物語には関係ありませんが、今日は母親と民俗博物館でやってる「驚異と怪異」という展覧会に行ってきました。古今東西の想像上の生き物、クリーチャーについての展示です。結構面白かったので、もしかしたらこの先『とある青年の世界見聞録』に出てくるかもしれません。
そしてそれとは別に一言。
人魚だの河童だののミイラは普通にキモかったと思う。
本文詳細↓
追記。
筆を置いた後、僕は火を小さくして目を閉じた。いや、閉じようとした瞬間、言いようのない圧迫感を感じて動けなくなった。眠気なんて、蝋燭を吹き消すよりあっさりと、どことも知れぬ場所へ吹き飛んでしまった。
ぞわりと鳥肌が立った。だけど寒さのせいじゃない。
後ろに何かいる。
〝ダレ〟
僕は呼吸を整え、バクバクと鳴る心臓を服の上から押さえつけながら、意を決して振り向いた。
そこには赤い頭巾をかぶり、青い毛糸の上着を着て、膝まであるブーツを履いた女の子が立っていた。季節外れの、真冬の装いだ。その隣には、女の子と同じくらいの背丈で、立派な角を持つ大きな鹿が佇んでいた。けど、鹿の体は透けて向こう側の木が見えていた。なのに、透けておぼろげな姿なのに、まっすぐ見つめてくる目が痛かった。
〝ダレダ〟
今度は横から声がした。そっちに目をやると、木と木のさらに向こうから、こっちを見てくる熊がいた。
〝ナンダ〟
アダムの後ろの暗がりに、何かがいた。夜闇と同化してしまいそうなほど黒いのっぺりとした姿で、人とも言えたし、また違う異形のものとも言えた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます