理」主義的情勢把握
・「本当にこんな形でしか解決(打開)の道がないのか」と思うと茫然かつ憂鬱…
・しかし希望を捨てずに努力することが大事


参考文献
①渡辺治・福祉国家構想研究会編『日米安保と戦争法に代わる選択肢』(大月書店・2016)
 (添付の藤岡惇氏の書評も乞参照)
②阪田雅裕編著『憲法9条と安保法制』(有斐閣・2016)
③柳澤協二『自衛隊の転機 政治と軍事の矛盾を問う』(NHK出版・2015)
④同『新安保法制は日本をどこに導くか』(かもがわ出版・2015)
⑤自衛隊を活かす会編『南スーダン、南シナ海、北朝鮮 新安保法制発動の焦点』(かもがわ出版・2016)
⑥鈴木亜英・山田敬男編著『共謀罪vs国民の自由』(学習の友社・2017年) 本日特価扱
⑦白井聡『永続敗戦論』(講談社・2016)
⑧高野雄一『集団安保と自衛権』(東信堂・1999)
⑨クリストファー・クラーク(小原淳訳)『夢遊病者たち 第一次世界大戦はいかにして始まったか』(上・下巻 みすず書房・2016)
⑩小沢隆一「岐路に立つ戦後世界と日本国憲法の平和主義」経済261号(2017.6近刊)
⑪同「日本国憲法施行70年-その平和主義の理念の実現に向けて」平和運動541号(2017.5近刊)
⑫同「憲法施行70年 岐路に立つ9条 トランプ政権と共謀罪を見すえて」
季論21 2017年春号(2017.4)  本日特価扱
⑬ハリー・ヒンズリー(佐藤恭三訳)『権力と平和の模索 国際関係史の理論と現実』(勁草書房・2015)


<資料>
第189回国会 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会公聴会 第1号(平成27年7月13日(月))の衆議院ホームページでの掲載は、こちら。スクロールしていくと小澤隆一さんの公述人発言があります。

【参加報告】4.15小澤隆一さん講演会の報告(その3)質疑応答・交流・まとめ

2017-05-12 23:59:00 | 参加報告
(その1)3人からの話題提供は、こちら、(その2)講演は、こちら


【参加報告】4.15小澤隆一さん講演会の報告(その3)質疑応答・交流・まとめ
Ⅲ、質疑応答
 5名の参加者から質問や意見がだされました。その一つ一つに小澤先生から丁寧な回答がありました。大要は以下です。

●現実に集会に参加出来ていない市民に対して、例えば「共謀罪が成立しても、自分はいかなる組織にも関わっていないので、自分とは関係がない」と思っている一般市民も、場合によっては警察に捕まえられる身近な問題だと気付いていただくことがポイントです。生協や主婦連など消費者団体はこれまでも手広く会員を広げてきた実績があります。今後も地域での地道な積み重ねが必要です。

●公務員の政治的中立性に関連して、これは憲法で保障された権利であり、「中立」とは「えこひいきをなくすこと」と捉え、憲法に縛られたという気持ちではなく、労働者の立場からの奉仕であり、不断に「憲法を暮らしに生かす」という視点が重要になります。

●兵器による抑止力に関連して、「それがあるから日本で現実に戦争が起こらないではないか」とのずるい論法があるが、憲法のもとで経済の発展や平和への希求を掲げて努力してきた成果であり、日米安保も国民の意志で変えることが出来ると思っている。

●総がかり行動共闘に関連して、全員参加型学生自治会や労働組合の力が萎えてきている中で、どうすると皆が参加できるのか、「総がかりを超える総がかり行動」に何が必要かを模索する時代に入った。お隣の韓国では市民が集まる広場があり、100万人以上の規模で市民が参加し、大統領などへの抗議の声をあげ、歴史的に市民が政治を動かしている。

Ⅳ、主催者まとめ
 コープネットグループ労働組合九条の会の占部修吾さんから閉会の挨拶があった。(冒頭の写真)
 小澤先生のお話が現状の理解にとても参考になったとして感謝の言葉を述べた。安倍政治は北朝鮮の拉致問題や失言、森友問題などを起しながら、政権支持率が下がらないのは、第一次安倍政権の轍は踏まないとマスコミコントロールに励んでいるからからかも知れない。しかし、権力が腐敗することを歴史に学ぶことは可能だろう。無党派層とともに安倍政権を選挙で交代させなければならない。そのために多くの市民に憲法前文や九条を浸透させる努力を惜しまないようにしたいと決意を表明した。

