6月は同軸コリニアの製作依頼が10件以上頂いた。それから3週間何も来ないと思っていたら先週だけで7本の依頼を頂く。
ところがだ4本製作したところで同軸ケーブル、熱収縮テープ、自己融着テープが残数僅かとなって製作中断、製作部材の発注を行う羽目に。
今週無事に部材が届き製作を再開した。
これまで同軸ケーブルは50m単位で購入していたがこの調子で製作依頼を頂くとあっという間に無くなるので今回は100m巻きを購入した。
今度は100m巻では余ってしまうか?
【同軸コリニアの主要部材3D2V】
今週製作、調整を終えた同軸コリニアは下記の通りだ。
左の上は430MHz10段同軸コリニア、左下が430MHz6段同軸コリニア。
右の上は351MHzデジタル簡易無線用8段同軸コリニア、右下が1.2G16段同軸コリニア。調整済みで発送を待つのみ!
ここからが本題!最近は同軸コリニアとメーカ製のGPを比較したブログが散見される。
そこでは決まって「飛び受けともに同軸コリニアが全敗」と書かれていることが多い。
これは正しいのか?
全敗の理由が『固定設置かつS』で比較したのであれば完全に認識が間違っている!説明しよう
下図を参照頂きたい。
利得の低いGPは垂直面パターンが広い。(水色)
一方、利得の高いアンテナは垂直面が狭くなった分、前方利得が向上するわけだ。(D)
下図のようにA、B、Cの地点での送受信の信号強度は赤線の長さで表される。
つまり下図を見れば明確で理論的にはA、B、Cのどの地点で計測しても利得の低いアンテナの方がSが強くなる。
(赤線がSメータと思えば良い)
これでゲインの高いアンテナが負けたと書かれているのでは?
なんのことはない、八木であれば送受信方向にアンテナを正しく向けて評価する。
なのにGP系アンテナは送受信方向を正しく正対させずにサイドやバックからの送受信で評価しているようなもの。
この評価は正しいのか?
では正当に評価するにはどうしたら良いのか?
アマチュア無線といえど「科学」だ。理屈を分かって正しく評価する必要がある。
どうすればよいか?簡単だ!
●送受信地点へ向けてアンテナを傾けて評価すれば・・正当に評価出来る
→しかしこれは実運用で仰角ローテータを取り付けろと言っているのと同義・・現実的ではないかも
●見通し距離外で受信比較すれば良い
→この領域ならばゲインがものを言う
こう考えると高利得のGP系のアンテナの設置、取扱が非常に難しいことがわかる。
遠くに飛ばそうとゲインを上げると近距離が聞こえなくなる、近距離を優先するとDXは難しい。
アンテナを適材適所で選ぶのも実は大変なんだ!!
アンテナに対して高利得の意味が分かっておられない方が多いのかもしれませんね。どの方向に飛んでいるかが頭で描けていないために、誤解が生まれるのではないかと思います。
近距離でも遠距離でもそのアンテナ1本で扱えると、最強のアンテナになるんですが・・・!
同軸コリニアが認知されたのは良いのですが、比較実験の記事も増えています。
記事を読むとGPアンテナの特徴を理解してないことが目立ちます。
昔、メンバー目黒局が
「X5000と比べて信号は弱いけど飛びは変わらない」と表現していた事を思い出します。
当時は私もそれを正確に理解していませんでした。
今ならば普通に考えれば「弱いと言うことは飛びが良いということだね!」と回答できます。
自らの進歩にも気づいています。これも一緒に活動してきた皆さんのお陰です!
このブログを通じて
「実は20年ほど前ですが、私の430の1エリアビームに新宿区だったと思いますが
FMでCQが聞こえる人がいまして、訪ねるとコーリニアだと言っていました。
無指向性アンテナで交信できた1エリアはその方のみでしたから
不思議なアンテナと思っていました。私も試してみれるので楽しみです。」
こんな情報を頂き更なる研究、実験へのモチベーションになっています?
一昨日、大山の見晴らし台で移動運用を実施しました。
使用したアンテナは、ダウンチルト8段同軸コリニアでした。
ここ標高765mでダウンチルトを使用したのは初めてです。
またこれだけ段数の少ないダウンチルトの実験も初めてでした。
結果は恐るべき結果でしたよ!?
50km先のハンディ機 55
110km GP 59
90km GP 59
300k先 福島市モービル局受信
(1エリア山頂移動局が出てきて交信できず)
福島市内は普通に聞こえてました。
>遠くと近場なら、段数の多いのと少ないのを切り替え
通常QSOならば尾根筋であればダウンチルトの一択のようです。
6m&DOWNでは、17M、10M、15M、16M等交信が出来ています。(CWです) 山の反射の関係で電波が届く局のみ、は仕方がないところですが、16Mはパスが良いらしく、結構よく聞こえました。