髑髏フラワー

ママの口ぐせお花はドクロ!

【ネタバレあり】JPNツアー名古屋初日に行ってきたよかしゆか。【ご注意!】

2012-03-10 | ライヴレポート
【ご注意!】以下には公演に関する「ネタバレ」が書かれています。
まだこれから「JPNツアー」に参加される人で、ネタバレを回避したい方は読まないでください。


『キリンチューハイ 氷結 Presents Perfume 3rd Tour 「JPN」』名古屋公演初日に参加してきた。
私にとって3回目の「JPNツアー」だ。
数日前に、所属していたレコード会社を徳間ジャパンコミュニケーションズからユニバーサルミュージックに移籍することを発表してから、初のライブになった。

今回のツアーでは初めての「平日開催」なので、東京から名古屋まで向かう道中、名古屋でぶらぶらと観光する道中、どこに行ってもガラガラに空いていたので、混雑にまみれることもなく実に快適な遠征であった(と言うより、お仕事されている皆さんを横目にPerfumeを追いかけて遠征する楽しみを充分に味わった)。
名古屋で食べた美味しいものの記述はのっちほど。


東京は大雪だったのだが、名古屋に到着すると春の陽気!

ここガイシホールは、2009年の直角二等辺三角形ツアーで来たことがある。
スタンド席で見たのだが、そこにいてもズンズンと腰にくる低音に圧倒された記憶がある。
音質に関しては定評のある会場のようなので、今回もとても楽しみにしてやってきた。

直前まで名古屋駅の地下街でご当地ものを喰らっていたので、開場ギリギリでガイシホールに入場。
普段からPerfumeに対する信仰心は欠かしたことはないので、座席はアリーナの一番後ろの壁に近い、かしゆかサイド57列目。
花道先端のステージから遠いとは思わないが、背が低いので生の3人の姿を見ることは困難だと判断し、今日は全体の演出や会場の盛り上がりと、音を楽しもうと思った。

いつも通り、開演の19時を迎えると同時に手拍子が始まり、会場の気温は少しだけ上がる。
Perfumeの登場を待つ10,000人もの手拍子はとても暖かい。

19時を少し過ぎたあたりで暗転。絶叫。

SEが流れ、巨大な照明装置がゆっくりと上がり、3人の主戦場であるダンススペースを広げていく。
イントロのSEの段階で着ているシャツと腹がブルブルと震え、軽い恐怖と言っても良いくらいの低音の圧力を感じる。
「会場に小さな子供はいないかな?これから始まる重低音と大音量は大丈夫かな?」と一瞬だけ頭をよぎる。
Perfumeのライブを楽しむために唯一クリアしなければならない壁は、この「音圧に対する恐怖心」なのかも知れない。娯楽といえば娯楽だが、一秒一秒が真剣勝負で、本気で楽しむ娯楽。
「こちらも本気で行くのでそっちも本気でよろしくね」と言われてるように感じた。

そしてその後、私は今回の名古屋公演で一番印象に残ったシーンを目撃することになった。

「The Opening」~「レーザービーム」

「The Opening」から、ゆっくりと階段を降りて3人はステージに降り立ち、ひとときの静寂に包まれる。

ちょうど私の座席からは、前の人の肩と肩の間に、かしゆかだけが見えた。

真っ赤な照明を背後に背負い、黒い影になったかしゆかは、ゆっくりと身体を後ろに振りかぶり、エネルギーを溜め込むように一瞬だけ静止した。
そして、振り返って人さし指を会場に向けた瞬間にステージから一斉にレーザービームが照射され、暗闇を切り裂いて「レーザービーム」が始まった。

ほんの一瞬の出来事だったが、あまりのかしゆかの格好よさに全身の血が沸騰するような感覚が走り、鳥肌が立った。
先ほどまで開演待ちをしていたのと同じ空間とは思えないほどの光と音の洪水に、軽いめまいを感じながらも光速でPerfume Worldに引きずり込まれる。

「エレクトロ・ワールド」

「エレクトロ・ワールド」は、前回の新潟に続きやはり低音がヤバい。
Perfumeの楽曲の中ではやや古いグループに入ってしまったが、新たに手が加えられているのかと思うほどに腹を揺さぶる音の圧力を感じる。
オリコン週間最高順位77位の楽曲が、6年の歳月を経ても地中深く埋もれてしまうこともなく、陽の目を見ている事と、イントロの快晴の空の映像が目に青く、語らずに平和を象徴しているようで涙が込み上げてくる。

