Qマッチに関して検討してみたい。
アマチュア無線的に考えるならば、1/4λ長の同軸ケーブルを使用してインピーダンス変換を行い目的のインピーダンスを得ようという話だ。
基本的には、R(負荷インピーダンス)とZ1(1/4λ同軸ケーブルのインピーダンス、Z1は通常50Ω、75Ωだ。)、そしてZi(等価インピーダンス)とすると、これは式の関係となる。
(但し、Rが純抵抗分になっているのが条件だ。)
この夫々の関係を分かりやすくグラフ化したのが図1だ。
[オレンジ:50Ω同軸のインピーダンス変換値。ダークブルー:75Ω同軸のインピーダンス変換値。]
この使い方を、スタックケーブルの製作を例にしてみよう。
スタックケーブルは、大まかにいうと、A、B及びT分岐から成り立っている。
Aの部分を50Ω同軸任意長とした場合で考えてみる。
- 50Ωのアンテナから2本の同軸がT分岐へ並列に来ているのでT部分では合成インピーダンス25Ωとなる。
- 合成インピーダンス25Ωを1/4λ 50Ω同軸で変換すると100Ωになる。図1青1の矢印だ。
- さらに100Ωを1/4λ 75Ω同軸で変換すると56.5Ωとなり、ほぼ50Ωへ整合できる。図1青2の矢印だ。
つまり、Aの部分を50Ω同軸任意長(通常は位相差なしなので、左右同じ長さ)、Bの部分に1/4λ 50Ω同軸、次に1/4λ 75Ω同軸を接続し、25Ω→56.5Ω変換を行い、50同軸で給電する。
次にAの部分に1/4λ 75Ω同軸を使うとどうなるか?
- 50Ωの負荷を75Ω同軸(1/4λのN倍することでスタック間隔の長さを確保する)へ接続すると、等価インピーダンスは112.5Ωとなる。図1赤1の矢印だ。
そうなると考えるまでも無い、2つのアンテナから来る同軸の合成インピーダンスは、56.25Ωとなるので、B部分は任意長の50Ω同軸が使えることになる。
[下記のアイコンをクリックして拡大すると、等価インピーダンスを細かく確認できます]
Qマッチは、25Ω、50Ω、100Ω(±10%くらい)のインピーダンス変換を繰り返す場合は、使いやすいが、それ以外の負荷インピーダンスでは使いにくい。
同軸を並列に接続する方法で、同軸のインピーダンスを1/2にする手法もあるようだけど、簡便なインピーダンス変換とはいえないので、この項は終わりとする。
ご参考まで・・・。
> http://www.dxzone.com/cgi-bin/dir/jump2.cgi?ID=13225
1/4λ×短縮率で
75Ω 1本=112.5Ω
75Ω 2本=28Ω
50Ω・75Ω=18Ω
50Ω 2本=12.5Ω
同軸でバランを作った先端に近い値の抵抗を付け、SWRを測れば
検証できるのではないでしょうか。
例の本も手に入れて・・少し考えています。
マッチング部に1/4λの同軸を使うのは、難しいかもしれません。
いやいや、そもそも同軸コーリニアの理論を考えなおす時期かなあ?とも思っています。
また、メールでもします。