先週、実は段間を塩ビパイプで強化した新型コリニアの再現性を確認するために試作を繰り返していた。
参考にしたデータは自分が作った『同軸コリニアアンテナ製作マニュアル』だ。そこに記述されている寸法とどの程度違うかを確かめて次作に繋げるのだ。
初心者が同軸コリニアを作るならば430MHzから436MHzに共振点があればSWR2の範囲が1-2%あるのでFMバンドでは必ず使える。
これはマニュアルを信じて製作すれば簡単だ。
しかし製品化するにはもう少し狭い範囲に共振点を狙って製作する必要がある。
試作の結果、先日の3Cタイプ2本の失敗作をを含めて6本が様々な事情でゴミになってしまった。下記の写真。
いろいろ試したが435MHzに共振点を持ってくると430MHz帯全域をカバー出来ると考えた。ただそれでは430.05MHz付近(CW領域)がSWR2.0に近くなる可能性があるが。
共振点を433MHzに出来れば430-435MHzの範囲は十分カバーできる。433MHzにするか、435MHzにするかは運用がFM、CW用かFM中心かで異なる。
なので435MHzを狙って全域をカバーする方式で製品を製作してみたが、しかし世の中は上手くいかないものだ。
[段間強化版10段同軸コリニア。山岳移動等でザックに丸めて投げ込む伸ばすを繰り返すのでエレメントの接続部が疲労し断線の可能性がある。なので段間を塩ビパイプで固着した。]
何が上手くいかなかったか??
段間強化版10段同軸コリニアで説明しよう。
下図が10段コリニアの特性。435MHzの少し上でRs50Ω。
SWR2.0以下の範囲は429.5MHz~445.0MHz(帯域幅3.5% 15.5MHz)となっている。
つまりこのアンテナは上側の帯域が広いので共振周波数を433MHzにすれば全域を安心してカバーできた。
ついでに同時に製作した16段コリニアの帯域も確認する。435MHzの少し下でRs50Ω。
(2本とも狙い通り435MHz付近に共振点を持つ)
SWR2.0以下の範囲は424.5MHz~439.7MHz(帯域幅3.5% 15.2MHz)となっている。
10段とは逆にこのアンテナは下側の帯域が広いので共振周波数を437MHzにすれば全域を安心してカバーできた。
以上見てきたように帯域が上に伸びるか下に伸びるかは組立て・調整して初めてわかる。
帯域の伸び方向が事前に分からない点が一番困る。
ま、帯域が15MHz超えているので同軸で給電すれば20MHzくらいの帯域に見えるか??
ま、435MHz (FM中心)or 433MHz(CW、FM用)選択方式をとれば問題は無さそうだが・・・
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