「MC」

MCのことはここにまとめて書いてしまおう。

MCでは、のっちメンバーの調子が良かった。
いつも通りあ~ちゃんとかしゆかが下がって、のっちメンバーだけがステージに残る。
この時点で会場から笑いが起きるのがのっちメンバーの実力だ。
感謝やお礼や嬉しさを伝えようとして何故かケンカ腰の口調になって行くのっちメンバー。
最終的には演説のような口調で今後の意気込みなどを語った。
喋らせると、ダンスをしている時の切れ味を一切感じさせないところがのっちメンバーの魅力。
最後には「もっと喋りたいんすけど!」と語っておられた。

また、氷結の新しいCM撮影の話がとても面白かった。
のっちメンバーは新曲に合わせてワイルドにダンスしたかったそうだが、雰囲気に飲まれてお遊戯的なダンスになってしまったらしい。
それを何度も繰り返すのっちメンバー(表情がヤバい)。
また、それを何度もやらせるあ~ちゃん。
まだどこにも披露されていない新曲の振り付けをチラッと見れたので嬉しかった。

あ~ちゃんは終始リラックスしていて、とても軽やかだった。
ファンへの感謝の気持ちなど、言っている内容は同じなのだが、毎度聞いている私でさえまるで初めて聞いたかのような感覚に陥るのは、やはりあ~ちゃんが心の底からの気持ちを伝えているからなのだと思う。
数日前にレコード会社を移籍することが発表され、いよいよ我らのPerfumeは世界に向けて作品を発表する。
それに向けて、海外への活動を開始するのだろう。
「私たちは日本が大好きなんです!日本の皆さんを忘れる事はありません!」
と笑顔で言うあ~ちゃん。
もちろん全力で応援するが、まるで自分の娘が海外に嫁いでしまうような寂しさも感じる。

埼玉、新潟、名古屋とMCを見てきて、かしゆかがあんまり喋らない印象を受けた。
やや心配。

「時の針」~「微かなカオリ」

「時の針」で柔らかくなった心に、続く「微かなカオリ」が染み渡る。
「時の針」は、生の姿が見えなかったので、モニターの映像を見ていた。
とんがり帽子(「ねえ」の帽子と同じ?)をかぶって、優しい表情で歌う3人の姿が印象的だった。

「スパイス」

花道中央のステージで、背後からのスポットライトに照らされて始まる。
演出は抑え目で、3人が複雑に絡み合い、一つの生き物になったようなダンスパフォーマンスが際立つ。
これこそ世界に通用するパフォーマンスだと思う。

「JPNスペシャル」
メロディは少なく、強烈なキックとベースの上にパラパラと効果音を乗せられて構成された楽曲は、もうカッコいいとしか言いようがない。ガイシホールの音響は、まるで巨大な太鼓の中にいるようだった。
「光り物禁止」のお陰で、暗闇に浮かび上がるスクリーンの映像の世界に急速に吸い込まれて行く(全編の演出において「光り物禁止」にしてくれた運営サイドに感謝!)。

埼玉公演の時から気になっていたのだが、この映像の中に、3人が「見ざる言わざる聞かざる」のポーズをしている姿が見られる。これは「love the world」のジャケット写真でも使われているモチーフだ。


コチラは日光の三猿。


ちなみにこのジャケットはPerfumeの中でも1~2番目に好きです。「何も足さない 何も引かない」と言うサントリー山崎のキャッチコピーを思い出すほどに洗練されたデザインだと思います。

「love the world」では、単純にカッコいいポーズだというだけで使用されたのかな?と思っていたが、ここでも登場したので、何かしらの思想を表現しているのかもしれない。

Wikipediaによると、論語の一説として「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」(礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざればおこなうなかれ) があり、中国や朝鮮半島では「目は悪色を視ず、耳は淫声を聴かず、口は敖言を出さず」という戒めや、嫁と姑の関係で「見ても見ぬふり、聞いても聞こえないふりをして、言いたくても言うな」と教育されることがあるようだ。

「Perfumeは世の中の悪しきモノを見ず言わず聞かず、悪しき言葉を見ず言わず聞かず」といった所なのだろうか?
このあたりの見解は、頭のいい人に任せよう。

「GLITTER」

私は、ある頃から音楽雑誌の類いを一切読まなくなった。
音楽家がベラベラと言葉によって音を語るのが気持ち悪いと思ったからだ(失礼ながら、菊地成孔さんのように語りが本業よりも面白い場合もあるが)。
格好つけたビジュアルや言葉によって音楽を語るのではなく、「音そのもので語れ!」と激しく思う(ただし、Perfumeは除く)。
Perfumeは、愛想笑いや美辞麗句で飾った言葉や過剰な包装や余計な宣伝もなく、ましてはバックダンサーもバックバンドも従えずに、たったの3人だけでパフォーマンスし、この「GLITTER」で全ての想いを語ったように感じた。

