天才って誰?
夏に太平洋から丹沢山塊を越えて南風が吹くと、丘陵地の保護緑地帯に滞った摂氏...
サザンビーチ
真昼なり。南東の風4メートル。波の高さ2.5メートル。 東京から一時間で来られる海は、波のコンディションが良いと知れると直ぐに混んでしまう。 慣れた人は、...
水口イチ子に呆れられて...
区役所通りが公園通りに名前が改まったのはいつの頃だったか。 昔、区役所通...
忘れもの
信州は、旧盆が過ぎると野尻湖辺りなど早くも空の色が秋めいて、湖畔の別荘村では、八月最後の週末を待たずして都会にもどる人達の車が目に付くようになる。 湖畔のコテージを月のう...
秋のいち日にふたりですること
祖父のそのまた父の時代からあるという庭の柿が実りつつある。 「もうすぐ沢山収穫できるね」と嬉しそうにイチ子さんがぼくの腕に手を回し、喜ぶ。 彼女は、実が多く穫れ...
足は細いが...
子供の頃から色白でソバカスの多い子だった。 中学に上がった頃にはソバカスは色白のせいだと信じて疑わなかった。 高校生になって、半袖の下に見える腕の産毛が夏の光線を...
いつだったかの夏
また会える?【Bob Cowsill Band - Tell Me Why】
後ろ指を指されて
陶工濱田庄司がテレビに出ていた頃のことだ —— どれだけ古い話なんだ。 その教養番組で、自らの作陶工程をレクチャーしていて、配合する土の...
写実にこだわる画伯ではあった
太陽光が、やや逆光気味に上から来ているのに、お腹の辺りに来ている光量とボード裏の陰とのコントラストに不自然さがある。つまり、左側から助手によるヘタクソなライティン...
カリブ海に浮かぶ、とある小島でのこと
長い船旅の途中に立ち寄った、カリブ海に浮かぶ、とあるフランス領の小島での...