LINEが鳴った。末っ子からだった。
「えーと次の土曜日そっち行っていい?」「ええよ~、一人でかい?」
「せやねん、ちょっと気がかりな事があってな、又会ってから話すわ~」と、コテコテの関西弁(^_^;)
颯爽とやって来た彼は、もう私の記憶の中の可愛いおぼっちゃんではなくて、私の背中を撫でて「お母ちゃん、泣いたらあかんで」と慰めてくれた3歳児でなくて、立派なお父ちゃんになっていた。一児のパパだものね。
「さて、『ええ話』と『悪い話』とあるねんけど、どっちが先がええかな?」
ひょえ・・ドキドキ・・・リコンするとか?イヤンイヤン、そん時は孫っちは引き取るけんね!とか何とか思いながら、
「そら、ええ話聞いてからやわ」と言ったら、中高一貫高校で、大変お世話になったし、可愛がって貰った担任の先生が、教頭先生に昇格されたんだとか。
それで、今高校へ寄ってきたと言う。高校卒業したのんって、もう18年も前だぜ。でも、先生も覚えて下さってて、今度ゆっくり飲みに行こうやと言っていただいたとか。
「ほほ~そら、えらい出世しはったやんか。で、悪い話って?(ドキドキ)」
彼が通った高校は大阪府のあちこちから通学している。つまり通学に1時間かかるなんて当たり前だった。
その点我が家は高校から自転車で5分というチョー立地条件がヨカッタので、ともすれば「彼らのたまり場」になっていた。
たまり場とは言え、私は何のお世話もしない。勝手にハンバーガーを食べ、夜遅く迄笑い、騒ぎそして明け方みんな「寝ぼけ眼」で学校へ行く。
「イジメ」なぞとはほど遠い学生生活を送った末っ子。きっと良い友達、先生に恵まれたんだろう。そして、今でも彼らと連絡しあっていて、大阪に帰った時は、先生や仲間と酒を飲むんだとか。
そうやって、中学生の時から、我が家へ来てた友達が、「骨肉腫で亡くなった」んだそうだ。んんn絶句・・・リコンじゃなくてヨカッタとは思ったけど。
まだ若い36歳だ。末っ子は、ここ数か月忙しくて、通夜にも葬式にも行けなかったのを、非常に悔やんでいて、今日トンボ帰りで、お参りに行ってきたのだそうだ。で、ついでに実家に顔出したてか。
「結婚してはったん?」「うん」
「お子さんは?」「それがな、まだやってん」「そっか・・・・・」
お子でもおれば、奥様も気が紛れる或いは、この子の為にと踏ん張れるだろうけど、愛するダンナ様だけ、さっさと逝ってしまうなんて、残された方はどんなに辛いか。
まだ、お若いから、再婚という事もあるだろうけど、でも、やりきれないな~~。
まあ、未だに高校の時の仲間がお参りに来てくれるなんて、どんなに嬉しいだろうか。ちなみに、我が家への「出入りの条件」は、ただ一つ「男前である事」だったので、来る子は、みんな、挨拶もちゃんとするし、笑顔がたまらなく可愛い子ばかりだったな。
末っ子が言った名前の子がどの子か分からないけど、何とも切ない里帰りだった。
で、横浜に帰ったら、即孫っちと嫁ちゃんの写真が送られて来たので、この調子だと、この方面でくよくよする事はあるめえと、ややほっとした所である。