徒然日誌(旧:1日1コラ)

1日1枚画像を作成して投稿するつもりのブログ、改め、一日一つの雑学を報告するつもりのブログ。

階の月、幻想と綺羅の山にて 3

2019-10-10 18:56:12 | 小説



 物語には関係ありませんが、今日は母親と民俗博物館でやってる「驚異と怪異」という展覧会に行ってきました。古今東西の想像上の生き物、クリーチャーについての展示です。結構面白かったので、もしかしたらこの先『とある青年の世界見聞録』に出てくるかもしれません。

 そしてそれとは別に一言。
 人魚だの河童だののミイラは普通にキモかったと思う。









 本文詳細↓



 追記。
 筆を置いた後、僕は火を小さくして目を閉じた。いや、閉じようとした瞬間、言いようのない圧迫感を感じて動けなくなった。眠気なんて、蝋燭を吹き消すよりあっさりと、どことも知れぬ場所へ吹き飛んでしまった。
 ぞわりと鳥肌が立った。だけど寒さのせいじゃない。
 後ろに何かいる。

 〝ダレ〟

 僕は呼吸を整え、バクバクと鳴る心臓を服の上から押さえつけながら、意を決して振り向いた。
 そこには赤い頭巾をかぶり、青い毛糸の上着を着て、膝まであるブーツを履いた女の子が立っていた。季節外れの、真冬の装いだ。その隣には、女の子と同じくらいの背丈で、立派な角を持つ大きな鹿が佇んでいた。けど、鹿の体は透けて向こう側の木が見えていた。なのに、透けておぼろげな姿なのに、まっすぐ見つめてくる目が痛かった。
 〝ダレダ〟
 今度は横から声がした。そっちに目をやると、木と木のさらに向こうから、こっちを見てくる熊がいた。
 〝ナンダ〟
 アダムの後ろの暗がりに、何かがいた。夜闇と同化してしまいそうなほど黒いのっぺりとした姿で、人とも言えたし、また違う異形のものとも言えた。





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