言ったほうも覚えてる

「きついこと言ってごめんね」彼女は最後にそう言った。


前の職場の方の定年のお祝い会があって、
絶対にお礼を言おうって思っていたことが話せた。

以前彼女に言ってもらったことがとてもうれしく、
それで今でも仕事を続けていられてると思ってる。
だから、
「前に旅行のとき言ってもらったことがすごくうれしかったの。
『変わらなくていいのよそのままでいいのよ』って
あの言葉で今までやってこれたと思ってる」って話した。

そしたら、
「ああそぉ・・だけど、きついことも言ってごめんね」って
申し訳なさげにちょっと恥ずかしそうに、でも笑顔で言ってくれた。

当時はかなりの落ち込みで誰にも相談する気にもなれなかったけど、
そのきつい言葉も色々考えさせられたし
実際不甲斐ない係長だったのは事実だし。

彼女とはそんなゴタゴタがあっても
その後私が異動してからも普通に仲良く話していた。
その時のことには触れず。

でも言った方もずっと覚えてたんですね。
何でも言い合える方が最後にはよかったって言える、
そんな貴重な体験でした。