最近も本当にポツポツ同軸コリニアの製作依頼がきている。
昨年は同軸コリニアの製作に明け暮れた時期があり、おかげで以前にも増して制作力が向上、アンテナの強度、性能がより安定している。
つい最近、12段のデジタル簡易無線(351MHz帯)の製作依頼があり出来上がったのが下記だ。
様々な周波数での依頼を頂いてきたのでどんな周波数にも対応可能。これまで依頼を頂いたのはAIS、消防無線、サブGHz等々・・・
最近の構造は・・
段間はボンドで固め強度を確保してその上に自己融着テープを巻いている。最後に熱収縮チューブを被せる。
これで強度と防水を両立させる。立山レピータ対応のアンテナはボンドが-60℃対応となっている。
特徴的なのはスタブだろう。同軸は使わず平行ケーブルを使っている。
430MHz位から高い周波数では平行ケーブルが扱い易い。逆に低い周波数では長くなり使いづらいだろう。
【アナライザー】
最近はminiVNAとかN1201SA、AAシリーズのようなVNA系のアナライザーを持っている方が多くなってきた。
で納品を行うと当然のようにアンテナのSWRをアナライザーで計測して結果を連絡頂く場合もある。
ま、これが良い方へ転べば問題にならないが、逆ならばクレームとなる。
(この例が一番分かり易い事例だ)VNAの計測では不思議なことが起こることがある。
下記が144MHzの同軸コリニアの特性だ。バンド内がSWR1.5以下とかなり良い部類の出来上がりだった。
上記のアンテナに対して「SWRが1.5以下にならない」とのご指摘を頂いた。
すぐにVNA&同軸ケーブルの影響だろうなと思った。確認するとやはりVNAで測定し15mのケーブルを接続しているとの回答だった。
そこで手元のアンテナで再現テストを行ってみた。下記は上記アンテナに4mの同軸ケーブルを接続してVNAで計測した結果が下記だ。
更に7mのケーブルを接続してVNAで計測した結果が下記となった。この例では同軸ケーブル長により見かけ上のSWRがどんどん悪化している。
結論を書くならば単に給電用同軸ケーブルを繋いだだけでVNAで計測したのでは何を計測しているか分からなくなるということだ。
正しく測定するには同軸ケーブルを接続した上でケーブル先端で校正するのもひとつの手だ。
または1/2λ長のN倍の同軸ケーブルを使用すると良いだろう。特にVU帯以上ではご注意を。
【後日談】その後下記の連絡を頂きました。
「結果良好です。大満足です。
144.00MHz~146MHzの範囲でSWR1.01~1.15におさまりました。
DIWさんの推測どおりの結果になりました。
今回タワーから少しはなして吊り下げております。
飛びはいいです。遠距離局S2違います。」
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