ビーチ・バーから聞こえてくるラジオ
この島のラジオ局はひとつだけ。だから、点在するビーチ・バーから聞こえてくる放送はみんな同じ。 砂浜を歩いていると、それぞれの店のラジオからの距離が変化するので...
終わらない終わり
「いつも終わりを考えてるの?」と聞かれれば、 「まぁ、そんなこともないこと...
遠ざかる華氏98度の夏
岩礁の東側に広がる砂州の浜に今年最初のオータム・ブリーズ 遠ざかる華氏98度の夏 【The Beach Boys - Summer Means...
ハッキリ思い出せる
部活帰り、銀杏坂の教会の鉄柵にトンボが停まっているのをイチ子さんが見つけて、「見て...」と指差す。 「トンボって昔ほど見なくなったよね。小学生の頃は、この辺にも沢山飛んで...
硝子玉
過ぎて行く夏ごとの想い —— 色さまざまな硝子玉のよう。遠くから聞こえる、なつかしい呼び声にも似ている。 【Jack Gol...
海の蜃気楼
金沢から能登半島の先端まで、随分長い時間をバスに揺られていたのを覚えている。 終点から岬を歩いて回ってたどり着いたのは、辺境のランプの宿 ...
イチ子さんのある日の三食
ある日の朝食 —— 時間が無いからピーナッツバターとジャムのサンドウィッチにしたが、それでもやっぱり人と会う約束に遅れそうになった。 ある日...
港に夏の喧騒と太陽が充満していた
『港に夏の喧騒と太陽が充満していた』 —— カミュの初期中編 "La Mort Heureuse" の一節。 この作...
水口イチ子と焼け石に水の秋
秋色も次第に濃くなろうという十月最初の週末午後三時、母に頼まれて例大祭...
まだ終わらない
まだ終わらない、もうひとつの夏の宿題。 【The Buckinghams - Kind of a Drag...