 なお、この学習会に参加した東京カズちゃんさんがFacebook上で以下の感想とまとめを発表した。要を得た文章なので敢えて掲載させていただく。さらにその記事へのコメントもとても参考になるのでそのまま掲載した。(名前は頭文字に留めた)

<東京カズちゃんさん>
 今日の午後は「生協だれでも9条ネットワーク」など主催の学習会が主婦会館プラザエフにて開かれ、小澤隆一さん(東京慈恵医大教授・憲法学)が「安倍政権と憲法をめぐる情勢」のテーマで講演されました。30人超が参加しました。小澤先生は2015年7月13日の衆院安保法制特別委員会の公聴会にて公述人として発言しています。以下はその概要です。
 国民が安保法制と憲法の関係に注目し始めたのは、2015年6月4日の憲法審査会で3人の憲法学者が安保法制は違憲と発言したことによる。その後、形骸化した議会的民主主義に対抗する形で、議会を取り囲むカウンターデモクラシーが活発となった。その象徴が「民主主義って何だ」とSEALDsがコールしたあのスローガンである。
 安保法制の矛盾点はいくつかある。1つは集団的自衛権を限定して行使するというものだが、そもそも存立危機事態になる武力攻撃などの概念が曖昧で範囲が不明確なので、「限定」できない。また、自衛隊は武力行使とならない後方支援などをするという規定ぶりとなり、自衛隊員は国際法上戦闘員ではないとされるので、軍人としての捕虜扱いもされないという不安定な法的地位に置かれることになった。
 現在国会に提出された共謀罪法案はテロ対策と政府は標榜しているが、実際は当局が国民の計画や準備行為で処罰できることになり、市民を監視することにより、憲法で保障された表現の自由への萎縮効果が懸念されている。本来は表現の自由への規制は適正ないし最小限のものであるべきである。
 安倍内閣への支持率が高止まりしているなど憂鬱ではあるが、受け皿としての野党共闘を推し進め、「あきらめない」で希望を持ち続けよう。

<上記の記事へのコメント>
M1さん
最後の「あきらめない」がとても大事だと読みながら思いました。諦めない、これが今一番大切だと改めて思った次第です。自衛隊の地位の矛盾について、伊勢崎賢治先生も繰り返し述べられていました。日本がこれから国際貢献の中で何が出来るのか出来ないのかを明確にしないままで、海外派遣に赴く自衛隊の方々が翻弄させられるだけではと思っています。まだまだ勉強しなくちゃと。
東京カズちゃんさん
なかなか打ち出の小槌にあたるものが市民運動側にもないということで、やっていることを継続するということかと思います。しんどいですが、したがって、楽しくやっていくことが重要ですよね♪
M1さん
はい、私も全く同じ思いです。個人的にはSEALDsの時は楽しかったです。
M2さん
シェアさせていただきました。私も参加しました。講師の小澤隆一さんは私と同じ年の生まれということで一気に親近感アップ(^^ゞまた、一ツ橋大学生協の総代会の議長もしたことがあるとのことで、「生協だれでも9条ネットワーク」にふさわしい方だったなぁと思いました。約40人の参加がありましたが、若い世代の参加が嬉しかったです。こういう場をいろいろなところで設けていきたいですね。いろいろと工夫をしていきましょう。
東京カズちゃんさん
シェアをありがとうございます。
Kさん
小澤先生のお話は良かったですね。あっという間の1:30でした。
私は質疑応答で語られた「憲法を使うセンス」という言葉が心に残りました。そう、使わなければ!
東京カズちゃんさん
かつて埼玉県の畑和知事時代に県庁の垂れ幕として「憲法を暮らしに生かす」と掲げていました。まさにこれと同じ精神と実践だと思います。


