
夜が明ける前に起きて

昨日今日と氷で締めた大鰺を市場に出荷
何か食べたいもの有る?と聞くと決まってステーキと応える。
何時もの問答と思いきや「ちらし寿司も良いね」そう言えばここ暫く作っていなかった。
55年4月と書かれた寿司桶が手元にある。
母が亡くなり荷物を全て処分する時に真新しい寿司桶を見つけた。
帰省すると決まってちらし寿司を作って待っていた 私一人の為に寿司桶を一杯にして。
「こんなに沢山誰が食べるの?」って母を困らせて
そんなことがあってちらし寿司が好きではなくなった。
息子が生まれ大人数で訪ねた時に母は一回り大きな寿司桶を新調していた。
足らないのが嫌な性分の母は何時も多めに作る。
捨てられなかった母の寿司桶 今では我が家の定位置を得てあれから40数年使い続けている。
寿司桶を出すたびに母が思い出され 何時しか多めにちらし寿司を作っている私がいる。
美味しいねって。