もしも、Perfumeをまったく知らない人に「Perfumeって何ですか?」と問われたら、私はこのJPNツアーでパフォーマンスされている「GLITTER」を見せて「これがPerfumeですよ」と教えてあげたい。
これを見れば、Perfumeについてこれ以上説明する事はないと思う。
現時点では「最高究極のPerfume」が詰まったパフォーマンスだ。
レーザー光線による演出は「もうこれ以上はないよね…」と思っていたのだが、あっさりとそれを上回るレーザー光線の仕掛けを施してきたので、今後にも期待せざるを得ない。

ファンの想いに応えようとする3人のエネルギーが、ここまで凄まじいステージを創り上げたのかと思うと、その想いの大きさに涙が出てくる。
Perfumeの東京ドーム公演のパフォーマンスと演出は、文化庁メディア芸術祭の審査員推薦作品に選ばれた。
今回の「GLITTER」も、これに相当する芸術作品だと私は感じた。

何が言いたいのかと言えば、つまり「見た人にしか分からない素晴らしさ」といった所か…。

「ポリリズム」

照明の美しさをジックリと鑑賞した。
ポリループ部分でシンクロする3人に合わせて光の渦もシンクロする。

「FAKE IT」

3人が「夏のロックフェスでガンガンに上がれるような楽曲を!」と中田ヤスタカ氏にリクエストし、すっかり寒くなった秋にリリースされた「ねえ」のカップリング曲。
これをオールスタンディングの夏のロックフェスで披露したら危険な状態になるだろうと思える。
それくらいにあ~ちゃんの「ジャンプ!ジャンプ!」のかけ声でオーディエンスが激しく暴れていた。

「MY COLOR」

あ~ちゃんの号令でガイシホールに集まった10,000人の手のひらがステージに向かって挙げられる。
何という幸せに満ち溢れた景色だろう。
ステージから見る景色も素敵だと思うが、アリーナの最後方から見るこの景色も最高だ。


これは、中学生の頃に3年間美術で学年トップだった私の画力で軽くスケッチした当時のガイシホールの状況だ。
会場の興奮状態が赤子の手をひねるように簡単に理解してもらえると思う。

「Dream Fighter」

ここで事件は起きた。
スクリーンに映ったかしゆかが、ベロを出したのだ。
それが通常確認されている「ペロゆか」でも「ベーゆか」でもなく、ベロっと舌を出したのだ。
これは中学生の頃に3年間美術で学年トップだった私の画力で解説しよう。


そろそろかしゆかファンに刺されてもおかしくはない。

早急にこのかしゆかの呼び名を各方面で検討して発表して欲しい。

「名古屋グルメ」

今回の遠征は、宿泊した翌日に始発で東京に戻って仕事があるので、名古屋のグルメに触れたり、観光を楽しむ時間は多くは取れなかった。


朝食は新幹線の中で深川飯。平日の朝から飲むビールは格別ッ!

新幹線の中で弁当を楽しみ、名古屋に到着して、まずは名古屋城へ。
何が素晴らしいかと言えば、平日という事が素晴らしい。
人が少ない名古屋城をゆっくりと見て回ることができた。


本丸御殿の修復作業が見学出来るようになっていて、それが一番面白かった。

2009年の直角ツアーの時に訪れた金山の「三福」さんに再訪した。


うむ。4年前と変わっていない。

ここの名物はウナギの「釜まぶし」というものだ。
「櫃まぶし」ではなく、釜に入って鰻が出てくる。
入店して待つこと20分ほど。香ばしいカオリと共にやってきた。


ドッギャァァァァァァァァァン!


ゴゴゴゴゴゴゴ…!

まずは混ぜないでお腕に盛り、外はカリカリ、中はふっくらとした焼き加減の鰻の食感と味を楽しむ。
言葉が出ない美味しさとはこのこと。
そして、次は薬味を添えていただく。
無言で目を閉じて集中して味を楽しむ。
最後にはお茶と少量の塩を振りかけてざらざらとご飯と鰻をいただく。
一度冷えた鰻が、お茶の温かさを吸収して柔らかさを取り戻す。
結局、四度に渡りお椀に鰻とご飯をよそって美味しく頂くことができた。
Perfumeとの出会いが教えてくれた美味に感謝。

まだまだ今回の名古屋遠征について書きたいことは山ほどあるが、最近仕事が多忙になってきたのでこの辺りで筆を下ろそうと思う。
この日の夜はTwitterのPerfumeクラスタの皆さんと美味しい中華料理を食べて飲んで騒いで楽しんだ。
こういった楽しい仲間との出会いを作ってくれたのは間違いなくPerfumeの3人だし、これから先の静岡、愛媛、北海道でもきっと楽しい出会いと新しい感動が待っているのだと思う。

心が豊かになる幸せを感じさせてくれるPerfumeに感謝。

結論。
かしゆか好きっス!
コメント (8)
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