報告記事(その1~3)文責 藤原一也

【参加報告】4.15小澤隆一さん講演会の報告(その1)3人からの話題提供

2017-05-10 23:59:21 | 参加報告

<管理人より>
 世話人の藤原一也さん作成の「4.15小澤隆一さん講演会」報告を、数回に分けてアップさせていただきます。(写真は管理人と藤原さん撮影分より)

【参加報告】4.15小澤隆一さん講演会の報告(その1)3人からの話題提供
 標記の講演会は2017年4月15日(土)13:30~16:00に東京・麹町の主婦会館プラザエフ5階会議室で41名の参加で開催されました。今回の企画は「生協だれでも9条ネットワーク」、「生協九条の会・埼玉」、「コープネットグループ労働組合九条の会」が共同で主催し、東京都や埼玉県の地域で平和の取組みを進める生協関係者と生協労働組合が一緒に取組みました。
 講演会開催の目的は「憲法をめぐる状況」や「安倍政権と国会の状況」「市民運動と立憲野党の共闘と今後の展望」などへの情勢学習です。講師の小澤隆一さんは東京慈恵会医科大学教授(憲法学)です。今回、「安倍政権と憲法をめぐる情勢」‐野党+市民の力と今後の展望‐と題して話されました。

Ⅰ、主催者挨拶と話題提供
 講演に先だって、司会進行役を「生協九条の会・埼玉」事務局長の鈴木蔵人さんが担い、主催団体のこの間の活動について「生協だれでも9条ネットワークの世話人である斎藤嘉璋さん、山本邦雄さん、「生協九条の会・埼玉」の世話人石川裕司さんから話題提供していただきました。

1)斎藤嘉璋さん
 共謀罪と教育勅語について話題提供があった。元・労働大臣を務めた自民党代議士石田博英さんの話を通じて、戦前の治安維持法下では、学生消費組合のお店に単に集まって何かを語り合う、それ自体が共謀の罪に問われたこと。特高警察によって早稲田大学の雄弁会、新聞部、学生消費組合まで次々と解散させられた経過を述べた。
 自ら通った国民学校で「教育勅語」を実際に聞かされた世代として、当時、校長が読み上げる「教育勅語」は表現が難しく理解できなかった。今になって振り返ると難しくて判りづらいことが本質だったのではと思う。教育勅語は明治憲法制定時に、自由民権運動に込められた立憲民主主義の再来は困ったことだと、天皇の「お言葉」の形をなし、明治憲法を越えた存在だった。日本の生活協同組合運動の始まりは、イギリスのロッチデールに学んだ自由民権運動とも関連するものでもあり、これらの歴史的経緯は押さえておきたい。


2)石川裕司さん
 生協九条の会・埼玉は埼玉県在住の約170名の生協関係者が登録している集団です。現情勢下で様々なことをなすべき規模になっていると思っています。この会の代表は大友弘巳さんですが、上尾市の図書館問題をめぐる住民運動の事務局長を担っており、本日どうしても外せない用事が出来、急遽、私が大友さんの代理で主催者挨拶を行っています。
 青木理さんの「日本会議の正体」「安倍三代」を読みました。日本会議はマスメディアにあまり登場しないまま、安倍政権での影響力を発揮するまでになりました。現に安倍政権のやっていることが国民にあまり知られないでいることへの危惧があります。本日の小澤先生のお話を通じて、安倍政権と憲法をめぐる情勢についても学びたいと思います。


3)山本邦雄さん
 2011年9月の「さよなら原発6万人集会」が新しい市民運動の出発点となり、自分の考え、主権者として行動する一般市民、学者、若者、ママたちの行動へと広がり、市民連合の結成につながりました。この“自立した市民の協同の力”は市民と野党の連携・共闘として安倍政権への対抗軸となっています。
 しかし、アベノミクスの限界が露呈し、共謀罪法案をゴリ押ししながらも安倍政権の支持率は50%を切らない現実があります。「強い権力」は依然として存在します。この背景にはマスコミを通じた世論分断、豊洲や北朝鮮などの露骨な分断がありますが、私たち市民運動の盛り上がりが2年前と比較して不足している状況にあります。この局面をどう打開していくのか?その鍵は「あきらめないこと」です。学習を通じて実践的に考え合い、地域社会に私たちの決意を示して行きましょう。


(その2に続く)