DREAM-BALLOON

夢風船って
地球なのかな?って思ったりする...

ブログ開設から4000日!

25:宝石

2008-09-15 07:07:14 | ★DAILYLIFE★(acco小説)
 僕とおだちゃんはその日、家の前で砂遊びをしていた。雨上がりなので、砂が適度に湿っている。しかし、このころの僕らは単純だった。遊びなんてものは、一言でガラリと変わってしまう。この日もそうだった。
「ねぇねぇあっくん。魚採りに行こうやぁ。」
「おだちゃんって、ほんとに魚が好きやね。ええよ~。」
とまぁこんな具合で、二人は五反田川へ向かうこととなった。手に持っている物は、スコップから虫取り網に、ズボンはヘビを警戒して、半から長に。
 五反田川までは、普通の道を通ると5分。今考えると十分近い。しかし、林の急斜面を駆け下りれば1分。僕たちはもちろん、いつも後者のほうを使っていた。地面は粘土質で、(雨の後はとくに)滑りそうになるが、幸いこの日も、川まで転げ落ちることは免れた。が、おだちゃんは運動神経が極端に鈍いせいもあり、2回こけて、早くもズボンが泥だらけになった。
「あ~ぁ。さっき半ズボンも泥だらけにした所なほ~ぃ…まった母さんに怒られるわ。へへっ。」
おだちゃんはこんな幼い時から、喋り方がじじ臭い。そして笑い方は、ウッチンと違ってなんだか不気味…。

 何はともあれ、無事、家から数十メートルの川に辿り着いた。安心したのはつかの間だ。川を覗き込みながら、おだちゃんが叫ぶ。
「うわっ!やべ~ぞ、あっくん。」
「何何??」
僕も川を覗く。おだちゃんの“やべ~”の意味はすぐわかった。川には茶色い濁流が流れている!
「そうか、昨日の雨で増水しちょんやね…。」
魚を採るどころか、自分が流されてしまうだろう。
「う~む…。」
おだちゃんは考えた。どうしても魚が採りたい!!そして名案が浮かんだ。
「そうじゃ!田んぼの水路がよくない!?あっこなら増水せんやろ!?」
「おだちゃん、ナイス!」
丁度この時期、稲は成長期。大量の水が田んぼに送られていた。そんなこの時期限定で、水路にはたくさんの小魚がやってくるのだ。
「よっしゃっ!行くぞ、あっくん!」
「あいさ!」

 田んぼのあぜ道に沿って歩きながら、二人は興奮していた。水路に来たのは大正解だ!もちろん増水はしてないし、メダカやフナが悠々と泳いでいる。しかし、その時僕の目は、水の中ではなく道の上で留まった。
「おだちゃん…あれ…なんやろう。」
「ん?」
青い、正確にはコバルトブルーの物体が落ちている。恐る恐る近づいてみて、やっとわかった。
「鳥の死体や!」
このころは、もちろんバードウオッチングなんてしてない。それでも多分この鳥は…。お腹がオレンジ、背中が青。この特徴的な色と長いくちばし。
「…カワセミ?カワセミやない!?」

 今思うと、この時が最初の出会いだ。“渓流の宝石”との。